TBS系日曜ドラマ 「JIN-仁- 」 最終回後のお話 〜第1話〜 (同人・自己満です)
私は小説の創作なども好きで趣味としているのですが、過去に、人生において一番好きなドラマである「JIN-仁-」のその後のお話を妄想して執筆したことがありました。
ドラマ最終回の結末にとても感動したのですが、その反面、仁と咲の二人が本当に好きだったため、二人の幸せを思うとどうしても腑に落ちない面もあったのです。
そんな自分の思いを解消させたかったただの同人・自己満ストーリーではありますが(笑)、今回はそのお話をこちらのノートにも載せていこうかと思っています。
結構なボリュームがあるので何十話とかに分割になりますが、ご興味のある方だけご覧ください😅
第1話
191X年 4月○日
今日は咲の70歳の誕生日。
安寿「母上、お誕生日おめでとうございます。」
安咲(あき・安寿の長女)「おばあちゃま、おめでとうございます!」
寿野(ことの・安寿の次女)「おめでとー、いただきまーす!」
安寿「こら、寿野。お行儀が悪いですよ、おばあさまのお誕生日なんですから」
咲「まあまあ、良いではないですか安寿。これだけで私は十分幸せですよ。」
医者である安寿の夫は急患が入ったため席を外したが、咲の古希のお祝いを安寿・孫の安咲・寿野の家族水入らずでささやかに行う橘家。
寿野「母上、そこのお料理取ってー。」
安寿「寿野、そんな風に手を伸ばしたら服が汚れるわよ。」
安咲「私が今よそってあげるから待ってなさい。」
しっかり者の姉の安咲は、心なしか咲に似た穏やかで柔らかい雰囲気を持っていた。
一方の寿野のその天真爛漫さは、幼い為にまだその存在は伝えていなかったが、安寿の実の母・野風のそれに瓜二つであった。
…
その夜。
孫たちが寝静まった頃、安寿は咲に呼び出され、部屋に向かった。
安寿「母上、お待たせいたしました。」
咲「いえいえ、今日はお疲れ様ね、安寿。」
安寿「それで、お話しとは?」
咲「まあ…ひとまず座ってお茶でも飲みなさいな。」
安寿「はあ…。」
そう言うと、咲は押し入れの中から一冊の日記帳を取り出した。
安寿「これは…?」
咲「ふふ、私が若かりし頃に書いていたものです。」
安寿「母上の若かりし頃ですか…。」
その日記帳は、セピア色に色褪せ、遥かなる時の流れを刻み込んでいることが安寿の目にもすぐにわかった。
しかし、それと同時に安寿は、まだ開いたわけでもないのにそこに今息づく"何か"を感じずにはいられなかった。
咲「これは、あなたが持っていて下さい。」
安寿「…え、私が?」
咲「そうです。」
安寿「…何故、でございますか?」
咲「安寿、よく聞いてください。どうやら私の身体は、あなたのもう一人の母上と同じ病に蝕まれているようです。老い先はそう長くはないでしょう。ですから、あなたにこれを託したいのです。」
安寿「…え⁈」
第2話に続く