AIを用いたサッカーの得点期待値(xG)の新しい計算モデルとその効果
サッカーファンの皆さん、「xG」という言葉を聞いたことがありますか?最近のテレビ中継でもよく耳にするこの用語、実は「得点期待値」を表す重要な指標なのです。今回は、このxGをAIの力でさらにパワーアップさせた最新の研究結果についてお届けします。この新しいモデルにより、試合結果の予測精度が驚異の16.2%も向上したというのです!
📚 本記事は以下の研究論文を基に作成されています:
詳細な研究方法や統計データにご興味のある方は、ぜひ元論文をご覧ください。
目次
xGとは何か?
従来のxGモデルの限界
新しいxGモデルの革新性
ヨーロッパ5大リーグの分析結果
研究の意義と今後の展望
xGとは何か?
xG(Expected Goals)は、シュートが得点になる確率を表す指標です。例えば:
ペナルティーエリアの真ん中からのシュート:xG = 0.7(70%の確率で得点)
ハーフラインからのシュート:xG = 0.012(1.2%の確率で得点)
この指標は、サッカーの攻撃力や選手のパフォーマンスを評価する上で非常に重要な役割を果たしています。
従来のxGモデルの限界
これまでのxGモデルは、主に以下の2つの要素で計算されていました:
シュートの距離
シュートの角度
つまり、「ゴールに近くて正面からのシュートほど入る確率が高い」という単純な計算方法でした。しかし、サッカーはこれらの要素だけでは説明できない複雑なスポーツです。
新しいxGモデルの革新性
今回の研究では、AIの力を借りて、これまで考慮されていなかった多くの要素をxGの計算に組み込みました:
選手の市場価値
チームの強さ
リーグの特性
試合の重要度
シュートの種類(右足、左足、頭など)
これらの要素を組み合わせることで、より精密なXGモデルの構築に成功しました。
ヨーロッパ5大リーグの分析結果
新しいxGモデルを使って、ヨーロッパの5大リーグを分析した結果、各リーグの特徴が数字で明確に現れました:
ブンデスリーガ
両足の使用能力が他のリーグの3倍も重要
インテンシティが高く、利き足に持ち替える余裕がない試合展開を反映
セリエA
セットプレーの影響力が他のリーグより2〜4割高い
クローズドなゲーム展開が多く、セットプレーの重要性が増す
プレミアリーグ
チームの質と選手の市場価値が他のリーグより大きく影響
従来のモデルでは、強豪クラブのXGが低く見積もられていた可能性
これらの結果は、各リーグの戦術的特徴や文化的背景を数値化したものと言えるでしょう。
研究の意義と今後の展望
この新しいxGモデルの開発により、サッカーの分析がより精緻になり、戦術立案や選手評価にも大きな影響を与えることが期待されます。今後のサッカー観戦では、単にシュート数や得点だけでなく、xGの値にも注目してみると、新たな楽しみ方が見つかるかもしれません。
例えば、PKのxGは一律0.8(80%の確率で得点)とされていますが、今後はより詳細な状況を考慮したXG計算が可能になるかもしれません。サッカーファンの皆さん、次の試合を見るときは、「あのシュート、xGはどのくらいだろう?」と考えながら観戦してみてはいかがでしょうか。
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