物思いNo.41:博多に2週間いて40軒外食した話
さて、今回はこんなお話。
福岡で過ごした時間について。
なぜ福岡に
一言で言えば、仕事の関係です。
およそ2週間程度、福岡・博多での生活を送ることになりました。割と急な決定で。
これまで、博多はまったくもって行ったことはありません。土地勘もない中、仕事をこなせるのか?という不安の一方で、またとない機会なのだから仕事だけに埋もれたくないという感情もふつふつとわいてきました。
もとより、仕事とプライベートは分けたい派である私。
博多という街が飲食に長けている場所ということはかねがね知っていました。
出張といえど、異郷の地ではおいしいものを食べたい。現地ならではのお酒も飲みたい。そうすれば「どうせだったら、おいしそうな店、面白そうな店に行きたい、開拓したい」と思うのは得てして自然でしょう。
そこで、事前に自分のSNSや友人などに、博多の美味しいお店、おすすめの場所などを情報収集。
それを元に現地でお店を選ぶこととしました。また「ピンときたところには突撃してみる」という自分の直感も大事にすることに。
宿の位置関係から、「頑張れば歩ける」という距離感であったため、終電や終バスも気にせず行けることも追い風でした。
さて、どんなことになるのか。なったのか。
今回うかがった飲食店
1 雲レ日
初日の夜、初めて博多で外食したのが雲レ日でした。
ちょうど冷蔵庫の前の席に通され、まじまじとみながら注文しつつ、周囲の(おそらく)常連さんの話もラジオのように聞きながらしっぽりとした時間を過ごしました。
途中、その常連さんが頼んで「これ美味しいね!」と言っていた日本酒が、自分の地元のお酒であったため、ちょっと嬉しい気持ちになりました。
2 串揚げと小料理の店 おとん
コースで串揚げが一本ずつ丁寧に出てくるスタイルです。
落ち着いた雰囲気はいつでも来られる安心感につながりますね。
なお、喫煙OKですので、そこはご留意を。
3 ウエスト
おそらく、あまりに地元では当たり前ですし、いろいろなところにありすぎて、ここをいちカウントするのが怒られそうな店です。
牛丼屋さんでいう吉野家、松屋、すき家、なか卯。コンビニでいうセブンイレブン、ファミリーマート、ローソン。関東圏で富士そば、日高屋が日々の食事処としてのあるような感覚で、存在しているうどんのお店です。
この日は夜遅かったこと、かつ「ウエストのもつ煮がうまい」という情報から、ウエスト初来店でうどんを食べないという異様なムーブをかましてました。
ねぎ、天かす乗せ放題は本当にすばらしいシステムだと思います。いろいろなお店がぜひ見習ってほしい。
※なお、滞在中にウエストは3回行きました。
4 大久保酒店
地元民に愛されている角打ち店。
入った時には店内には、見事に人生の諸先輩方しかおりませんでした。
そして、入っても何も声もかけられず、どういうシステムで注文すればいいかもわかりません。
恐る恐る店員さんに聞いてみると
・缶の飲み物は自分で勝手に取ってOK
・日本酒、焼酎、料理は自己申告制
というシンプル(だけど初見殺しな)なものでした。
そして、料理を注文するも、特に返答がなく、注文を繰り返そうとしたら食い気味に「後で持ってくんで大丈夫ですよ!」と。
・・・あぁなるほど、これはこっちが変にへりくだりすぎているパターンだな、と思わず笑ってしまいました。
おばんざいスタイルのものと都度調理の料理が、いちいち美味しそう。そして安い。
まるで料理上手な家族がいる家のキッチンで飲んでいるような感じでした。
何気なく選んだ牛肉の塩炒めがあまりに美味しくてびっくりしました。
5 博多一双中洲店
まぁ博多といえばラーメンだろう、ということで。
かつ、結構な有名店だということで、ものは試しに行ってみました。
まず入ってみてびっくり、入っている人がほとんどが外国の方。英語、韓国語、中国語が飛び交っておりました。
食べた感想としては、まぁ美味しいは美味しいのですが、期待値以上の感覚は正直そこまでなかったです…。
言うて、ラーメンに関しては食べ物としての人気・食べる頻度・味わいのレベルの高さゆえにかなり個人の好み、嗜好が入るので、フラットな評価になり得ない気がするのですよねぇ。
6 三陽食堂
肉厚なアジの身でかなりボリューミーなアジフライ定食が有名です。
そしてランチだとアジのたたきが食べ放題。たたきはあっさりめの味付けでついつい2口目3口目とすすんでいきます。
これでアルコールメニューが充実していて、飲める環境で訪問していたらとんでもないことになっていると思います。(当社比)
かなり満足感高めの定食でした。
7 博多ごまさば屋
こちらに行った時に初めて「ごまさば」をいただきました。
青魚、特にサバを生で食べるのは九州地方特有だと思っています。
実は大分県で「りゅうきゅう」を食べたことがあったことが、「ごまさば」へのハードルの高さになっていたのですが、余計なお世話でした。結果からするとどっちも好きです!
