第60回定例会「文房具」
担当:秋日和(@autumnhiyori)/編集:sak(@sak_daidoro)
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お久しぶりです、今回のテーマを「文房具」とさせていただきました秋日和です。
テーマ提案の直接的なきっかけは文房具見本市(?)のようなイベントが8月にあるという情報を偶然仕入れたからなのですが、ほとんどの創作活動をデジタルに移してからもなおアナログ文房具には愛着があり、見たり触ったりするのが好きという理由もあります。多くのオタク・創作活動家にとって、文房具は身近な遊び相手であり、自分の好きな世界への扉を開く最初のツールになっていたのではないでしょうか。私もその例に漏れず、意識して創作活動をする前からあれこれ想像して描いたり工作したりするのが好きでしたし、筆記用具(筆箱)に愛着があってメインではないものの中学生時代からの筆箱を未だに利用したりしています。
それでは、題ドロメンバーの文房具への思い入れ・思い出も気になりつつ「オタクの相棒(?)」たる文房具をテーマにした作品をご覧ください!
(以下敬称略)
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①秋日和(@autumnhiyori)
<作者のコメント>
見た目そのまま、小学生の頃にそれほど頻繁ではないもののお世話になった、三角定規&分度器セット(を武器みたいな雰囲気で構える戦巫女)です。
始めはスタンダードに鉛筆やシャープorボールペンをモチーフにしようかとも思いましたが、そのあたりだと武器っぽい棒状に収束して変わり映えしないなぁと思い、偶然文具店で視界の端に入って懐かしくなった三角定規セットを(結局相変わらず)武器っぽくしてみました。
巫女服風なのは、分度器が扇型なところをきっかけに、改造和服(和風メイド・半おろし和服・和風バニー)を描きたくなったからです。 自分の中では、等身大の娘たちがでっかい三角定規を構えている設定でもよし、三角定規サイズの卓上妖精さんの設定でもよしです!
分度器はともかく、小学生当時30°:60°:90°の三角定規をピストルっぽく構えてテンションが上がった思い出はあるあるではないでしょうか…?
<みんなのコメント>
算数とか数学の先生が所持している武器ですねわかります(違)
私は定規ではないんですがあのシリーズではコンパスが攻撃力高そうで好きです。 いやそんなことはいいんだよ。また多人数だよこの人。モチベどうなってんだ(褒め言葉) 扇と銃とトンファーですかね?そう考えると和+洋+中といった服のイメージでしっくりきますね。
みんな緩めのお顔でかわいらしいです。
―――氷翼鶏
小学校で見たくそでか定規だ!! 一定層は絶対にこの持ち方にときめいたはず、先生が持っているのを見て「うわー自分も持てないかなあ」って思ったはず。服装も和+洋って感じで、夏らしくちょっと露出が……多いですね……(目のやり場に困る) 個人的には初見で必殺仕事人を思い出しました。いそうじゃないですか? こんな殺意マシマシ三姉妹。有能そう()
―――sak
今回のお題で作品作るにあたっては、文房具だと範囲が広すぎるから何か一つモチーフを選んで創作する感じになってるかなぁと思ってます。が、まさか教室にあるでっけ~定規をチョイスしてくるとは思いませんでしたね。 おまけにそれを武器に見立てて、それが扇のようだから和のテイストの衣装。お題からの連想で予想外の方向から要素を繋げてきたのが印象深かったです。 表情も三者三様で、それぞれのキャラクター性が想像できて楽しいですね。
―――紫弾
三角定規、分度器……懐かしい!学生の頃よく先生のでっかい三角定規で小突かれてました。 高校時代に奇しくも日和さんからご教示頂いたプリズムリバー三姉妹を彷彿とさせる バランスのよい三人組ですね! バニーの子がいろんな意味で火力高そう。やっぱバニーだわ(ブルアカ脳)。 いつも思うんやけど擬人化能力高いよね。想像力が足りない自分にとって 毎回ワクワクする発見をくれて大変感謝。
―――ちょこれもん
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②氷翼鶏(@elvsion8)
<作者のコメント>
うちのこよりメイちゃんを採用しました。
文房具→筆記用具一式→メイちゃんは万事屋だからそろばんやら足したろ→背景がいつの間にかいっぱいになってるんだが?という流れでできた作品です。わけがわからないよ。
後ろにある服を着たバージョンもいっぺん描きたいですね。わたしが設定を忘れないように…(戒め)
文房具要素isどこ?となったので一枚追加しました。新しいペンを手に入れてキャッキャした結果です。水彩って難しいね。
<みんなのコメント>
全体の色使いで空気感まで伝わってくるような、文字通り暖かみのある作品だと思います!
