【大学IR】NPS調査の分析方法について
※本記事では大学でのNPS調査実施後の分析方法について取り上げるため、大学関係者意外にはあまり役立たないかもしれない
NPS調査とは
「NPS調査」とは「Net Promoter Score」の略で、顧客ロイヤルティ(大学に対する信頼・愛着)を測る指標
「あなたはご自身が卒業した大学に入学することを、家族や親しい友人・知人にどの程度すすめたいと思いますか?(0~10の11段階で回答)」を軸に、大学の印象や立地等でおすすめ度に影響を与える項目の体験に関して質問を行う調査です。
調査結果からNPSを出すことで大学のロイヤリティを測れます。
ちなみに…2018年に行われた調査ではかの有名な慶應技術大学がNPSで一位でした。
これらのNPS調査を行うのは容易く、フォーマットに沿って質問を用意し、学生に回答してもらい、集計することでNPSを出せます。
しかし、ただNPSを出し、「うちの大学のロイヤリティは〇〇%か、□大学と△大学の間くらいだな…」で終わるのは勿体無いですよね。
学生から届いた生の声を分析することでNPSスコアの理由を深く知ることができます。
そこで、本記事ではNPS調査実施後の分析方法についていくつか共有していきます。
NPS調査実施後の分析について
NPS調査実施後、アンケートの回答結果が集まります。
では、その後どんな分析を行えば良いのか。
まずは他大学の分析について見てみましょう。
1. 上智大学
上智大学は卒業生に向けたNPS調査の分析結果を公開しています。
帯グラフ形式の集計をはじめ、自由記述のテキストマイニング、クラスター分析など多くの分析手法が用いられています。
こちらは回答結果を単に集計した帯グラフですね。
こちらではテキストにおける単語同士のつながりを可視化し、視覚的に理解を促せる共起ネットワークが用いられています。
ちなみに、共起ネットワークはUserLocal AIテキストマイニングやKH Coderで作成することができるため、興味がある人はTryしてみましょう。
最後がクラスター分析。
同種類あるいは類似性があるものの集まりをクラスターと言いいます。
クラスター分析を行うことで回答者の属性や回答結果からクラスターを分類することができます。
属性によって回答結果がどのように異なるかを見たい時に役立ちます。
2. 立命館アジア太平洋大学
NPSだけでなく、卒業後は日本で住んでいるかどうかや大学卒業後の様子など立命館アジア太平洋大学特有の質問が多くあった。
分析方法は帯グラフ状の集計が主。
3. 全国大学NPS調査
上智・立命館以外の大学でNPS調査の詳細を公開している大学は見つけることができなかった。
しかし、株式会社Emotion Techが何校かを対象に行ったNPS分析結果があったため紹介する。
上記サイトでは各大学でのNPSスコアが公開されているのみで、結果の深堀り等はしていない。
あくまでも参考程度。
NPS調査の分析はどのように行う?
上智・立命館大学の分析結果を参考にすると、調査後の分析は大きく定性分析・定量分析に分けて行うことができる
定性分析
定性分析とはアンケートの自由記述など数字で表すことのできない対象を分析する際に用いる分析手法です。
NPSの分析には以下の定性分析が役立ちそうです。
テキストマイニング分析
頻出単語の調査
共起ネットワーク
ポジティブ・ネガティブ分析
定量分析
定量分析は数字で表すことができる対象を分析する際に用いる分析手法です。
以下の定量分析が役立ちそうです。
ドライバー分析
回帰・重回帰分析
全て行うのは時間的に難しいと思いますので、この中から調査の目的に合う分析手法を選び試してみるのが良いかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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