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香港人権・民主主義法案の行方について考える

しばらく記事を書いていない間に、中国は香港デモを巡り情勢がかなり変わりましたね。

今回はちょっと真面目な記事でも書いてみようかと思います。

先週末に実施された香港の区議会選挙では民主派が圧倒的な勝利をおさめました。

中国を取り巻く状況は日々変化しています。

・アメリカ上下院にて香港人権・民主主義法案可決

・ニューヨーク・タイムズが中国政府のウィグル自治区管理に関する内部文書を公表

・中国の元スパイがオーストラリアへの亡命を条件に、台湾及びオーストラリアでの中国のスパイ活動を暴露

・連監視団が「即時かつ無制限にアクセス」できるよう、中国政府に要求

・香港のイギリス領事館の元職員が、中国で拷問されたとBBCに暴露

これだけを見ても、今、西欧諸国を始めとする各国が中国に対して揺さぶりをかけているのは明らかです。

この中で目下注目すべきは、「香港人権・民主主義法案」に対してトランプ大統領が拒否権を発動するかどうかではないでしょうか。

本案は上院は全会一致、下院では反対1票の圧倒的多数で可決されていますから、たとえトランプ大統領は拒否権を発動したとしても、本法案は2/3以上の賛成で議案は再可決されてしまいます。

つまりトランプ大統領が取れる選択肢として、

【拒否権をする】
それでも法案は通る。人権を尊重しない大統領として後世汚名が残る。中国からはトランプ大統領に対して一定の評価を得ることはできるかもしれないが、法案自体は通るので、貿易交渉にも影響は出る。

【拒否権を発動しない】
法案は通過。中国から反発必至。進行中の貿易交渉成立がより困難に。

どちらの選択肢を取るにしろ中国との貿易交渉に影響が出るため、人権を尊重しないという汚名を着せられるのであれば、トランプ大統領としては拒否権を発動せずに法案を通過させそうではあります。

しかし、私は、トランプ大統領は拒否権を発動するのではないかと思っています。

これまで散々トリッキーな行動をしてきたトランプ大統領。

彼の主な支持層は農家です。

彼にとって目下大事なことは中国にアメリカの大豆を大量に輸入させ、農家を満足させること。
そのためには何としてでも中国との貿易交渉の成功させたいはずです。

極論を言ってしまえば、彼にとって人権などどうでもいい。

農家からも「香港のことなんぞ知らん。それよりも中国にもっと大豆を買わさせろ。」とか言われていそうです。

トランプ大統領としては法案が可決されたとしても、「俺は反対したんだが、アメリカ国民がね、納得してくれなくてさ。」なんて言い訳をしつつ貿易交渉をそのまま続けていきそうです。

もしこの推測が正しければ、個人的にはとても支持できるものではないですが、どうなるでしょうか。

トランプ大統領の署名期限は今月末に迫っています。

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