お通しででるサバの南蛮は食べ放題という。これだけで十二分過ぎるコンテンツですね。
ここに限らず、お店によって「ごまさば」はかなり多種多様。同じ素材を使っていても、身の切り方、タレの作り方、ごまの配分などで全然違います。
なので、ごまさばがあるとついつい頼んでしまいます。
8 御御御
ここは完全に名前に惹かれて入りました。笑
ポテトサラダを注文したところ、タレというか、ソースがついてきて、途中で味変ができるスタイルになっていました。この発想はなかった。面白いですね。
メニューにないお料理もあるようで、この日は白子が出てきました。
お座敷席もカウンターもあって、人数がそろっていても結構利用しやすそうでした。実際に宴会もやっていましたし。
9 弥太郎うどん
表の渋い店構え、のれんをくぐれば年季を感じる雰囲気が満載です。
お冷を飲むコップはカップ酒の空き容器。もうこれだけでたまらないですね。
24時間やっているため、朝に来た時には、これから出勤する人、これまで働いていた人、それまで飲んでいた人、と多種多様な人種が集まります。それがなんとも博多、天神、中洲の縮図のような光景です。
黄金色のお出汁の優しい風味うどんはもはや味噌汁代わり。
鶏肉のこと「かしわ」というのも、知識としては知っていましたが、実物を初めて見ました。これもまた美味。かしわのおにぎりはうどんのお供に最高。
なお、こちらもウエスト同様、滞在中に3回きました。(どんだけうどん好きなんだ)
10 元祖長浜屋
まぁこちらも、博多でラーメンの中でもレジェンド級な有名店。
お昼時にうかがったので並びましたが、それを物ともしない回転率。まぁ出てくるのが早い、そしてみなさん食うのも早い。替え玉してても早い。
5 一双よりも全体的にあっさりしていて、こちらの方が好みでした。
(むしろ、長浜屋がスタンダードくらいで、一双がより濃厚にしていると思いますが)
今度行くなら、「酒」というメニューに挑戦したいところ。どんなお酒がでてくるのでしょうか。その時は出汁割りならぬ、スープ割りで飲んでみるか?
11 石村萬盛堂
鶴の子、というお土産のイメージが強いかもしれませんが、こちらの本店で食べられる、「つるのこのこ」を求めて訪問。
それがこちら。
マシュマロとプリン生地がなんとも絶妙!
