おやじギャグ、言うべきか否か
「川合俊一」
元バレーボール日本代表で主将をつとめ、現在は日本バレーボール協会の会長をしているそうだ。
だが今回はそういう話をしたいわけでは無い。
最近、赤ちゃんを見て「かわいい」と思うと、「川合俊一」と言いたくなってしまうのだ。
数年前からそういった傾向があったのだが、ここ最近顕著にこういった衝動に駆られてしまう。
何かがへばり付いていると、(そんなことは滅多にないのだが、)「美空へばり」と言いたくなって、最初に思いついた時は奥さんについ言ってしまったのだが、タイミングがよかったのか反応がよくて、今では家庭内でのギャグのホワイトリストに登録されている。
そのホワイトリストにはこれに似たものが、10個ぐらい登録されている。
たまに奥さんも使う。
だから、これらはおやじギャグではない。
奥さんが公認したものだからだ。
おやじギャグとは言い放ったおやじしか幸せにならないものを指す。
奥さんも口に出したくなるような「美空へばり」や、すさんだものに対して使う「スサミストリート」はおやじギャグではなく、立派なギャグとして、昇格したものだ。
だが、「かわいい」からの「川合俊一」は確実に登録されない。
何故なら「かわいい」と「かわい」はひらがなが完全に一致しており、おやじギャグの法則第35条にひっかかる。
ちょっと分析してしみよう。
「へばり」と「ひばり」は、頭の文字が少しずれている。
これが「美空しばり」だったらどうだろう。
いや、俺はけっこう好きだ。
でもやっぱり「へばり」がいい。
ポイントは頭の文字が同じ行、「“へ”ばり」であれば、本来“ひ”なので、“は行”の中で違う言葉となっている。
「“ス”サミストリート」も“さ行”の中で本来“サ”なのを“ス”に変えている。
「スサミストリート」と「美空へばり」だったら、一文字目からずれた言葉がくる「スサミストリート」の方が言いやすい。
なぜなら「突発的に言いたくなって言ったんだな」というのが相手にも伝わるからだ。
「美空へばり」は言うのにテクニックがいる。
何かかへばりついてて、導入が「美空ー」だと、ギャグの助走が相手に伝わり、途端に冷めてしまう。
だから「美空へばり」を言いたい時は「うわ、へばりだ、美空へばりだ」
と先に「へばり」のジャブを打つ必要がある。
「かわいい、川合俊一」は結構いい線を行っていると思う。
まずその人物にインパクトがある。
身長が、調べたら195cmもある。
かなり大きい。
だからやっぱり言葉だ。
先ほど言ったように「かわいい」と「かわい」が完全一致のため使えないから、さっきの「スサミ」と「へばり」の例でいくと、「“こ”わい!こわいしゅういち!」となる。
「かわいい、川合俊一」よりはマシになった気がする。
でもまだなんだか微妙だな。
そもそもギャグなんていうのは、こういった分析をすると途端に冷めてくる。
結局何を言うのかよりも、タイミングな気がしてきた。
静寂の中やギクシャクしてる時は、何を言おうがダメだ。
楽しい空気感の時にぱっと思いついたのをぱっと言う。
それがたとえつまらなかったとしても、「つまんねー」「なんか今言った?」で済む。
おやじギャグの最低評価は無視である。
子どもや奥さんに嫌われるぐらいだったら言わない方がいいと言う人も、もしかしたらいるかもしれない。
しかし、相手を楽しませる可能性を感じるのであれば、タイミングを見計らって言った方がいい。
言わないまま、心の奥底にしまい込んでしまったら、それはいつまでもおやじギャグのままだ。
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