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たったひとつのこと_外国からのお客様が倍増しました

昨年の訪日外国人客数は過去最多の約3650万人。消費額は約8兆円だそうです。そして政府は、2030年にそれぞれ6000万人、15兆円を目指すとのこと。

私たちのお店MERIKOTIは墨田区と錦糸町を結ぶ北斎通りにあります。
近くには江戸東京博物館やすみだ北斎美術館、国技館に相撲部屋。東京スカイツリーが見え、浅草にも近い場所です。

ですが江戸東京博物館が長い改装工事に入ってしまったせいなのか、私たちの地域が見えないゾーンに入ってしまったのか、多くの訪日客数にも関わらず以前のように店舗にお客様が増えない状況になっていました。
しかし店舗の近くを見回していると、北斎美術館へ向かっている人は一定数いらっしゃいます。(MERIKOTIの先に美術館があるのです)

MERIKOTIを作ったときに、社長から扉を有効に使いたい。矢印を使って錦糸町とか両国とか書けないか?と指令があり、それなら地図を前面に描きましょう、このあたりは裏通りにも色々なお店があるし、相撲部屋だってすべてがわかりやすいところにあるわけでもないし。。。という事で私たちは入口の下半分を地図で埋めました。

北斎通りを中心とした地図

自分たちでいうのもなんですが、ピクトグラムを使って相撲部屋から飲食店などの情報をわかりやすく配置し、見やすかったと思います。現に多くの方が立ち止まり、目的地を探したり次の予定を立てたりしているのを見かけました。私たちも道案内をするときはこの地図をよく使ったものです。


でもです。
でもでも、これは地図としてはその役目を果たしすぎるほど果たしていますが、地図に集中しすぎて店内に入ってくださらない方も多いのです。

北斎美術館は通りの反対側にあり、MERIKOTI側を通らないままの行きかえりになるパターンが結構あるということもわかっていましたので、通りの向こうからも私たちが何を売っているかわかるようにしたい。
そう思うようになりました。

「プロダクトであるMERIの良さをなかなか伝えきれていない」
というもやもやが常にあり、古い機械で職人が編み、それを手編みして
鼻緒も人の手でつけていて、多くの人の手で繋いで商品を作っている。
履いた時に感じる疲れが吹き飛んでしまう感覚。
それが伝わるようにしたい。
編んだ紐や職人の手などのイメージ画像を使用し、MERIが出来ていく様を表すことを考えました。

いやいやいやいや

通りの反対側から見て頂くのだから、あれがこうなってああなってと
考えながら見るのは、興味がある方にしか残らない。
無意識で目に入って、それが何かすぐに認識して頂かないと興味を持っては頂けない。
社会人になりたての頃、MD研修で店舗の集客に繋げる広告は、秒でそれとわかるように認識しなければ意味がないとならったではないか。

そこで、工程のこだわり、履いたらどんなに気持ちがいいか、よりも
この店で何が見れるのかがわかるパッケージにしようと決めました。


新しいパッケージ

新作や私たち一押しの商品画像と着用写真。
ZoriでありSlippersであるという説明。
これらを前面に出すことで、道の反対側からも何を販売している店か伝わったように思います。

現に反対側にたっていると、
「Zori Slippers」と口に出して読んだあと、道を渡って入ってきてくださる方を見かけます。
目線ももう、画像ではなく店舗の中に向いています。

外のパッケージを変えたことで、お客様の入店数がずいぶん増えました。
すみだ北斎美術館や相撲部屋を目指してご来店の方以外に、MERIKOTIを目指して外国から見えるかたもいらっしゃいます。その方たちへの目印にもなっていると感じます。

色々な国の方と話すのは楽しいものです。今は優秀な翻訳機があり、聞いたことのない言葉でも簡単なコミュニケーションを取ることが出来ます。
店舗がある北斎通りは度を超えた混雑ぶりは感じませんが、ワークショップに参加された台湾のお客様が、日本の有名な観光地は飲食店もいっぱいだし、トイレに行くこともままならない。これがオーバーツーリズムだと草履を編みながら話していらっしゃいました。
富士吉田市に職人チームがあり、時々訪れますが、以前に比べて風景が変わったように感じます。
6000万人、15兆円を目指すことは私たち小売業にとっては本当にありがたいことですが、利益ばかりを追求して地元の人が手に負えない状況に陥っていないか、政府には目標に見合う対策を立てて頂きたいと思うばかりです。




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