そしてこの可愛らしいビジュアル!いわゆる映えるというやつでしょうか。
ちなみに、こちらでいちご大福も買いました。これまた美味なので行った際にはぜひ。
12 博多一梅(ひとばい)
しっぽりと落ち着いた空間でいただく和食メインのお店です。
靴を脱いであがります。
穴子のお刺身。
初めて食べました。穴子というと煮穴子のイメージが強く、火を通す物、うなぎのように生ではNGなのかと思っていました。
かなりコリコリとした食感、噛むとだんだんと出てくる旨味は他には代えがたいお味でした。
サバの炙りも絶品でした。
こちらは自家製の豆腐。
注文を受けてから投入をにがりで固めているそう。かなり柔らかく、レンゲですくうとそのホロホロさが強調されます。
豆腐を飲んでいるような感覚になりました。
なんこつトロトロ煮。
こちらはなんこつの中でも特定の柔らかい部位を使い、さらにを4時間煮込んでいる物。なんこつがタピオカみたいな食感になっていました。鳥の奥行きのある出汁と肉の旨味は最高に酒が進みます。
カウンターのど真ん中で若僧が飯に酒にとがっついてしまって、ちょっと恥ずかしくなりましたが、そんな羞恥心を超えるくらい居心地もよくてお料理もおいしかったです。
13 吉武酒店
バー、となっているが、そんなおしゃれなものではないです。いや、ここはそもそもお店なのか。
あれこれ語るよりも写真を見た方が早いかもしれません。
ここの雰囲気や空間は、たまらない人はたまらない、ダメな人にとっては絶対ダメ。そう言い切れます。
見知らぬ土地で、人生の大先輩(オブラート)の(掃除も整理整頓もされていない)お宅にちょっとお邪魔させてもらって、お供させてもらう。そんな感覚でした。
缶ビールや酎ハイは冷蔵庫でとって自己申告、…なのはいいとして、日本酒はセルフサービスなのに表面張力ぐらいまで注ぐ(ことを強いられる)、野良猫が突然入ってくる、お客が電熱線のコンロの鍋で自分でお燗につける、他のお客さんでは鏡餅を自分で焼いてどん兵衛に入れて食べてる、和式のトイレまで行く道のりはモノだらけでかなり暗い、缶ビール1缶に日本酒3杯で1300円という値段などなど、いろいろ情報量が濃厚かつ渋滞する状況でした。
そして、そんな唯一無二の時間と空間がたまらなく楽しい時間でした。
店主もかなりのご高齢でしたし、建物も耐久性などを考えると、「いつ閉まってもおかしくない」場所です。
人生において一度きりの来店で終わる飲食店なんて多数あるでしょうが、ここからの帰り道では、(お店の人が亡くなってしまうとかの)不可抗力によって存在が消えてしまうこと、そしてそれが近い未来であることがあまりにリアルにイメージできてしまって、冬の寒空の中、号泣しながら歩いてました。
14 酒殿屋(さかでや)
15 松尾商店(梅ヶ枝餅)
太宰府まで足をのばしました。
であれば、食べなきゃいけないでしょう、梅ヶ枝餅。
参道やその周辺にはたくさん梅ヶ枝餅を扱っているお店がありましたが、値段は基本的に同じ。では味が違うのか?と思い、2か所でいただきました。
・一つ一つ焼くか、まとめて作るか
・作り置きがあるか、その場で焼くか
お店ごとの包装紙
などの違いはありましたが、おおむね味は同じと感じました。
16 揚子江豚まん
参道からちょっと外れたところにあった肉まん屋さん。
梅ヶ枝餅で甘いものを食べた後でしょっぱいもののほしくなり、多少並んでいましたが購入。
ボリューム、存在感のある豚まんはなかなかの食べ応え。
ちなみに、豚まん、とわざわざ書いているのをみながら、肉まん、と認識していた自分。
肉といえば牛肉、という前提条件、西日本文化を肌で感じた瞬間でした。
17 ママキッチン
食べ歩きならもう一軒くらい、と思い、目についた太宰府ドック、というのをトライ。
・・・これはあれか、太宰府(で売っている)ホットドッグ、ということでよいのか。
可もなく不可もなし、な感じでした。
18 LIBROM BAR
博多に来たとあればぜひとも行きたかった場所です。
クラフトサケのスタートアップからの銘柄ですし、イベント出店時にはちょこちょこ飲ませていただいていました。
現地に一度来て本当に良かったです。
思った以上にコンパクトな製造スペース、バーカウンターで出される料理のクオリティ、落ち着きと好奇心が掻き立てられる不思議な雰囲気と、多くの気づきがありました。
目の前で作業している光景も少しのぞくことができました。
また、お店の方からLIBROMに関するいろいろなお話をうかがえたこと、そしてそれ以外での偶然であり数奇なご縁もありました。
ぜひとも再訪したいところです。
19 ソルリバ
酒友に教えてもらったお店です。
日本酒を注文する際に、味わいの好みを聞かれ、答えに応じてはじめの一杯を出していただけました。ありがたい。
福岡県に限らず、全国各地の日本酒を楽しめます。
そして、おでんが美味しいこと美味しいこと。
カウンターのみ、座っている席の後ろを「すみませんすみません」と言いながら移動するタイプの雰囲気、距離感ですが、それが平気、心地いい人にとってはたまらない場所です。
家の近所にあったら確実に通ってます。
20 とどろき酒店薬院スタンド
こちらも、福岡に来る直前の酒イベントで「LIBROMに行くならここも近いから」という話を聞いていたので、はしごしました。
こちらも日本酒は全国各地のもの、かつ、日本酒以外にもワインのラインナップもとてもたくさん。
キャッシュオン(注文するごとにその場で会計)のスタイルなので、予算にあわせてペース、量を調整できます。
九州の日本酒もたくさん置いてある酒屋さんなので、こちらも日常生活の動線内にあったら嬉しいところです。
21 藁焼みかん
春吉ではかなり老舗の飲み屋さんになります。
みかん、という名前だけあって、レビューには日本酒らしきものにみかんを乗せたスタイルのものがたくさん。
「みかんが乗ったお酒が飲みたいんですけど…」と行ったら察してくれました。
また、こちらのお店はメニュー表に料金が書いていません。
料金記載のメニューも別途あります、となっていましたが、ここはあえて料金がわからないドキドキとワクワクの中で注文。
藁焼きとなっているから藁焼きは食べたいし、でもこれも気になる、しかし値段がわからないからどれくらいするのか…?と、あれこれ考えながら楽しみました。
カウンターからは料理を作っているところがライブでみえるので、エンタメ性も高いですね。
ちょっと料金はお高めですが、それに見合うクオリティでした!
