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人権擁護委員としての僕

中村家住宅のガイドもやっていますが、
人権擁護委員というボランティアもやっています。
いろいろやっているんですが、結局、最終的に何かと聞かれれば、
「主夫」
と答えているので、ガイドがメインという訳でもないです。
【ガイドでは稼げない】というのが1番の理由です。玉石混淆の聞いてみないと分からないガイドに高いお金を払える人はなかなかいないと思っています。
自分も実際に価格に見合ったガイドなのか気になってなかなかお金を使うのは難しいと思っています。
とはいえ、どの飲食店に入ってもそこそこの料理が出てくるように、どのガイドでもそこそこの話が聞けてガイド料金を払う抵抗感はどうにかして下げて行きたいとは思っていますが、
こればっかりはガイド業界が盛り上がるのが先か、盛り上げるのが先か難しいところです。
ガイドに専念できないところはこんなところにも出てきます。
とはいえ、かなりガイドにウェイトを置いている方だとは思っています。

余談が長くなりましたが、
いくつかのしているボランティアの中で、
活動歴が一番長いのが【人権擁護委員】だと思います。
主夫である僕へ地域のボランティアの声がかかって時間があるからという理由で引き受け続けて、どんどんボランティアコレクターになっています。

主夫が暇だと思われているのだろうか…

結局、いろいろなボランティアを引き受けたのちに、自治会長まで拝命するという光栄な経験をさせていただきましたが、
報酬があるだけあって自治会長は多忙でボランティアと自治会長の掛け持ちは大変でした。
結局、いろいろあってお金になる自治会長は1年で辞任して、
お金にならないものばかり続けています。

人権擁護委員の仕事は大きく分けると3つ。
・人権啓発活動
・人権相談活動
・人権侵犯に関する調査、救済活動

大まかには、
・学校などに行って人権教室という人権啓発活動を行う
・人権相談を受ける
・人権侵害があったら調査、救済を法務局の職員と一緒に行う。
こんな感じです。

今の僕の状況で言えば、

まず、月1回村内の人権擁護委員の集まりと人権相談があって、これがだいたい2時間くらい。
うち、年2回は終日役場に詰めています。

年3回ほどあるのが常駐相談で、常駐相談の場合は那覇地方法務局沖縄支局に詰めて、相談者が来るのを電話も含めて待って、相談を受けます。
これが9:30〜16:30で、1人で小さな部屋で相談者を待つのでなかなか大変です。

あとは、こども人権委員会というのがあって、僕はそこに所属しているので、年間5回ほど会議に参加します。これは2〜3時間くらいかかります。
そのほかにも研修などもあって、そこそこ忙しい感じです。

ほかにも僕は、村内の2校の小学校に行って、
1年間で32学級くらいを対象に人権教室を行っています。
人権教室はだいたい年間で1回1時間(45分)×32学級を受け持っています。
これはあくまでも僕の個人的な考えを理解してもらってやっていて、1人で依頼されたすべての人権教室をやることはあまりないことです。

教員時代から僕は人の時間についてかなりシビアだと思っています。
授業をする際も「子どもの時間をもらって授業をやっている」と考えていました。
これは、相手が子どもに限らず、自分の時間ももちろんですが、自分が授業や企画などを動かす際は常に相手の時間を借りている、もらっていると考えています。
なので、人権教室も子どもの大切な時間をもらってやっている感覚があるので、子どもにとっても、先生方にとっても「無駄な時間」にならないように心がけています。

「無駄な時間」というのは相手の主観なので難しいところなのですが、僕としては教員や人前で何かを伝えるということをしてこなかった人にとって、子どもたちの前に立って45分話す、もしくは10分でも話すことはかなり辛いことじゃないかなと思っています。
本があって読み聞かせするならできる人は多いと思いますが、45分読み聞かせでは子どもたちも辛いと思っているので、人権教室はする側も受ける側もなかなか難易度の高いものだと思っています。
その上で、経験が少ないくらいなら練習すればなんとでもなるとは思うのですが、「人権擁護委員の仕事だから仕方なく…」というのは、子どもに失礼だし、やる人はとてもストレスになるし、人権教室全体もうまく回らずに、「無駄な時間」になってしまうのではないかと思っています。
村内の他の人権擁護委員の方には、
「やりたくなったら遠慮せず言ってください。それまでは僕がやります。」
と言っています。
慣れないこと、不安なことをやらせる形にするのは辛い時間だと思うので、僕がやれる間はこのスタイルで行こうと思っています。
僕ができなくなったら、その時はその時の人が考えればよいことだと思っています。

また、特殊な例としては、人権擁護委員の仕事に限らず、僕が学校関係のボランティアをする場合は、基本的に「教員の仕事を増やさない」ことに重きを置いているので、去年、一昨年の先生との信頼関係で基本的には打ち合わせなし、もしくは電話のみの打ち合わせにしています。
もちろん、どんな内容かについては事前にFAX等でお伝えするようにしていますが、僕の行う人権教室については先生には最後の5分に登場してもらって、自由にまとめてもらっています。
最後に担任の先生が出てくることで人権教室が締まるし、先生の中には伝えたい思いのある先生もいるのでよい時間になっていると思っています。

北中城村の人権教室はかなり特殊ですが、継続されているので好評だと思っています。

これ以外にも、学校を訪問したり、配布物を届けたり、人権作文を回収したりとなかなかに忙しいではあります。

こんなこと…
失礼…
人権擁護委員をやってるのでガイドに入れない日も出てきます。
お金よりもボランティアを優先してしまうのが山下なのです…

ガイドはボランティアの後に出てきた仕事なので、はじめから出来る日、出来る時間でやることにしています。

両手に溢れんばかりのボランティアを抱えている(と思っている)のですが、それでも辞めない1番の理由は【人権教室】かなと思っています。
村の人権擁護委員に教員経験者がおらず、望んでのこととはいえ、現状1人で人権教室を回している状況なので、辞めづらいところです。
人権教室は授業時間を使って、人権侵害を受けた時にどうすればよいかを伝えられるとてもよい機会なので、この機会損失は子どもたちにとってとても大きいと思っています。
また、北中城村は常に人権擁護委員の欠員が常態化しているので、これも辞めづらさの1つです。
今のところ、メリット・デメリットを考えて、メリットが多いと感じているので辞めるつもりはないのでよいのですが、辞めても次の候補者がいないのは、よい活動だと思っているだけにつらいところです。

人権という重いテーマに関わりつつ、活動のボリューム感もあってなかなかハードなボランティアなので、人材不足なのが悩みのタネです。
どこも人材不足の昨今、なかなかボランティアでは難しくなっているのかなぁと思いつつ、ビジネスではなく、ボランティアだからの良さもあると思っています。

とはいえ、常に【人権】というキーワードと向き合うのはなかなか刺激的で人生は豊かになっているような気はします。

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