毛筆にそろばんと、非常に渋い文房具のチョイスとけだるげな表情・ポーズのキャラクターの相性がとっても良いです。ある意味ぴったりなような、ギャップが光るような、いずれにしても部屋に溶け込むようなマッチングで世界の広がり、奥行きが感じられます。どんなことで筆を走らせているのかと想像したくなりますが、ここでそろばんが非常に有効に働いてくるのも想像してみて驚くほどです。暖色系に染まるファンタジックな雰囲気の中に、数字・計算・現実を想起させるそろばんが置いてあることで、逆にリアリティが強調されているようにも感じます。このセンス…見習いたいです!
―――秋日和
いやもうポストカードまだですか? 団長回を追うごとに雰囲気出すのがうまくなってて尊敬の念です。 ギャル系女子がそろばん・すずり・そして和紙に筆とか和風なものを持っているこの感じがいい。あとめちゃくちゃ髪の毛のふさふさ感が癖です。可愛い。
二枚目はフォトショの水彩筆でいいの見つけたから試し書きと聞きましたが、この質感まじでいいな。羨ましい。 デジタルで水彩をすると、どうしてもムラの出方に不自然を感じたり(たぶん私のスキルが足りてない)、ムラがほしいところになかなか乗せれなかったりで(たぶん私の以下略)、結構困っちゃうんですよね……私も推し筆を探そうかしら。
―――sak
質感や空気感が伝わってきてとても良い……。背景や小物が細かく描かれていて、見どころが沢山ありますね。個人的には陰影や光の反射がすごいなと感じます。髪の毛、文鎮、硯の墨、引き出しの金属縁、本の表紙や砂時計などなど、それぞれの素材感がわかる塗り方。どうやったらこんな風に雰囲気あるイラストを描けるんだ、と絵を描けない人間からすると驚嘆するばかりです。
―――紫弾
背景からキャラデザから完成されすぎでしょ。商業誌の表紙か。
硯と筆、今回全く発想の中になかったので「そうきたか~~~」って感じです。 細かな質感に対比されるようにキャラクターのけだるげな頬杖がエモい。ソロバン熟練者の風格がある。髪飾りのソロバンの玉みたいなデザインも素敵、めっちゃありそうです。
最近洋風が多かったイメージなので団長さんの和テイストが見れてウレシイ…ウレシイ…。
―――ちょこれもん
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③sak(@sak_daidoro)
<作者のコメント>
はい今回は筆がのったので二作品です。やったね。
定例会の時はクレヨンのみ提出してかつ私が不在だったので、皆さん「????」みたいな状態だったと聞いています。申し訳ないが面白い。 皆さんから説明しろとめちゃくちゃ言われた「なぜこんな物語を書いたのか」という話ですが、正直思い立ったものを書いたので理由がないんですよね…… しいて言うなら、やれ環境問題だやれデジタル化だとか言われているのを見て、「いつかアナログなものが生活から消えてしまうのかな」みたいなことをふと思ったからかもしれません。もしそんな世界が来ちゃったら悲しいね。
ボールペンの方はクレヨンの中和剤です。「あまりにもとんでもない作品提出しちゃったなあ」と我に返った私が書き上げました。しごでき後輩、せめて三人あたり一人くらいは欲しいと思います。貴重な戦力をシェアしていきたい。まあ、社内メールでこんな博打みたいなことして許されるの、本当に社長の息子位だよなって思います。
<みんなのコメント>
【クレヨン】はジャンル的には広義のSFになるのでしょうか? 特定の作品というわけではないのですが、学生時代に読み漁った上質なライトノベルを思い出して、あの頃の懐かしさとドキドキワクワクがよみがえった気がしました。 確たる根拠もないのに自分の好きな好きなものが排斥されていた中で(被害者感情過多)、隠れて自分の好きな大切で小さな秘密を守るような感覚は思春期ならではだと思います。実体験としてもありましたし、そんなテーマがある作品に共感して好きだったような気もします。この感覚、よい意味で忘れずいつか自分でもテーマにしたい!と思わせてもらいました。 思考実験的な側面がありますが、これができるのがフィクションの最大の魅力の一つだと思いますし、本作ではその魅力が最大限に引き出されている気がします。 作中の表現を引用して、あの頃の「鮮やかな汚れ」が間違いなく今の自分を色づけているのだと思います!