22 丼丸 住吉橋店
宿に戻って一杯やるか、となった時に、食べるものがないのでどうするか、と思った時に、藁焼みかんさんを出てすぐに見つけたのがこちら。
東京、・・・というか全国的にもあるお店ではありましたが、まぁここは安定と安心を置きにいきました。
丼ではなく刺し盛りを注文し、「これでいいんだよ、これで」感を楽しみました。
23 あき乃家
お店ののぼりに「熟成吟味ワイン仕込み」となっていて、明太子をワインで仕込む??はてな??、と気になり入店。
テイクアウトで例のワイン仕込みの明太子をいただきました。
全体的に辛味や塩味はおだやかで、明太子では初めて感じるまろやかさ、旨味がありました。
ただただ塩辛い、というだけではないですから、酒の肴として明太子を楽しむのならこういうタイプもありだな、と思いましたね。
ワイン仕込みといってもワインとあわせようとするとちょっと難しいのかも?これには日本酒や焼酎が合いそうです。
24 cafeコットン
どこのお店もかなり混んでいて、昼食難民になりかけていたときに見つけたこちら。落ち着いた雰囲気に惹かれました。ご夫婦でやっているようです。
お店に入った途端、時間がゆったり流れるような感覚につつまれます。こういう感覚を覚える場所は大抵心地いいのです。(そうであると相場が決まっています)
焼きチーズカレーをプッシュしていたためそちらを注文。これがまぁしっくりくるおいしさ。旨味強めの辛さ穏やかめのドライカレーがチーズととても合う。また食べるなら大盛りにしたい。
食後のコーヒーで一息つく感じは安寧の時間でした。
25 友添本店
実店舗で有料試飲が可能です。お店のアプリをダウンロードし、そこから注文、お会計を済ませると飲める、という流れです。
お店に並んでいるお酒の多くのものが試飲できるようで、味を確かめてから買うことのできる安心感があります。
日本酒、特に福岡の日本酒がかなり多くありました。初めて見るもの、知らないものをいくつかありました。
焼酎、ワイン、酒器なども売っているため、とりあえずここにくれば何かしら発見があるかと。明るい店内、ディスプレイもなかなか可愛い棚でした。
僕が行った時にはおそらく常連さんと見られる方がたくさんいらっしゃたので、隙間を縫って一種類、プライベートブランドをだけ試させてもらいました。
26 角のうぐいす
長屋のような店内、わいわいがやがやとした雰囲気、は嫌いじゃない、むしろ好物です。
煮込み系、揚げ物系のザ・飲み屋さんみたいなメニューから、オリジナルのメニューののほか、本日の色箱、といういわゆる日替わりの刺し盛りもありました。
発泡スチロールの器はコスト削減やオペレーションの簡素化のためでしょうか。あと、何のお魚なのかは一言説明があるとありがたかったですが。
あと、お酒のメニューには味わいのチャートがありました。これは親切!
