車が好き、ドライブが好き
人生初のドライブは、18歳だか19歳の時の無免許運転だった。既に免許が取れる歳ではあったが、まだ教習所に通ってもいなかった。父親も車が好きで、小さい頃は家族でよくドライブに行ったし、夏の家族旅行は車で各地をまわるドライブ旅行だった。やらせてもらったことがあるわけではないが、頭では半クラッチで発進し始めることは理解していた。
その日はなんの帰りだったか忘れてしまったが、ド下手なおばちゃんの運転を見かけた。それを見て「あんな人が免許を持ってるなんて、オレは免許無くてもあのおばちゃんより上手に運転することができる」と思ってしまったのだ。そこまでならよくある話?かもしれないが、その日は家に親がおらず、ムラムラと実践に移す衝動を抑えられなくなってしまった。
当時の親父のセカンドカーではあったが、インタークーラー付きの小型ターボ車、旧車に詳しい方ならわかると思うが「ブルドッグ」という愛称がついていたちょっとパンチの効いた車だ。家は都内の国道の前で、夜だから交通量もそれほど多く無く、ロジックでわかっていた半クラッチを使って車道に出るのはいとも簡単だった。が、すぐに信号に引っかかる。青になってまた半クラッチで走り始めようとしたが、エンスト。都内の国道なので後ろには車が数台止まっており、そのプレッシャーも手伝って、エンジンをかけ直しての再スタートでもスムーズなクラッチ操作ができない。車をガクガクさせながらも、やっとのことで路肩に寄せて止める。ここでやっと、自分が大変なことをはじめてしまったと認識したのだった。さてどうしたもんか。
気を取り直して、また車をガクガク動かしながら裏道に入る。ここで、どれくらいだろう、30分か1時間くらい、半クラッチの練習、というか発進の練習をした。頭ではわかっているので、さすがにそれだけやれば、なんとか安定してきた。
ので、ここで普通は家に帰るんだろうけど、発進ができるようになってまた気が大きくなって、友達がシフトに入っているバイト先まで行くというプランを思いついた。阿呆。
1番運転で慣れが必要な半クラッチ以外は、特に問題は無かった、はず。いきなり都内の夜のタクシーに物怖じせずに運転できたのは、都内の車道をロードレーサーで走り回るのに慣れていたからかもしれない。今でこそ自転車は車道を走るのがデフォルトになったが、当時はまだ自転車は歩道を走るのがデフォルトだったと思う。
やっぱり運転、特に夜の都内を流すのは、気分が良い。1時間ほどだっただろうか、バイト先で友達に「いえーい!」と言って自慢したら、「バカだな。。。」と苦笑されたのを覚えている。まあそうだよね。
そして、やっぱり、そこから帰るかと思いきや、せっかくのドライブなので、都内といったら首都高速!乗りたくなってしまったのでした。これもまた最高でしたね。よく覚えてないけど、横浜まで行ったような気がする。帰りは空が白んできてたと思う。運転って楽しいなと、思った。
結局、1回目の無免許運転は、親にバレなかった。それを良いことに、その後何度もしてしまうことになる。最後にはバレたけど、その時は何故か大騒ぎにはならなかった。でも、その後の人生では、これがキッカケになり、大事に発展する。
これは、数えてみたら30年近く前のことだった。気になるのは当時から自分の精神年齢的なものがあまり変わっていないのではないかということだ。流石に今は結婚して子供もいるし、もちろん免許もあるので、同じことはしないだろうけど、何か著しく精神が成長した気がしない。そのことについて不安になることもあるが、この「非常識」さが仕事というかビジネスにプラスになってくれることを切望している。そういう風に思わないと、この失敗?失態?多き人生を続ける気力が保てない。
クルマは今も好きだ。社会的・経済的成功はしていないので高価なクルマには乗っていないが、好きなのでどんなクルマでも運転は楽しい。それに最近はカーシェアも発達してきているので、1000万円越えの高級車を試すのも簡単で、TimesカーシェアやAnycaというサービスで、色んなクルマにのって楽しんでいる。折角ならクルマ関係の仕事がしたいと思っているのだが、なかなかキッカケが作れない。
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