【本質】口コミマーケティングハック
こんにちは!CURVA株式会社の坂口です。
今回は「口コミマーケティング」についてです。
最近、知人に「RRR」というインド映画をめちゃくちゃおすすめされて、見に行ったら自分もハマってしまい、知人におすすめしまくっているという体験をしたときに思うことがたくさんあったので今回のテーマにしようと思いました。
※RRRは、まじで映画館で見るべき!
口コミマーケティングとは?
口コミマーケティングは言葉の通り、「口コミ」を利用したマーケティング手法です。
Amazonのレビューや食べログなどの口コミサイトなどがイメージしやすいかもしれません。
SNSを利用して、商品の感想を投稿してもらい、公式アカウントに掲載するなどの方法もありますね。皆さんが日常的に利用している情報です。
何故、口コミが重要?
消費者が商品・サービスを購入する際の意思決定プロセスに組み込まれているからです。しかも、影響度が高い指標だと思います。
考えてみてください。
・転職をするとき、転職先の口コミ・評価は気になりませんか?
・ジムに通おうとするとき、評判は気になりませんか?
・尊敬する人がおすすめしている本を買ったことはないですか?
ありとあらゆる情報・サービスが溢れている現在で、最善のものを選択するのは、とてもパワーを消費する行動です。
比較・検討に疲れてしまい、マーケターの一番の敵である「今やらなくていいや」という気持ちになり、ブラウザを閉じられてしまうのを防ぐためにも、「口コミ」で背中を押してあげることが必要なんです。
ステマの問題
口コミマーケティングには、1つ問題があります。
過去に問題になったステマの存在です。
こういった行為が横行してしまったことにより、口コミの信用性は下がってしまいました。
現に消費者庁がステマ規制を進めており、早ければ今秋にもスタートするかも?とも言われています。
ユーザーが求めているのは、あくまでも実際にサービスを利用した人のリアルな声だという事を勘違いしてはいけません。
信頼してもらえる良い口コミとは?
では、ユーザーにしっかりと信頼してもらうための、良い口コミはどうやって設計したら良いでしょうか?
それは、金銭報酬が発生しないことだと思います。
私は、旅行が好きで世界各地に行くのですが、たまにタクシーの運転手さんにおすすめの場所を聞いて連れて行ってもらいます。
その際に、一度お店の人から運転手さんがお金を受け取っているのを見た瞬間に一気に覚めてしまいましたw
つまり、私に紹介してくれたのは、本当に良いサービスを紹介したい(私のための気持ち)からではなく、運転手が金銭的な報酬を得られること(紹介者の利益)が目的だということが分かってしまうから、紹介=良いものというロジックが崩れてしまうからです。
構造的には、ステマと全く同じだと思います。
冒頭にお話しした「RRR」を何故見に行ったかというと、知人がかなりの映画好きでおすすめしてくれる映画は大体面白いなどもありますが、そこに報酬が発生していないことも1つだと思います。
知人がRRRの観客を1人増やしたところで、金銭的にメリットもないのが分かるからこそ、映画の面白さに信憑性が増すというわけです。
良い口コミをしてもらうには?
まず、口コミをしてもらうことの目的は、サービスの利用者を増やし、顧客満足度を向上することです。
そのためには大前提、良い商品をつくることが良い口コミをしてもらうための方法です。おすすめをした結果、その人が幸せになることで口コミが広がっていくのが適切なコミュニケーションです。
それ以外のポイントは下記の2つあると思っています。
①誰に口コミしてもらう?
②どのように口コミしてもらう?
①誰に口コミしてもらう?
