現在地を
忘れてしまった夜に
ノースダコタの
緯度を知った
干したままのシーツに
冷えた雨がこぼれたら
アボカドが生えて
それを前菜にした
ステレオを流れる
スローなロック
ブラウン管の
白いノイズを
ゼリーにして
スプーンで掬ったら
観葉植物が
枯れてしまった
痺れながら
三十二階の
炭酸水の中
背泳ぎをする
淡いたましいの
二分の一のn乗
束の間の雲間に
垣間見て
夢をみることと
耳をふさぐこと
或いは、その両方を
器用にこなすことが必要で
曖昧さを回避するために
今日も
赤くなった
果汁を飲む
ごくり
と
喉を潤して
水色と藍色の中間の
灰となって
接続している
友人たちは
ほぼ
完全に
消えていた