27 串と酒トレロカモミロ
お店の名前に惹かれてふらりと入ってみました。
お店の人に伺ったところ、みんなのうたの同名の歌に由来しているとのこと。
今回お店を開拓した中で、トレロカモミロさんは心から出会ってよかったと思ったお店のうちの一つです。
5種のおまかせ串にていただいた、つくねと肝(レバー)が本当に美味しかった。そして日本酒のラインナップもツボをおさえている感じがたまりませんでした。
こちらも家の近所にあったら確実に通ってます。通い詰めてます。
「2階でお店の中もあまり見えないのに、よく入ってこられましたね?」というお声かけをいただいた時には、「同じような2階で階段のみ、外から中が見えないお店によく通っているので」と正直に白状しました。
たまたまお店に行った時には他のお客さんも少なく、春吉の地域の話、酒好きとしての話、これまでのお酒での経験の話、などを交えながら、ゆっくりといい時間を過ごさせてもらいました。
また、近隣でのおすすめのお店もたくさん教えてもらいました。
ここのお店に訪問した以降は、ここで教えてもらったお店が多く登場します。
なお、喫煙OKなのでその点はご留意を。
28 長酒店
こちらも角打ちでサクッと利用。
缶の飲み物は冷蔵庫から自分で取り出し、食べ物は自己申告、会計は最後にまとめて計算です。(そういえば缶の料金、書いてなかったからいくらかわからないな…)
地元の常連さんが手慣れた様子でくつろいでいる様子。知り合い同士で「いま何本目?」「この前いつまで飲んでた?」みたいな会話もあっちこっちで聞かれました。
角打ちスタイルは距離感は全体的に近めなので、苦手な人は苦手でしょうね。
29 エスペランサ
ビアバーにも訪問しました。
こちらは、LIBROMの方に教えてもらったところです。
なんと、東京の浅草にある木花乃醸造場でキッチンをやっていた人が独立してやっているお店とのこと。
不思議なご縁もあるものです。
いただいたラムチョップ・ラムメンチはビールの味わいと最高にマッチしていました!2人前くらいでも余裕で食べられるなぁ。立ち飲みも全く苦にならない、居心地よく過ごさせていただきました。
ここも近所にあったら通います。
30 酒峰
こちらはトレロカモミロさんにて教えてもらいました。
トレロカモミロさんで、ここのPBの日本酒を取り扱っているのをみてその名前を知りました。
予約営業が基本なのに、予約なしで飛び込んでしまい、恐縮…。(ちゃんと調べてから行け、という話)
はじめに一通りの注意書きを確認し、それから注文。
お酒に関する説明もとても詳しくしていただけました。ありがたい。
高級酒を数年分取り揃えての垂直飲みが可能であったり、取り扱っているお酒も蔵ごとに酒峰酒店限定のPBがたくさんあるあたり、かなりのこだわりっぷりがうかがえました。
一言で言えば、「ハイグレードな日本酒をハイパフォーマンスで」。そして、「お店の世界観が人によって合う・合わないがはっきりと分かれる」お店だと思います。
ここにくれば、日本酒に関する発見が必ずあるでしょう。
31 げん志
こちらもトレロカモミロさんから教えてもらいました。
地図を頼りに路地に一本入り、さらに建物の奥に行ったところにありますは、なんと鯖の専門店!出てくる料理ほぼすべて鯖が使われています。
ここでいただいたごまさばはもう言わずもがな。次に行ったらまた注文します。
また、サバチャーハンというのが美味しいときいたのでそちらも注文。これも飲んだ後の〆に最高です。
なお、こちらも喫煙OK、かつ現金のみなのでご留意を。
32 ニュースナック 星☆がき
こちらもトレロカモミロさんから教えてもらいました。(教えてもらいすぎだろう)はじめに言います。決して変なお店ではありません。
店員さんがみなさん割烹着を着ているだけの普通の飲み屋です。
一人でもいいし、意外と複数人でも入れるスペースもあって、使い勝手のいいところです。
年代はむしろ若い方が多い印象、自分と同じくらいではないでしょうか。日本酒のメニューは全国いろいろとあり、味のバリエーションも広いので、何かしら自分好みのものがあるはずです。
楽しい時も、ちょっとしんみりな時も、その時々の気分でしっくりくるような場所になると思います。
こちらも近所にあったら通いたい。
