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ー詩と形而上学ー

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創作している詩をまとめました。お気軽に御覧下さい。
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2021年12月の記事一覧

ー詩と形而上学ーNo.41

GOOD MORNING      抑揚のない声を ミキサーにかけて ジュースにする 今日の、搾りたての かすれた声帯は おはようございますが うまく言えない 背景だと思ったら 風景画だった時のような 掴み損ねている 本日の、自分の居場所 頁を開いたら 繰り返される 契りのような、或る永遠性 ありのままの背中を現実として 只、生き延びていくだけでは 干乾びてしまうようなので 植物園の入場券の半券を 柔らかく握りしめながら じっと、待っていようと思う 花が咲く、その瞬間

ー詩と形而上学ーNo.39

花束     百万通りの感傷が 癖になり ワイシャツの皺 裸になった襞 唇を通り越して 半音階の♯となった そのまなざしは 魂の真ん中の 脆弱性を攻撃した ウォーターハウスの 絵画の濃紺 裸体  飾ろうとして 極めて透明に 無邪気な無色になった なにもいらない 革の手帖も 氷点下の陽炎も たてがみをゆらした 燃える馬を見た 俄に透き通った 凡庸なわたしの血 たっぷりと、お飲み 一際、燃え盛った彼は 暫し、嘶き 蹄の跡を残して 薔薇のように散った 暁光の光束が いろあ

ー詩と形而上学ーNo.38

SUMMER SWEARTER     半年前は サマーセーターで それに 理由を 探していた 通り抜ける うつろうことを 恐れない Ethicsで 田園を飛び立ち 都市に至る 一本の 糸のような 必然性で 一貫性が あるようだ どうやら あなたとの間に 枯れなかった 向日葵 朝六時の 初冬の気配 誰もいない それが似合う ひろがる 青い塵 首都圏から 遠く離れた 美しい街の 踏切に たたずんだ カーブミラーが 仄かに映す 触れられないもの 無邪気で 無色な 置