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ー詩と形而上学ー

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創作している詩をまとめました。お気軽に御覧下さい。
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2022年1月の記事一覧

ー詩と形而上学ーNo.44

止まれ     波は、確かに線になっていた 消えかけた、道路の止まれに なぜそうなのかを、質問して そして、確かに止まっていた 着彩する前の水彩画の描きかけの白い部分が パースを意識する前に現前した不在の空間が 冬の空の水色を認識する前のブルーの直観が 未完成なまま完成していて、それを鑑賞した 親切な主旋律と交響楽 昨夜は、零下二度まで 冷えてしまったようで 雪の積もったピアノに 視線を交えて、会釈をする 都市の夜景の一部となった人々を思い出して 東部戦線の兵士の残

ー詩と形而上学ーNo.43

傘を差す、ブルー この冬空の水色を 翻訳しようとして 誰も知らない 国のことばを探していた この色彩の、にじんだ輪郭を 透き通る、青い温度の余韻を 風に秘められた、果実の予感を 何処かの国では、何と 洗剤のプラスチックの容器から 剥がしてベランダで干したような青 3度の気温を、パレットに並べて 抽象的な、風景画にした ピンク色のレコードに 針を乗せる 回転し始めた音色と 旋回する旋律 リフレインを、反復させて 明後日の気配を眺めて 徒歩5分程の距離を 時間を掛けて歩