行政手続きのオンライン化
本日は、政令市・中核市・特別区CIOフォーラムに参加してきました。
大変興味深い報告ばかりでしたが、やはり最後の「電子申請システム構築」の話を聞きながら、ついこの間まで窓口部門にいた身としては色々考えてしまうわけです。
オンライン化すればいいの?
「○○申請はオンラインでできます!」「○○届がLINEからできるようになりました!」
連日このような話が聞こえてきます。大変結構なことだと思います。
でもですよ、でもですよ。
オンライン化すればそれでいいの?
リアルな窓口はそのままでもいいの?
そんなわけないんです。デジタル化の3原則、デジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップはリアルな窓口でも必要なものだと思うんです。
窓口のデジタル化
窓口のデジタル化と言われてもピンとこないかもしれません。それはきっと「窓口=紙の申請書」を想像してしまうからです。
では窓口をデジタル化すると、どんないいことがあるのでしょうか。
現在の課題をベースに考えれば、代表的なこととして次の3点が挙げられます。
・何枚も書く、何度も同じことを書く
→ 何枚も、何度も書かなくていいように
・職員が間違った説明をする、申請者が間違ったことを書く
→ 職員も申請者も間違えないように
・説明がわかりずらい、聞いても忘れてしまう
→ わかりやすく、忘れないように
こういったことが、デジタル化で実現できるのです。
「じゃあ今すぐにデジタル化すればいいじゃん」
そう思ったあなたは正しい。正しすぎる。
でもですね、でもですね。
今、滞りなく行われている業務手順を変えることは、大変なんです。
「そんなの役所の都合だろう。なんとかしろ」
そう思ったあなたも正しい。正しすぎる。
ですがすぐに変えることは難しいのも事実。もう少々お待ちください。
オンライン化でなにが変わるか
オンライン申請を使う人は、いつでもどこでも申請できるので便利になりますね。ではオンライン申請を使わない(使えない)人はどうでしょう。
オンライン化がオンライン申請を使う人だけのものであってはなりません。
オンライン申請によって窓口を訪れる人が減るならば、空いた窓口のリソースは、真に窓口を必要とする人に使いましょう。
そこに窓口のデジタル化を組み合わせて、かんたんで、正確な、わかりやすい窓口サービスを提供し、同時に職員の負荷も下げられたらベストですね。
このような考え方は、自民党のデジタル・ニッポン2018で「ハイタッチなMy Future Government」として紹介されています。
最後に
コロナ禍にあって、行政手続きのオンライン化はもはやスタンダードにならざるを得ません。ただしオンライン化にばかり気を取られることがないよう、全ての関係者に気を配る(※)ことも忘れないようにしたいですね。
※サービス設計12箇条 第4条
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