結論、オタクから口コミしてもらうことが重要だと思っています。
※ここでのオタクとは、ファンよりも熱狂度が高いという意味合いで使用しています。
ただのファンよりも、その領域にめちゃくちゃ詳しくて、お金も使っている人=オタクにおすすめされた方が信用度が高いですよね。
なので、オタクに口コミ(布教)してもらうことが重要だと思っています。
そのためには、オタクへの金銭面ではない報酬を設計する必要があります。
例えば、知人のアイドルオタクに話を聞くと、アイドル自体を好きなのはもちろん、アイドルが目指している夢の後押しをしている、育てているような気持ちで応援しているという話を聞きました。
この知人にとっては、アイドルを布教(推しを広める)ことによる金銭報酬はなくとも、ファンが増え、人気が出て、ライブの箱がでかくなっていくたびに感じる「育成感」が最大の報酬なんだと思いました。
つまり、アイドルをおすすめ(布教)する→アイドルが有名になる→育成感を感じる(報酬)という構造です。
口コミ(布教)するという行動が、オタクへの報酬に繋がっているというのがポイントです。
あと、アメトーークの家電芸人でも同じことを感じました。
メンバーの方が「家電は買って育てるもの」という発言をされていました。メーカーさんにもっと良い商品を作ってほしいから、たくさん売れて開発費を捻出してほしい。というメーカーさんにとっては、嬉しくてたまらない思いですね。
商品をおすすめする→たくさん売れて開発費を捻出できる→良い商品を作る=生活がもっと豊かになる(報酬)という構造です。
クラウドファンディングなども文脈的には似ているかもしれません。
②どのように口コミしてもらう?
もう1つのポイントは、どのように口コミをしてもらうかです。
せっかく、良いサービスを作り、おすすめしてもらっても内容がずれていたら利用もされないし、仮に利用してもらったとしても満足度が低いので、本来の目的を達成できません。
サービスを紹介してもらうときの有効な型は「ベネフィット+RTB」です。
ベネフィットは便益のことで、サービスを通して得られる未来のことです。
ダイエットで超雑に例えると、「痩せる」がメリットで、「カッコよくなってモテる」がベネフィットですね。
このベネフィットがサービスとずれていると、顧客満足度の悪化に繋がります。
→身体を鍛えてモテたい人が、食事制限・サプリなどで体重だけ落として見た目はカッコ悪い状態になっても意味がない。
マーケティング設計でもいえることですが、「万人受けするサービスは誰にも刺さらない」ので、ベネフィット(ターゲット)を明確に紹介してもらう方が良い口コミになるでしょう。
もう1つのRTBとは、Reason To Believe、つまりベネフィットの根拠のことです。RTB(があるから)→メリット(になり)→ベネフィット(を得られる)の関係性です。
紹介の際には、特にこのRTBが重要になります。
RTBにも、①サービス自体 ②紹介者の体験 の2種類あります。
①サービス自体のRTBについて、最近人に勧めている会員制サウナのオールドルーキーサウナで例えてみます。
オールドルーキーサウナは、超高温サウナと超低温水風呂もウリの1つですが、私にぶっ刺さったのは「絶対静寂」「会話をしたら即退会」というRTBです。
サウナには1人で行く派なのですが、毎回サウナに行くたびにお客さんによって満足度が変動してしまうという心の中のモヤモヤを見事に取り除いてくれたサービスでした。
②の紹介者の体験RTBに関しては、紹介というコミュニケーションならではの特徴だと思います。
例えば、同僚と久しぶりにゴルフに行ってみると、いつもより明らかにスイングが良くなって、スコアも伸びていました。気になって、昼食時に理由を聞いてみると、会社の近くにできたゴルフスクールにこっそり通っているとのこと。
この場合は「同僚がゴルフのスコアが伸びた」ということがRTBです。
もちろん、前述した通りゴルフスクールを紹介したことによる金銭的報酬を得ていないことが重要です。
紹介キャンペーンの注意点
紹介者が金銭的報酬を得ていないかは信頼できるか判断するポイントだと伝えましたが、ゲストにも金銭的報酬がある場合は少し変わります。
良くある、お友だちを紹介するとお互いお得になるキャンペーンですね。
このときは、ゲストへの金銭的報酬(割引など)が高いほど利用する可能性が上がりますが、注意点もあります。
それは、ゲストへの金銭的報酬>紹介者の金銭的報酬にするということです。
例えば、お友だちを紹介すると、ゲストは5,000円割引、紹介者には10,000円割引のキャンペーンだと、紹介されてもらった側としては、明らかに紹介の金銭的報酬目的だと判断するので、信用度が下がってしまいます。
もし実施する場合には要注意です。
まとめ
良い口コミをしてもらうには、オタク(熱狂的なファン)に広めてもらうのが一番。
そのためのコミュニケーション(報酬設計)をサービスに組み込むことが重要。
本職はマーケティング支援を、経営指標の設計→戦略設計→戦術への落とし込み→実施までを一気通貫で行っています。
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