(本の要約1)7つの習慣
スティーブン・R・コヴィーにより書かれた7つの習慣について要約してみます。成功のカギは「人格」であり、勇気や正義、勤勉さなど、自分自身の内面を変えることにより成功と幸せを呼ぶとされています。この人格を高める習慣こそ、7つの習慣であるが、理解し実践してもすぐに結果は出ない。実践し、失敗し、問題点を解消してこそ少しずつ成功していく。この本では、毎日の歯磨きのように、行動習慣として身につけてしまおうとしている。
人は物事を見たいように見ており、誰もが過去の経験や知識などをベースにしている。
インサイド・アウト
7つの習慣の大前提にあるのが、「インサイド・アウト」で物事を見るということである。
誰しも自分が理解されないことを、人や周りのせいにして責めるということがあるはずです。
See(物事の見方)→Do(物の見方からくる行動)→Get(行動の結果得る物)の循環が悪いせいだとしてる。このSee変えなければならない。
自分は正しい、相手は間違っているという物の見方では何も変わらない。他人、相手、環境などの自分の外側=アウトサイドが変わらないと結果も出ないというのがアウトサイド・インである。外側(アウトサイド)が変わって初めて自分に何かが入ってくる(イン)。そうではなく、自分の内面、考え方、人格などを気をつけ、結果を引き寄せるようにしよう、それがアウトサイド・インである。
第一の習慣「主体的である」
主体的とは、人間として自分の人生の責任を引き受けることを意味する。私たちの行動は、周りの状況ではなく、自分自身の決定と選択の結果である。
漫画版では、バーテンダーである歩が、マスターから得るものは何もないと言っている。
これは主体性の定義から考えると、自分自身でマスターから得るものは何もないと選択し、何も得ない行動を選択している、ということになる。
物事がうまくいかない理由を自分以外に転嫁しても、それらを変える事はできない。例えばうまくいかない事が起きたとしたら、その前に何か自分でできた事はないだろうか、そう考える事が主体的であるということである。
そうしてまず自分自身に目を向け、変わっていくことで、やがて周りが変わっていくのである。
第二の習慣「終わりから思い描くことから始める」
終わりから考えるということから始めるというのは、日々の生活でさまざまな役割を果たすとともに自分の価値観を明確にし、方向をはっきりと定めて行動することである。そうすれば本当の意味で主体的で価値観に沿った人間になれるのである。
多くの人は自分の人生について自分で決められるのに、多くの人がそれを忘れ、無意識に他人が決めた道を生きている。そうならないように、自分の可能性から将来を想像し、自分の人生の脚本を作る。人生の終わり(目的)に向かって、やるべきことを明確にし、主体的に選択、目的の達成に近づくというシナリオである。
これはお金持ちになるとか、昇進するということでなく、それらはあくまで手段であり、その先にある自分の人生の目的を考えなければいけないということ。そして人生の選択に迷った時は「原則」に立ち返ることだ。お金、家族、会社など様々なものが人生では関わりを持つが、これらを中心に考えると一見行動はブレないが依存心を抱いてしまう。自分自身の価値観を大事にし、物ではなく大切にしたい価値観を中心に生きていこう。
第三の習慣「最優先事項を優先する」
時間管理という言葉そのものが間違っているという考え方だ。問題は時間を管理するということではなく、自分自身を管理することだからだ。
あなたは何かに対して必ずノーと言ってきた。
目の前に現れた用事が緊急に見えなかったとしても、それはあなたの人生のそのものに関わる事項だったかもしれない。
毎日スケジュール通りタスクをこなし、定時で退社する、これが完璧だと思っている三村に、ミーティングの時間が押しているのに、関係作りだと顧客との商談を終わらせない上司。そしていつの日かその顧客から新しい仕事を受注する。
「緊急でないが、重要な事」を思い知らされることになる。これは自分の役割を考えることが必要で、そのために必要な投資が「緊急ではないが、重要な事」になるのだ。
