性生活は決して1人の問題じゃない。
人間は、本能的に子孫を残すために生きているとされている。
セックスをして、子どもをつくるということだ。
性について、そこまで深く話したことがない人が大半だと思う。
男性は友人とああだこうだ話すことはあっても、
家族や兄妹、恋人とでさえそんな話…と敬遠する人たちは多いはずだ。
どこか”恥ずかしいこと”として認識されている風潮がある。
代筆屋として手紙を書く仕事をしていて、悩みの相談を受けることが多い。
復縁や関係修復を望む人は、とりわけ人間関係や恋愛、夫婦の悩みについての相談だが、根本をみてみると『性』に問題がある人たちが少なくなく、加えてあまり話したがらない。
問題は、性についての問題を抱えているパートナー同士がどう話していいかわからないのは、性について恥ずかしいと考えられている風潮がこべりついているということにある。
恋人や夫婦、パートナー同士の性生活は、決して1人の問題ではなく、2人の問題であるはずなのに個々人で悩んだり、あるいは無視したりしている。
例えばセックスレス。
日本家族計画協会の婚姻関係にあるカップルで進むセックスレス化の調査によると、2020年は「51.9%」のカップルがセックスレスだったそうだ。
しかも2004年は30%くらいなので、右肩上がりにその数は増えていっている。
半数以上が性行為をしていないということになる。
2人に1人だ。
セックスレスというのはマイノリティ(少数派)の問題ではなく、すでにマジョリティ(多数派)の問題と言っていい。
ただ僕はセックスレスが問題なのではないのだと思う。(少子高齢化の観点から言えば話はまた別だが…)
本当に考えるべきなのは、セックスレスについてカップル間で共通認識があるかどうかだ。
話し合えているかどうかだ。
感覚値としては、話し合えているカップルは、そのうちの5割。
話し合えていても不満を抱えているカップルが、そのうちの4割。
しっかりと解決できているカップルは1割にも満たないと感じる。
確かに難しい問題ではある。
セックスは1人ではできないし、お互いがしたくないということであればそもそもセックスレスという問題は浮かび上がってこない。
どちらかが求めているのならば、放置していい問題ではない。
僕がなぜ相談をしてもらえるようになったか、性の問題にたどり着けたかというと、
僕自身がここ4年間ほどセックスに悩ませれてきたからだ。
僕の場合は「心因性ED(性機能障害)」と、それによる「セックスレス」。
もともと性欲が強い方ではない。
行為自体に疲れを感じることもあったし、ともに過ごす時間だけで満たされるタイプだった。
そして僕のパートナーは逆で、身体のつながりでより強い愛を感じるタイプ。
これは正解はない!ではなく、どちらも正解。
お互いに好きになって付き合い、結婚しても、重なり合わない部分があるのは当然のことだ。
どちらも間違っていることなく、どちらも正しいのだ。
だから人は歩み寄ろうとする。
人は優しい生き物だと思う。相手を思いやり、それを言葉にしたり、行動に移すことができる。
我慢をしてでも、愛する人のためならとなんとかしようとしてしまう生き物なのだ。
僕自身も「努力する」と伝え、必死に頑張っていた。
満たしてあげたいと強く思っていた。
行為の要望に応えようとした。
トレーニングを調べて実践し、サプリメントやバイアグラを飲んだりもした。
月経を迎えるたびに「これで当面はしなくて済む…」と安心する自分がいた。
タヌキ寝入りをして、隣で泣くパートナーにどうすることもできず苦しんだ。
そのたびに「自分がもっと普通なら…」と自分を攻めた。
負のスパイラルに完全に陥り、もうセックスがしたくなくなっていた。
そんなものだった。
愛していたはずなのに、その行為自体に幸せを感じていたはずなのに、性生活の問題を1人で抱え込んでしまった結果、もうどうにもならなくなってしまっていた。
無論パートナーも同様だったと思う。彼女自身も思い悩み、それを1人で抱え込んでいた。
話し合いはしていたが、本心を伝えきれていなかった。
僕はいつも「行為をしたいわけじゃない、ただ今はできる気がしない‥」と伝えていた。
嘘だった。嘘に嘘を重ねて相手を悲しませ、自分自身がもっともっと苦しんだ。
僕はたまたまもう無理だと言えた。
どうにもならないことはどうにもならない。
どうにもならないことは諦めたとき、ようやくどうにかできる。
僕は諦めて、もう無理だと伝えられた。
だからじゃあどうしようかと話せた。
解決することが、すべてではない。
ただ1人で抱え込んでいるだけでは、何も起こらず、
ただ2人でいることが不幸せになっていくだけだ。
パートナーには簡単に言えないという人もいるだろう。
僕自身がそうだった。
性生活は、決して1人の問題じゃない。
人生は長い。
誰かに頼って生きてみるときがあってもいいじゃないか。
いつでもご相談お待ちしております。
あとんす!きっとうまくいく