―――秋日和
2作品間で温度差がすごすぎて風邪ひくんじゃぁ…。
【クレヨン】ではあらゆるアナログ文具が禁止された世界ということで。こういうの読んでると一枚絵では表せないものってやっぱりあるよなぁと感じます。この内容は漫画でもない限り無理ですね。 私は本を読むのは好きなんですが文才がゲロ以下なので臨場感のある文章という物が書けません。うらやましい。
【ボールペン】はうちのアディも言ってたんですが「珍しく正統派恋愛小説やんけ…」。 生天目さんがこの後ヤンデレ化すんじゃねぇかと勘繰ってしまいました。「部長、あのボールペンすごく使いやすいですよね!あれ実はXXを入れてあるんっすよ、気づいてました?」とか始まったら怖くて泣いちゃうよ。
―――氷翼鶏
お題「文房具」って言われて文房具所持が違法な世界の小説書いてくるの面白過ぎる。 定例会で読んだ時には圧倒され、どうしてこんな世界観が出力されたのかみんな説明を求めてました。 その世界観でフィーチャーした文房具がクレヨンなのも凄い。確かに鉛筆や消しゴムよりも「過去への郷愁」っぽさがあるかもしれない。最後の一文もクレヨンならではの表現でいいですね。
そして定例後に上がった二作目「ボールペン」。一作目の中和剤とのことですが、これ世界観設定繋がってて過去エピソードですよね。中和どころか増強してるじゃねえか。 ボールペンの物語を経てのクレヨンの世界観になった二人の心中や如何に。色々と穏やかじゃない妄想の余地がありますね。
―――紫弾
毎度思いますが読ませる文の書き方が上手すぎる。そして世界線の引き出しが多すぎる。普段何したらここまで増やせるんや……。
1作目の児童書のようなタッチに漂うディストピア感、そして2作目のドラマのような展開。どっちも正直めっちゃ好きです。
2作目の社会人解像度の高さがいいですね。ボールペンって皆さん結構多種多様なものを持っていて見ていると楽しい。中には高級ボールペンを身に着け筆記用は別物、なんて方もいました。
どれだけデジタルが進んでも筆記文化ってなくならないんやろな、って理由がわかる気がします。
―――ちょこれもん
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④ちょこれもん(@choco_create)
<作者のコメント>
今回は動画間に合いませんでした。くやしい。
自身のオキニを並べた結果の歌です。イキスギコード使用。使い方はミスってる気もするが。文房具って選んでるだけでワクワクしますよね。僕はドクターグリップがすき。
<みんなのコメント>
爽やか曲すぎて、青春の風を感じてしまいました…!
サウンドも歌詞も洗練されていて、これを紡ぎだせる魂(?)精神(?)センス(?)がとても崇高なものに思えてしまいます。
イラストとは違う、言葉や音に乗せる表現の魅力を強く感じました。
かなり的確に、自分もいつかこんな曲を作ってみたいと憧れるような一曲です! 身内びいきかもしれませんが、テレビ(音楽番組など)でゴリ押しされる「流行りのJpop」より圧倒的に好きです。
―――秋日和
いやー、アナログでイラスト(特にマンガ)を描く方にとってはなじみある文具がかなり出てきましたね。かくいう私はアナログだめだめマンなんですが。
拍外し?をよく用いてらっしゃるのでお好きなのかにゃあと思いました。
そういえばsakも以前から「0.38のペンはいいゾ~」って言ってましたね(語弊)
今年に入ってから平日は30分ほどアナログでラフまで描いてるんですがまったくペン入れできないですね。ヘタクソか??? 前から思ってたんですがちょこれもんさんも小説うまうま勢なのでは?一度読んでみたいなぁと思っています。
―――氷翼鶏
毎回なんですけど、このスパンで曲ってできるんですね()
今回の曲はさわやかさハッピー明るめって感じで聞いてて気分上がりました。 ラストの0.38の部分で激しく首を縦に振ったのは私だけじゃないはず。
ペンにもいろいろ太さはありますが、0.38の線幅がいい感じなんですよね…… 文房具の具体的名称を出さずにここまで要素を盛り込んでくる具合が、ちょこれもんさんの才能だなあと思いました。
サビの部分を鼻歌で気が付けば歌っているくらいには印象強く残っています。明るいし、この季節にもなんかあってる感じがして頭から離れないんですよね~
―――sak
これめっちゃ好き~~~!!!曲のクオリティ高くて横転。
希望と創造性を抱いた歌詞に曲調、賑やかで疾走感のある伴奏。こういうまっすぐに明るい曲は自分は作れないので良いな~~と見上げるばかりです。 アニメのOPっぽさないですか?サビ聴いてると提供画面が思い浮かびました。 Aメロ後の間奏⇒変拍子のBメロ⇒サビの入りがめっちゃ気持ちいい。ここすき
―――紫弾
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⑤紫弾(@bullet_motion)
<作者のコメント>
文房具について考えてたら「完璧で間違うことがなければ消しゴムは不要な文房具ではないか?」って感じのことを思い付いたので、消しゴムモチーフで作曲しました。
〆切近くまでマジでなんも思いつきませんでしたが、最終的には曲作れたのでよかったです。自分以外から出たお題で曲を考えるのって面白いですね。
<みんなのコメント>
作曲センスが…溢れすぎていませんか…?
