27宿と108と9
星供が近づいてきた。空海大師が唐から持ち帰った『宿曜経』には、月の通り道にある27の星座(ナクシャトラ)を載せている。インド占星術では、一つ一つのナクシャトラを4区分する。したがって、27のナクシャトラを合計すると108となる。
この108についてよく言われているのが、太陽の大きさは地球の約108倍で、太陽と地球との距離が太陽の直径の約108倍で、月と地球の距離も月の直径の約108倍というものだ。古代インドの聖者(リシ)はこれをわかっていたという。
仏典に説かれる煩悩の数も108個、数珠の数も108個。明らかに故意に108としている。
インドの数秘では、108は1+0+8=9であり、9は神のblessingとなる。
『宿曜経』は唐に伝えられ、28宿となった。これは斗宿と女宿の間に牛宿を加えたためである。28宿は1週間の7日で割れる数であり、曜日と宿の組み合わせが整然とする。
しかし、インドの原型は4をかけると108になる27宿なのであり、28宿とすることはできない。
ちなみに「宿曜経」は「しゅくようきょう」または「すくようきょう」と読まれるが、正しくない。この「宿」は星座の意味であり、「しゅう」に読む。「星宿」は「せいしゅう」であり、「宿曜経」は「しゅうようきょう」である。