「もう恋なんてしない」と槇原敬之は言ったけれど。
こんな真夜中に文章を書きはじめるなんか、どうかしている。
酒も飲んでない。睡眠導入剤も飲んでない。
眠れない。
それでも、明日は仕事だ。
(まあ、フルフレックスだけれど)
だけれど、そんなことどうでもいいと思わせる時間が深夜にはきっとある。
「もう恋なんてしない」と槇原敬之は言ったけれど。」
先日、僕は、入社したばかりの会社のデスクで爆睡していた。
年俸制、成果報酬制の会社なので、最低基準の年俸以外はインセンティブで稼ぐほかない会社だ。
いくつもの「偽物」の愛と欲望が渦巻く街で、僕は上司に失笑された。
入社数日で、ガチ寝をかますなんて、と。
しかし、僕にとって、入社時の評価なんて、取るに足らないものだった。
なぜなら、僕は、仕事がしたい訳でも、高い報酬が欲しい訳でもなく、居場所が欲しかったからだ。
あの日、彼女に捨てられて以来、僕は空っぽだった。
スマホを切り、人にも告げず、ホテルや病院に缶詰になっていた。
誰とも会いたくなかったし、誰も会ってくれないと思った。
「可愛い彼女」を失った僕になんて、誰も。
それこそ、ビジネスでのやり取りがある連中以外。
幸いにして、転職先のデスクは、まだある。
UP or OUTなんて言いながらも、それなりの成績がでれば、首を切られることはないだろう。
そうすれば、コンビニの店員以外とも話す相手が増えると言うものだ。
元カノが結婚し、安物のペアウォッチを嬉しそうにSNSに上げているのを見てしまってから、僕は、資本主義を疑ってしまった。
村上春樹の疑った高度資本主義ってやつが、今ならわかる気がする。
金があっても幸せにはなれないけれど、少なくとも不幸にはならないはずだった。
僕には、住む家も着る服も食べるものも十分にある。
先進国の平均的な暮らしをしている。
その中で比べてしまうと、どうしても、自分のことが不幸に思えてしまう。
一瞬の勢いで結婚をする。
まあ、個人の自由は重要だからわかるけれど。
でも、あまつさえ、子どもを産む時、それがきちんと考えられたものであればいいけれど、そうでなければ、そんな親たちから産まれてきた子どもは不幸だと思う。
結婚と妊娠に順番なんてないし、前時代的な子作りは結婚した後、などとは思わないけれど、それでも子どもを産む時、夫婦はよく議論をした方がいい。
外出先での話し合いもできない夫婦の下に生まれた子どもは不幸だし、その上、それを社会の常識と思ってしまう。
よく考えずに子どもを産んでもいい、夫婦の話し合いなんてできなくていい、そんな不幸な思いを持った子どもたちが再生産されてしまうのはあまりにもかわいそうだ。
ただし、誤解を恐れずに言えば、恋は勢いでするものだし、その延長線上に結婚があることもある。
子作りも欲望に駆動されて、勢いでするものなのだろう。
思慮深いほど、婚期を逃し、子宝に恵まれないのだ。
せめて、政府には、勢いで結婚し、産まれたかもしれない子どもたちへの福祉、お金のバラマキをやってあげてください。
世帯単位でなく、個人単位で。世の中には、様々な親兄弟がいますからね。
政治家先生の家系なら、ご存知でしょうが。
もしくは、親が悪用しないよう、学習機会やデジタル機器の利用のための「バウチャー」を発行してください。
僕は、もうアラサー。いい歳です。
前回の婚約破棄、マンションの売却、車のローンの一括変換などで、疲れてしまいました。
しばらくは、結婚どころか、恋愛もいいです。
恋人ごっこくらいがお似合いです。
自身の結婚も子作りも諦めたのです。
これは、本気で、綺麗すっぱりと。
今、少しでも好きと思える子のために、港区のビルで時に爆睡しながら、金を稼いで、遊んで暮らすのが、一番気楽です。
僕自身は、欲しいものも、食べたいものも、飲みたいものもないのですから。
(挙げ句の果てに、多量飲酒は止められている)
死んだように生きている、とも言えましょう。
僕の心臓は、僕の中ではなく、美少女といる時に天空で駆動しはじめるのですから。
早く老害になって、世間に疎まれながら、笑顔や仏頂面で記者会見に出たいなあ。
せめてもの望み、激務の合間のバカンス、今年は無理かなあ。
今年は、軽井沢や六甲行けるかなあ、高級ホテルにお籠りかなあ。
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