親の影響力
子供にとっての親
子供にとって両親はかけがえのない唯一無二のもので、絶対的なものだ。
それは親から見た子供もそうかもしれない。
なんの経験もなく、何もない状態で生まれてくるのだから親の言う事、することは疑いようがない。子供が進学したり、友達を作ったりすればやがて他の家庭がどうなのかわかってくるけど、それでも親を変えられるほどの力はない。子供は親を受け入れるしかないのだと思う。
父親
自分の父親はとある会社のサラリーマンで営業をしていた、というくらいのことしか自分は知らないし、仕事のことを家で語るような人ではなかった。昼間は寝ていて夜になると出かけて行ったり、電話で誰かに指示をしていたりするのを聞いていたので、時間的に融通のきくポジションなのかと思っていた。ただ夜に出て行って何をしているんだろう。疑問はあった。
母親曰く借金はあったし、取り立てが家まできて対応したとか。家庭にお金を入れなかったり、母親の職場に電話を掛けて、お金を工面して欲しいと言ってきたり、全て母親から聞いていた。
母親
そうやっていつも母親は父親を悪く言ってきた。
たしかに母親は大変そうだったし、言われることは本当なのだろうと思った。父親の行動からしても、夜遊びしてるような感じで、それも母親の言うことを信じる要素だったかもしれない。母親と父親が話しているのを見たことがない。母親+兄弟3人と父親という構図になっていてた。いつもお金がない、お金がないと言っていて、イライラしていた。学校で必要なお金をもらうことすら言いづらく悩ましかった。お金がないからじゃない。母親が不機嫌だから言えないのだ。
父と母の今
やがて子供も成人すると家を出て行く。最初に出て行ったのは一番下の妹だった。その後に弟が出ていき、自分が出たのは24、5の時だったと思う。そしてやがて家庭を持つようになる。反抗期というものがなかったが、9年ほど前に一度本気で揉めたことがある。初めて母親に抵抗した時だったかもしれない。色んなことがうまくいかず、いつも相談していた母親が気に食わない態度を取ったのだ。それからしばらく母親と疎遠になった。その時にたまたま父親がFacebookを通じて連絡をしてきた。たまに電話をするようなことがあった。父親は都会を離れ田舎で自分でビジネスをしているようだ。イベントをやるというので行ってみた。
もう15年ぶりの再会だろうか。父親の周りにはビジネスを一緒にしている人がいて、イベントを企画すればたくさんの人が集まっていた。
社労士試験に合格して独立を考えていた自分には正直すごいなと思った。ゆかりもない土地で人が父親の周りには集まっていた。
一方の母親は相変わらずである。それからまた会うような関係には戻ったが、会えば父親の悪口や過去のことをいつも愚痴っている。そんな事を言えるのも自分しかいないのだろうと思ったので、懇々と聞いている。その度に脳裏によぎる父親の姿。
人生をリセットするかの如くあの土地へ移住して、新しい事を始めた父親と、昔と変わらず自分以外に焦点を当てている母親。
子供の頃に聞いていた言葉では母親が正しいと思っていた。でも大人になって今二人の姿を見て思うのは父親の方が生き方は正しい気がした。
大人の問題に子供を巻き込むな
夫婦関係の不仲、経済的な問題は大人の問題だと自分は思っている。子供は親を選べない。自分で労働して稼ぐこともできない。たまに愚痴を吐きたくなるのはわかるけど、常々そんなことばかり言っていては父親が疲弊して出て行ったのも理解するようになった。一方で母親の大変さも変わらず理解している。子供の自分にはどちらが間違っていたかなんて分からない。
自分に愚痴っていても変わらない。
伴侶を選んだのは両親それぞれだし。文句を言ったところで、それは自分の選択が間違ってました、と自分を否定し続けることにしかならない。
ただ母親もどうして良いのか分からなかったのだろう。
自分の幸せは自分で選ぶ
父親はある日突然家に帰って来なくなったのだが、そうやって自分の幸せを探し、今に至るのだろう。子供を放ったらかしにし、自分の幸せなんて…と思うかもしれないが誰しも幸せになる権利はあるし、父親にできるやり方はあれしかなかったのだろう。
できれば母親にも自分の幸せは自分で探して欲しかった。子供3人どうするのか、ときっと言われると思う。でも子供の手が離れた今、今度は自分の幸せを追い求めてもいいんじゃないかと思う。
将来を見続けた父親、過去で止まった母親。
子供からしたら、どちらも悪くないし、両親に対して良いとか悪いとかつけたくないんですよ。
二人のことは二人で解決してください…と今なら言える。
何を得たか考える
そんな家庭環境で育ち、今になって思うこと。
きっとこれも何か理由があるのだと思う。
子供との接し方、物事に対して考え方。
多分きっと人よりは広い視野でいろんな角度から考えることができるようになった?と思う。
大変な中育ててくれた母親には感謝しかない。
父親にはもっと男として教えてくれることがあっただろと思う。
だけど過去の事を言っても仕方がない。
自分が親にして欲しかった事を子供にしていくしかないのだ。
というわけで、今日は母親に会いにいこう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?