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61:ヴェローナは恋の街

 ベローナ?ヴェローナ?この街を訪れた理由は、ガチで途中下車の旅だった。

 寄る予定はなかったのに、ミラノからヴェネツィアに行く途中、ガイドブックを読んで気になった。『ロミオとジュリエット』の街らしい。でもシェイクスピアは一度もこの地に来たことはないらしい。そういうの好き。作家の想像というか妄想力を知ることができるから。

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 でも着くなりいきなり感動した。街を歩いていたら大きな砦が見えたから。ずっとつながっていて高さがあったから砦か城壁かと思ったんだけど、実際のそれは闘技場だった。アレーナ ディ ヴェローナ。

 古代ローマ時代の遺跡だそうで、建てられたのはアウグストゥスが統治していた紀元前とか紀元三十年くらいとウィキペディアにある。ざっと2000年も建っているということ。すごいな。それを考えると、結構な具合でボロボロだった壁の状態は、逆によく保っていると言うこともできる。

 ここには入れなかったか、入らなかったか。外からしか見ていない。しかもてっぺんの記憶しかない。もったいないことをした。オペラが有名だそうで、そんな高尚な趣味はないのだけど、その季節に行ったら素敵だろうな。またぜひ行かないと。

 ジュリエットの家にも行った。ここは人気スポットだから人がたくさん。なんとジュリエットの像が胸を触ると幸運系の像になっていて、みんな胸を触りまくってた。軽く変態。私も触ったけど、特に良い恋はしていない。これから行く方のご参考までに。

 もちろんバルコニーもあった。でも、ここで「おー、ロミオ」をしたら、忍び込んだ時点でバレること間違いなしな正門を入ってすぐの場所にあってガッカリ。これが本当ならば、親の目を忍んで……設定が不可能なお家の娘さんでした。シェイクスピアの話にインスパイアされてそういう設定にしたのなら、お家の方はすごいなぁ。

 別の場所にはロミオの家もあったし、ジュリエットのお墓もあった。でもお墓は空っぽ。だれかが赤いバラをお供えしてた。この場所で一番印象的だったのは、友達が使ったトイレが和式だったらしいこと。ヨーロッパにもあるのね〜とかなりビックリしてた。

 それと、この街には素敵な広場があった。ヨーロッパにあるいかにもなタイプ、ロールプレイングゲームに出てきそうな広場に面してカフェやお店があって、真ん中には何かの像がデーンと建っているタイプの。歩いてみると、自然と人が集まるのがわかる。今の東京にあるのは、ビルの一角に無理やり作られた風のものばかり。だから、ああいう自然な街の造りには興味をもってしまう。

 イタリアにはいい印象しかない。絶対絶対また行くわ。


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