なお、靴を脱いで上がります。
33 うどん処はな
何気なく見つけて入ったこちら。
350のかけうどんをベースに、何かをトッピングするというスタイルで、メニュー表はとてもシンプル。
揚げ物は注文受けてから揚げているようでした。
シンプルでお出汁の効いた、醤油辛くなく、みりんや砂糖の甘さもないうふどん。ここのうどんの味は、個人的にかけうどんという食べ方の完成系の一つかもしれません。
そして極め付けしてのリーズナブルさ。なんならもっとお金払わせてほしい。
ここも近所にあったら必ず通います。
34 天麩羅屋ひらお
博多に出張に行く、といったら、複数の人からすすめられたのがこちら。
複数店舗があり、動線的に行きやすいところにいけばよいかと。システムはどこも同じです。
最初に食券を買って提出。ご飯と汁物をつけて天ぷら定食の形にする人も多いですが、単品注文のスタイルで「天ぷらで呑む」が可能。
アルコールのほか、天ぷらとしていくつか注文。
そして、食券を買う際に、どうやらイカの塩辛がおすすめらしい、というのを読み取ったので、塩辛も注文。
すると、店員さんから、「あの、お通しとして塩辛はでるので、これ(食券)は持ち帰り用なのですが」と一言。
ここで、じゃあ天ぷらに差し替えて…、とかしてもよかったのですが、そこはそのまま持ち帰りを依頼。結果、大正解。この塩辛、美味。遠見は抑えめで、旨味と甘味が強い塩辛は初めて食べた。これだけで日本酒2杯はいけます。しかも、店内の張り紙からは、季節ごとに使うイカが変わるような情報が。それぞれの季節ごとに来てみてたいものです。
そして天ぷらは揚げたてを一つずつ出してくれます。調理の様子がよく見える席でなかなか楽しい。
食券は半分に切れる形になっており、自分とお店とで何を注文したかがわかるのは便利ですね。枚数が多いとちょっとしたカードゲーム状態ですが。
35 新三浦 天神店
博多に来たなら欠かせませんね、水炊き。
なかなか一人で頼めるところがなく、あっても2人前くらいからになってしまいます。
一人で2人前も水炊きを食べたら、はしご酒どころではなくなってしまうので、なかなか手を出せないでいたのですが、ここのお店であればお一人様で楽しめるとのことだったので、トライ。
鶏肉そのものの美味しさもさることながら、煮込んだスープが良いのです。それをご飯にかけて雑炊っぽく食べるのがたまりません。
36 雷餃子
餃子に限らず多彩なメニューがある大衆居酒屋感あるお店。
お財布に優しい設定が本当に嬉しい。
人気メニューランキングに沿ってロースト豚、ホルモン、焼きラーメンを注文。やはり人気なものにはそれ相応の理由がある。
間違いなく美味しく幸せになれる品々でした。
焼きラーメン、この食べ方はもっと評価されていい。細麺のポテンシャルをすごく引き出せると思うのですが。
また、ここのアルコールメニューで衝撃だったのがこの焼酎のラインナップ。尋常じゃない。
ここにくるなら焼酎を飲むべきです。(常温の日本酒も飲みましたけど)
一番気になった焼酎にチャレンジ。そしたらでてきたのはこちら。ソーダ割りにしましたが、芋のいい香りとクセの少なさですいすい飲んでしまいました。
まったくみたことない、未知との遭遇…しかしこれが楽しいんですよこれが。
なお、支払いは現金のみです。
37 市場ずし魚辰
刺し盛りはいっぱい食べていましたが、ド直球の寿司をここまで食べていませんでした。博多は港町の側面もありますから自然と寿司への期待値も高まります。そして必要十分に超えてきました。それがすごい。
回転寿司、となっていますがお寿司は回ってはおらず、紙に書いて注文するスタイルです。このシステムはもっと広まってほしい。
光り物が美味しい、のはごまさばを散々食べていて説明不要ですね。
ネタも大きく、炙りなどもあります。もちろん一皿2貫ずつ。
この時の食事ではお酒が飲めなかったとはいえ、結構たらふく食べて「この値段でいいの?!」とお会計時にもまたびっくり。
ここも通いたい。というか近所にあったら危険。
38 赤石
和食要素の強い創作料理店で、魚介・海鮮を中心にいただきました。
肝醤油で食べるかわはぎ、穴子のお刺身と白焼、ごまさば、サバのバッテラ寿司…などなど、終始至福でした。