スケジュールはスケジュール帳通りには進まない。選択を迫られた時、「原則」、「役割」に基づいて最優先事項を優先していくことで自分の人生を生きることができる。
第四の習慣「Win-Winを考える」
私たちはえてして、強いか弱いか、厳しい甘いか、勝つか負けるか、物事を「二者択一」で考えがちだ。しかし、このような考え方には根本的な欠陥がある。原則に基づいておらず、自分の権力や地位にものを言わせる態度だからだ。
MBAを取得した青年が、実家の小さな和菓子屋なんて継いでも成長はないと言う。もともとグローバルな仕事がしたかったからだ。しかし青年は実家を継ぎ和菓子を世界に売り込むことに成功する。
家業を継がなければ父親は猛反対。継げば青年は夢を失う。どちらでもWin-Loseの選択しかできないように思われたが、継いで世界に向けたことで両者ともにWin-Winの関係となった。
それが難しい場合はNo Deal(取引しない)という選択肢もある。Win-Winの関係を達成するためには相手を理解し、解決すべき課題を明確にする、確保すべき結果を明確にし、結果を達成するための選択肢を出すというステップを勧めている。
第五の習慣「まず理解に徹し、そして理解する」
私たちはえたして、問題が起きると慌ててしまい、その場で何か良いアドバイスをしてすぐに解決しようとする。しかし、その際私たちはしばしば診断するのを怠ってしまう。まず、問題をきちんと理解せずに解決しようとするのである。
「話す」ことより「聞く」ことから始める。相手を理解しない人は、自分を理解してはもらえなき。「わかってくれない相手が悪い」と責める前に自分を振り返ろう。聞くことがもっと重要なスキルだとコヴィーは言っている。が聞くことの練習をした人は少ない。難しいが「共感」による傾聴が大事であり、相手が何を言ったかではなく、相手が何を感じたかに耳を向けるのだ。
第六の習慣「シナジーを作り出す」
他者とのコミュニケーションが相乗効果的に展開すると、頭と心が解放されて新しい可能性や選択肢を受け入れ、自分の方からも新しい自由な発想が出てくるようになる。
シナジーとは違いを尊重することである。だから自分と違うことには否定的になりがちである。考え方は違って当たり前であり、自分の考え方や能力の限界を認め、相手の長所から学ぶことが大切である。人との違いに受け入れないと妥協をしがちである。「まぁ、いいか」とすることはよくあるが、お互いに消極的ななってしまう。
相手と能力をそれぞれがのばすと1+1=2になり、大きな成果となる。その時に意識したいことがWin-Winのコミュニケーションであり、それそわれの相違点について深く理解しあうことである。対立する意見のどちらを取るか、ではなく両者の意見を生かした案、それが「第三の案」である。
本当の意味で効果的に人生を生きられる人は、自分のものの味方には限界があることを認められる謙虚さを持ち、心の知性の交流によって得られる豊かな資源を大切にする。
第七の習慣「刃を研ぐ」
自分の道具に投資するということが「刃を研ぐ」習慣なのである。効果的な人生を生きるためには定期的に四つの側面すべての刃を研ぐ時間を作らなければならない。
四つの側面とは、
・体調(肉体)
運動によって体をメンテナンスすること。
・観点(精神)
自ら価値観を深く見つめること。第二の習慣で行うべき自分の反省と関係する。
・自立性(知性)
情報収集や選択力を磨く。第三の習慣にあるように自分の目的や価値観にあったものを選択する。
・つながり(社会、情緒)
人間関係においても自分の価値観に忠実に振る舞うこと。第一から六までの習慣を身につけ、第七の習慣を行う。そうすることでシナジー効果が発揮され、自分の人生を自分で変える事ができるようになる。
まとめ
よく言われるビジネスのマインドや経営における効果がこの7つに集約されているように感じた。一つ一つは読んでいくと、それほど難しいものではなく、意識することで実践可能である。他者との関係に諦めることなく、自分の価値観で生きる人生にも諦めることなく、また固執することなく、心の余裕をもちつつも満足感を得ていくことができるように感じた。
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