運動麻痺だけじゃないって話〜皮質網様体路編①〜
こんにちは
理学療法士の``Miyata Daiki``です。
今日は前回の内容から少し話を細かくしていきましょう。
私が新人理学療法士だった頃、
例えば中大脳動脈梗塞の患者さんが担当になったら
診る必要があると思ってたのはせいぜい
運動麻痺・感覚障害・深部腱反射・筋緊張
とかくらいだったのかもしれませんね。
あとはこれがどんな検査なのかも非常に重要ですね。
さて本日は理学療法士ならよく出会うであろう
``運動麻痺以外に何を診るべきか``
の第一弾としたいと思います。
MCA梗塞・被殻出血・視床出血の患者さん
よく下の脳画像、いわゆる``大脳基底核レベル``を診る事は多いと思います。
①まずは解剖学の確認
(公社)日本理学療法士協会主催
認定必須研修会(脳卒中)講義資料より引用
実際これだけ神経線維や伝導路が密になっていますね。
全くもってソーシャルディスタンスができてませんね笑
この状況を見れば皮質脊髄路の損傷がある場合に
いわゆる``運動麻痺だけ診る事``は
まず間違ってるんじゃないかな?と思いますよね。
まずは``その意識こそが大事``だと考えています。
②よく聞く皮質網様体脊髄路ってなに?
まずは上の画像を見て
なんか皮質脊髄路の隣人に
よく聞く名前がありませんか?
``網様体を刺激する`` ``姿勢・歩行は網様体が大事``
とかよく先輩に言われますよね?
正直それだけじゃわからないんですよね。
まずはわかりやすい高草木薫先生の資料を見てみましょう。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/37/8/37_KJ00006912749/_pdf/-char/ja
より一部引用
左の図、内側運動制御系の一部が
皮質網様体路→網様体脊髄路と繋がっていきます。
この経路は何に関わっているかというと
``両側股関節や体幹の筋活動に影響を与えている``
ということなんです。
``同側に下降、一部は交差して反対側に下降``
なんです。
だから先輩がこやって言うんですよ
「体幹は両側性支配だからね」
簡単に言うと、ここが障害を受けると
``姿勢が整わない``わけですね。
それも非麻痺側も大きく影響を受けるわけです。
非麻痺下肢は麻痺していないのにも関わらず
荷重がうまく乗らないことありますよね。
結構これあるあるですね。最初意味不明でした。
③私が注意していること
まず私がここの障害を疑った場合に見ていること
それは``座位での立ち直り反応``です。
少し持論が入っているのかもしれないですが
立位では麻痺側下肢の影響が大きく入ってしまいますので
座位で骨盤傾斜させた時の反応に着目しています。
``意外にも麻痺側は立ち直れるのに、非麻痺側は立ち直れない``
そんな症例さん多いですよね。
これ運動麻痺が重度な場合を考えてみてください。
・運動麻痺が重度で麻痺側支持が著名に低下
・非麻痺側も上手く荷重が乗らない、バランスが低下
私は最終的な歩行自立度にも影響してくると考えています。
なので歩行予後予測にも関連してくるわけです。
だから非麻痺側の姿勢制御として
``立ち直り反応は最低限見ておきたいもの``
ということが伝えたかったのです。
次回は今日の内容に関連する文献を一つ紹介しようと思います。
ではまた次回お会いしましょう。