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即興詩/16.0


珈琲


存在論的な違和感を
受肉した他者としての
もう一人のわたしが
珈琲に浮かんでいる


淡い水色の音のない
マグカップが
静けさを際立たせては
シンクに吸い込まれていく


苦味と酸味と甘み
喉に沁み込んでいく
そういえばこの世界も
そのような味がする


それ その 無意味な
指示代名詞の羅列に
この命 指し示されて
未来の葬列に並んでいる


カップを空にして
揺蕩う追憶も空にして
深めの呼吸をしては
少し目が覚めた気分になった


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