第一に文房具テーマの中で消しゴムをチョイスされているところがオタク心に響きますし、歌詞の言葉選びも素敵すぎます(感想語彙力不足)
上手く一種の寂しさを描きつつ悲哀に振りすぎてはいないという絶妙な表現の連続が非常に刺さります
こんな風に存在の本質に切り込んで思いをはせる、風なことがかつて自分も好きだったはずなのに、すっかりそんなセンサーが鈍ってしまったという寂しさも刺激されてしまいそうです…
今後もどんどん紫弾さんの曲を聴きたいです!
―――秋日和
某チキンバンドの某曲の「誰が消えても星は廻る」というフレーズが思い出されましたねぇ。
曲中にいい感じの韻が踏まれている箇所があると聞いていて気持ちがいいもんです。映像の方は元々やってらしたのでいっつも「これもうMVやん(※MVです)」の気持ちです。編集って難しいしセンスいると思うんですがほんとにすごい。
今回採用したテーマが「消しゴム」だったらしいんですが、消しゴムには黒鉛を取り除いて光を表現する役割もあるので、そういう方面でアンサー曲?を作ってほししいですね!
―――氷翼鶏
毎回なんですけど、このスパンで曲ってできるんですね(二回目)
紫弾はいつもちょっとダークからの一筋の光見つけ隊みたいな感じの思春期感満載のイメージがあるんですけど、今回も期待を裏切らずにそれで来てくれました。流石ですいつもありがとう。
消しゴムっていいですよね。使った後の消しカスの残骸、「誰かが頑張った跡」って感じしません?
間違ってばっかの不完全な私達だから使える代物で、その一方で完全に近づくために間違いを正そうと思っている私達だから使う代物なんですよね。そう考えると頭上がんないね。
―――sak
ガチのMVやないか。
Aメロのリフレインが気持ちいい。思わず口ずさんじゃいますね。メジャースケールで どことなく物悲しい歌詞が紫弾ワールドって感じがします。
しかしギターフレーズ、よくこんなに出てきますね……。地味に転調もしてるし2分で この構成ってセンスの塊でしかないですね。
コメントで仰るように間違いがなければ不要かもしれない存在。でも不完全こそが 創作だったり人間だったりの本質なんじゃないかな。
そういやカドケシって最後まで使い切ったことがないよね。
―――ちょこれもん
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今回の作品たちはいかがでしたでしょうか?
身近なお題でありながら、個々の素材は綺麗に被らずにバラエティー豊かになりましたね!それぞれが様々な方法でテーマにアプローチ・深掘りして、美しく作品に昇華していると思います。
「ドロ部」と名乗りながら、最近はいっそう小説や動画、音楽などしっかり時間軸が存在するメディアでの参加も増えてきて幅が増すとともに挑戦・勉強したい欲が先行して現実との葛藤が加速してしまいますね…
でも何より、このような刺激を身近かつ継続的に受けられることはありがたいことです!
一方で、特に音楽や動画だとイラストと異なり「ここすきポイント」のピックアップが難しく、コメントの語彙が貧弱になってしまって悩みます…
さてそれでは、来月の題ドロ部もぜひお楽しみに!