【定期連絡】リレー小説_2

まさか続くと思ってなかった。
第2回目以降もゆるりと行きましょう。

【前提】
・書き出し「吾輩はウサミミである」
・一人当たり150文字前後、制限時間5分

【順番】
①団長(@elvsion8)
②ちょこれもん(@choco_create)
③日和(@autumnhiyori)
④sak(@sak_daidoro)
⑤あまゆき(@amayukinen)
⑥アディ(@now59370741)

というわけでできた作品がこちら。

吾輩はウサミミである。いや、正確にはウサミミ”に憑いた付喪神”であるの方が正しいか。これまでありとあらゆるニンゲンの頭の上に陣取ってきた。そんな老若男女を問わずに様々な頭上を巡ってきた吾輩だが、今回のニンゲンには少しばかり驚かされていた。
"ウサミミ"という文化は古今東西、日常的に使用される場面は少ないように記憶している。今までウサミミを付けてきたニンゲンのコミュニティは非常に限定的であり、何やらそこでの合言葉は「萌え」であることを理解した。
汗の雲ができそうな文化圏の中、今吾輩が乗っている場所は、齢10歳ほどであろうか、純朴そうな少年の頭上だったではないか。
いや、今吾輩が鎮座している頭は確かに少年のものなのだが、吾輩を含む装いは明らかに男性がするものではない。
数多のフリルが付属した、給仕係の女性が着るような所謂メイド服に属するものなのである。
これまで吾輩はおおよそ女性の頭に装着されてきたのだが、今のような状況は初めてお目にかかる。
一体この少年は何のつもりで吾輩を乗せる羽目になり、女性がするような服装をしているのであろうか。
そんな吾輩の思いなど知らず、鏡に映る少年はスカートの裾を掴んでくるくると回ってはとても幸せそうな顔をしている。よく見ればこの少年、確かに少年ではあるが容姿立ち振る舞い共に全くもって少女のものであった。少年は鏡を見て「わたし、かわいいでしょ?」と言ってまた微笑んだ。どうやらこの少年、身体はれっきとした少年であるようだが、心は少年ではないらしい。
「うーん…」しかし突如、嬉々として鏡を覗いていた少年の表情が曇った。「このうさみみ…」何と、少年は吾輩に不満があるらしい。数多のニンゲンの頭上にて、幾度となく修羅場を潜ってきた吾輩であるが、不満を表されたのは初めてだ。吾輩にもウサミミとしてのプライドがある。たかだか10年程しか人生を経験していない小童に吾輩の何が分かるというのか。甚だ遺憾である。
一体何が不満というのかというか文句の一つや二ついやそれ以上零したいのは吾輩の方なのだが?煌びやかな居所で人の子の手に取られ海に漂う海藻の如く漂い時には埃臭い居所に押し込められ時には獣達の涎に汚され鬱々とした時もあったんだぞ!?吾輩が人の姿なれば延々と語られていたろうに…なんとも神とは不便なものである。

……というわけで人間に翻弄される神様の話でした。

2回目ともなると個人の書き方の特徴が見えてきて個性がありいいですね。
こういった点もリレー小説の良いところではないでしょうか。
皆さんも是非人間を募ってリレー小説をしてみては?

さて、次回はどんなものが出来上がるのでしょうか。

それはまたのお楽しみということで。

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