バッテラはテイクアウトもできるそう。これはどこかの差し入れとかで使ったら相当人気になると思います。
今回の食事はほとんど一人で行っていたのですが、今回は自分を入れて4人。やはりわいわいやるのも楽しい。
ただ、一緒に行った方がまぁ飲むのが早い、そして多い。それにペースをあわせて飲んでたらなかなかの酔い方をしました。久々にあんな飲み方をしたな…。
39 UOVO糸島ファーム
スイーツも。
店舗の方が一時休業しており、キャナルシティ内にて営業していたのでそちらでいただきました。
天上卵、という卵を使ったソフトクリームは味が濃厚。ミックスされていたチョコ味、バナナ味ともバランスがよいです。
ただ、やっぱり卵そのものをそのまま楽しめる形で食べてみたいところ。卵かけご飯とかやってみたい。
45 ふきや
最後に行ったのは福岡の民にとってはソウルフードと呼ばれるらしい、ふきやのお好み焼き。
福岡駅のバスターミナルの上にあるお店へ行ったところ、結構な人数のお客さんが待機していました。なんだかんだ名前を書いてから40分くらいまっていたと思います。
ミックスを一つ注文。表面は焼き固められてやや焦げ気味、生地はもちもち、…というかもちゃもちゃしていて、結構しょっぱいのですが、ソウルフードというものは美味しさ云々でくくってはいけない食べ物だと思うので、こういうものだと受け入れることにしました。
きっと、学生の時に安くて大きいこれを友達同士で食べながら、だらだらと話している、というシチュエーションが、時間が経ってかけがいのない思い出になるのでしょうな。
福岡で感じた所感
事前にお店の情報収集をした時点で感じたのが、「本当に同じ街の話をしているのだろうか?」と思うほど、紹介されるお店がバラバラであること。
それは、それだけお店の種類が豊富であり、かつ様々な人の好みに刺さるお店が、同じ場所のどこかしらに点在しているということの裏返しなのかもしれません。いい意味でのごちゃごちゃ感、群雄割拠という感じが、独特の雰囲気を醸し出している一因なのかも。
また、博多では、食への探究心、お酒を飲むことへの価値観がかなり生活の中で高い位置にあるのかもしれません。
つまり「美味しいものが食べたい」「お酒が飲みたい」というのが意識が強い・優先順位が高いということ。
その結果として、味への水準点も高まっているのでしょう。
そしてそれは、「博多はご飯がおいしい」「酒飲みにとって最高の街」という一言に集約されるのですが。
あとは、角打ちスタイルがあまりに当たり前で、何も違和感なくみなさん利用していることも印象的でした。
また、年齢層も、年配の方だけではなく若年層も多く見かけました。まぁそれはお店の雰囲気にも大きく左右されるのかもしれませんが。
日本酒の種類について言うと、もちろん福岡のお酒を推すところは多かったですが「福岡だから福岡(地元)の酒を!」というこだわりのようなものが、良い意味であまり感じませんでした。、良いものであればフラットにそのお酒を飲む。地元は好きだけどそれに固執するのではなく、異文化を共に受け入れる、外に開かれているような感覚がありました。今回は個人的なテーマとして「なるべく福岡、もしくは九州のお酒を飲もう」と考えていたので、あえて選ばなかったお酒も多かったですが。
そして、「東京って、本当に全国のお酒が集まるんだな」ということも痛感しました。
まとめ
改めて、もう一度行きたい、おすすめしたいのは以下です。
1 雲レ日
3 ウエスト
4 大久保酒店
6 三陽食堂
9 弥太郎うどん
12 博多一梅(ひとばい)
13 吉武酒店
18 LIBROM BAR
19 ソルリバ
27 串と酒トレロカモミロ
29 エスペランサ
31 げん志
33 うどん処はな
34 天麩羅屋ひらお
36 雷餃子
38 赤石
16/40でもう一度行きたい、と思えたのはかなり高打率だったかな、と。
人が紹介してくれたところに素直に行ってみたら、これだけ恩恵を受けられたのですから、ありがたい限りです。
これだけ連続で新規開拓していくことで、一方で、お店は1回だけではこの店の味わいは十分に楽しめない、何度か通ってこそ気づくものがある、ということも改めて思ったのでした。
博多、絶対にまた行きたい街です。
ではでは。