私は形を売っている
窮屈だ。
理想があった。
しかしそこに到達できない。
こう言って伝えたい。
これが表現できたら絶対に面白い。
あの時はそう思った。
言葉に絡まって身動きがとれない。
こんなはずじゃなかったんだ。
ボカンと3,4年ぐらい前にタイムスリップ。
ここは上司との面談の光景。
「わたしたちは言葉を売っているのではなく、
形を売っているの。」
そうか、そういう事だったのか。
この言葉を忘れていた訳ではない。
理解しきれていなかったから、小骨がつまるようにずっと頭に残り続けていたんだ。
やっとその小骨が腹の中へと落ちていった。
そうか、理想像が言葉の集合体じゃダメなんだ。
建築は目に見えて存在するものを組み上げて作る。
言葉ではなく形の理想像は冬の空のように、
かーんと抜けている。
建築は形で答えを出す必要がある。
説明するために言葉がある。
言葉の集合体を形で追い求めるんじゃないんだ。
僕は言葉が好きだ。
だから理想像に大きな看板を最初につけてしまっていた。
形が最初で、言葉は後だ。
理想の形を、言葉で伝えるんだ。
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