フランス南西部の街(23)Aigues-Mortes(エグ・モルト)
エグ・モルトはモンペリエよりももう少し南東の海岸近くの街です。地図で見ると分かるのですが、この辺りはもうめちゃくちゃな湿地帯になっていて、街の周りはそこらじゅう小さな池だとか水路におおわれています。
エグ・モルトはその湿地帯沿いの最前線にある城砦街として有名です。とても立派な城壁が残っていて、観光客も多く訪れます。
どうも、かつてはここが海岸線だったのが、堆積によってどんどん海岸線が後退していって、湿地帯として残っている、という感じのようですね。
なので、できた当時はまさに地中海の海岸線の前線基地としてとても栄えていたようです。なんでも、十字軍の遠征はここから出発したんだとか。その時の十字軍ていうと、ちょうど日本では元寇の頃ですね。モンゴルが世界中を席巻していた時代です。
今では、港町としての機能はあまりなくなっていて、観光と、それから塩田がいっぱいあるので、塩の生産地として知られています。「カマルグの塩」って、聞いたことないでしょうか。日本でもたまに売っています。この辺りの湿地帯は「カマルグ湿地帯」と呼ばれていまして、製塩やあとフラミンゴの生息地として有名です。
ちなみにエグ・モルトとは「死んだ水」という意味です。多分できた当初からもう運河とかが多くて、生きた水は少なかったからじゃないかとwiki的なものには書いてありますが、何もだからって死んだ水なんて名前つけなくてもいいんじゃないかという気がします。軍隊出ていくのに第一縁起が悪くないですか。「新しい港町」とか「世界の玄関」とか、他にも言いようはありそうな気がするのですが。
さて、そのエグ・モルトの城壁にたどり着くとこんな感じの風景です。このように、まず城壁の周りの運河を渡ることになると思います。
運河に船がたくさん並んでいます。画面の左側に見えるのがエグ・モルトの街の城壁です。
さっきの写真にも写っていたこの塔はコンスタンス塔という名前で、エグ・モルトの街のランドマークとなっています。
他の大体の城壁で囲われた城砦街と同様、このエグ・モルトも大きな門があり、そこから街の中に入ります。この門の形は、大きさは違うけれどカルカッソンヌもちょっと似ていますね。
さて、門をくぐりますとメインストリートから街が広がっています。このエグ・モルトの城郭は長方形の形をしており、中は整然と区切られています。上空から見るとこんな感じです。
なので、門を入ると見晴らしよく遠くまで見渡せる街並みが広がっています。
街並みは統一感があって趣味がよく、とても洗練されています。
大きな街なので、お店屋さんだけではなく、普通の家もいっぱいあります。
もちろんレストランやお土産屋さんもとても充実しています。
写真からも、決して賑やかすぎず落ち着いていて、それでいて洗練された街並みであることがうかがえるかと思います。
大きな街なのでもちろん教会もあります。Notre-Dame des Sablons Churchといいます(とグーグルマップさんに書いてありました)。
この日はよく歩いたのでのんびりアイスを食べたりして休憩していたところ、なんとも不覚、この街の最大のアトラクションである城壁の上に登れる時間を過ぎてしまいました!明るいのですっかり油断していたら、いつの間にか夜の7時になっていたのでした。
アンドレがしまった〜と言ってしきりに申し訳ながり(こっちがアイス食べるとか言ったのが悪いんですが)、代わりに城壁の周りを走るプチトランという観光列車自動車みたいなのに乗せてくれました。プチトランはこんな風な乗りものです。
このプチトランが城壁の外に出てぐるりと観光してくれるのですが、これが実は素晴らしい眺めでした!
そうなんです。城壁の外から見ると、何にもない平原に城壁がそびえる、こんな素晴らしい景色を見ることができるんですね。
城壁の上からでは当たり前ですがこの景色は見れなかったわけで、プチトラン乗ってよかった!と思いました。
ちなみに、城壁の反対側はもう完全な湿地帯で、こんな風景になっています。
3枚目の写真には小さく、遠くにある塩田が写っています。
エグ・モルトは有名な観光地ですし、城郭のすぐ近くに鉄道の駅もあるので、いくのは簡単です。ニームから電車でだいたい1時間くらいみたいですね。写真ではあまり紹介しませんでしたが、お土産屋さんも豊富で(確かテーブルクロスなどたくさん買いました)、いるだけで楽しいです。
城壁の上も時間を間違えさえしなければ登れます。というより、エグ・モルトに来たら城壁に登るまでがセットと言ってもいいと思います。とても素晴らしい眺望だそうですから(さっきの湿地帯から塩田にかけての何もない一帯を一望できるわけなので、さぞかしいいい景色だと思います)、ぜひ登ってみてください!
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