自分のことをとてつもなく不幸だと信じて疑わない青年の自己肯定感を高めた方法
結論:彼よりも不幸だと思われる実体験をポップに話す。
7割の日本の高校生が自分はダメな人間だと思うと回答
自己肯定感、ここ数年とてもよく聞くようになった言葉です。
また、日本の幸福学の第一人者、前野隆司・慶應義塾大学大学院教授は、「自己肯定感が高い人は幸せ、低い人は不幸せと言い切れるくらい相関が強い」と説明されています。
自分のことをとんでもなく不幸だと思い込んでいる青年の自己肯定感を上げる方法
私たちはヒキタシのわという教育支援団体で、国内外の行政や様々な教育機関に伺わせていただいています。
そこでキャリアやSDGs、コミュニケーションについてのプログラムを提供しています。
以前、ご縁があって通信制高校のサポート校に複数回実施するコミュニーケーション講座をさせていただきました。
そこの生徒さんは色々な理由で通信制高校に通っています。
不登校だったり、病気が原因だったり、自分の意志で意図的に通信制高校に通っているなどバックボーンは様々です。
私たちがサポート校の学院長から受けたオーダーは「人とかかわってつらくなかった、楽しかった、自信がついた」そう思えるような体験をさせてほしいというものでした。
それらの体験を通して少しでも彼らの自己肯定感が高めていきたいという願いです。
実際に彼らと接する中で当初想定していないような様々なドラマやストーリーがありました。
世の中には様々な自己肯定感を高める方法があるようです。
「自己肯定感 高める 方法」で検索すると山のように手法が出てきます。
例えば以下のような感じです。
確かにどれもよさそうです。
ただ、「とんでもなく不幸 自己肯定感 高める 方法」ではヒットしません。
今回は一般的な方法を実践する以前の状態の生徒たちが対象のようなので、プログラム開始前から学院長と入念に何度も打ち合わせをしました。
いきなりノウハウやワークから入るのではなく、お互いにラポール(信頼関係)を築くことが第一としました。
初回のプログラムでかかわるスタッフが学生に人生での赤裸々な失敗談を話すことに。
狙いとしては自分のことをダメだ、失敗してしまっていると思っている生徒が多いらしく、大人は完璧で自分だちとは違うと思い込んでいると。
先生ではない大人から直接の失敗談を聴くことで「大人も沢山失敗してるから少々のことは大丈夫だよ。」と安心してほしいという意図です。
参加者の中に自分のことをとてつもなく不幸だと思って疑わない青年がいました。
私と彼のグループが同じテーブルになった際、エピソードカードからどんな話が聴きたいか選んでもらいます。
彼らが選んだエピソードは「詐欺師にも感謝。大学生の私が詐欺師に騙された話」でした。
私が大学生の時に詐欺師に騙された話をポップにした途端、彼の表情がみるみる明るくなっていきました。
「自分はとてつもなく不幸だと思っていたけど、それが少し薄まった」
その日のプログラム終了後に提出された彼の感想にこう書かれていました。
そしてプログラム前後のセルフチェックアンケートで自己肯定感に関する数値が大きく伸びていました。
人間の性として、自分よりも不幸に見える人と比べて自分はまだましだと思うことありますよね。
まさに彼にとっての自分はそう映ったのでしょう。
健全な反応かどうかよりもそれによって彼が一歩を踏み出すきっかけになったことが私たちとしては大切でした。
私個人でいうと騙された当時の自分は人間不信になりかけてやばかったです。
なんて自分は人を見る目がないんだろうとかなり落ち込みました。
時間が過ぎると少しずつ元気になってきて、その経験から学んだことを分析して話せるようになってきました。
実際にその話を気に入った方からうちの会社に来ないかとその場で声をかけていただいたり、今回のケースのように若者への警鐘としてポップに話せるようになりました。
騙されて落ち込んでいた当時はまさか、十数年後に自分のことをとてつもなく不幸だと思い込んでいる青年の役に立つことになるなんて夢にも思いませんでした。
過去は変えられる。
すべては捉え方と活かし方次第。
尊敬する経営者の栗原志功さんが先日のフォーラムでそうお話をされていました。
どんな過去でも捉え方と活かし方次第で変えられると私も上述の経験から強くそう思います。
仮に今不幸のどん底だと感じている方がいたとしても、その経験がいつか自分か誰かの役に立つタイミングが来るかもしれません。
笑い話としてポップに話せるくらい成長してやりましょうや!
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