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ビルドトラップにハマる原因とは


はじめに

先日から、プロダクトマネジメント界隈では有名な ビルドトラップ本 を読んでいます。
pmconf のアーカイブなどで著名な方々がよく口にする、「ビルドトラップ」という言葉の意味を知らず、気になったからです。

この本を読んでみての読書メモにはなりますが、ビルドトラップを引き起こす原因についてまとめてみようと思います。

ビルドトラップとは

ビルドトラップとは、組織がアウトカムではなく、アウトプットで成功を計測しようとして、行き詰まっている状況のことです。
実際に生み出された価値ではなく、機能の開発とリリースに集中してしまっている状況です。

Melissa Perri.

プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける.

O'Reilly Japan, 2020年, p.1.

本の 1 ページにさっそく書いてありました。
これは本当に現場でいとも簡単に起こり得る事態だと思います。

そもそも、「アウトカムを出して、実際のユーザーの世界を変えるのが正義だよね」、って思える会社や組織ってどれくらいあるのでしょうか。

上層部がそう思っていても、実際に開発する開発チームにまで伝わっていなかったり、開発チームはアウトカムを出したいと思っているのに、組織上層部はたくさんのアウトプットを出せって言ったりしている現場ってたくさんあると思います。

ビルドトラップにハマる原因

では、このビルドトラップを引き起こす原因とは何なのでしょうか。
本で紹介されていた事例を何個かピックします。

締め切りへのプレッシャー

株主や経営陣からのプレッシャーで、締め切りを守ることを強く求められる環境で発生する例です。
本来やるべきであったユーザーニーズの調査やユーザーストーリーを書くのをやめ、機能をリリースすることに集中してしまいます。

みんながバラバラの方向を向いている

「あなたが達成すべきいちばん重要なことって何でしょう?」とたずねたときにみんなバラバラのことを回答してしまうとき、ビルドトラップにハマります。
プロダクトマネージャーが「事業収益の成長だよ」と答えても、CTO が取締
約会での会話を引き合いに出し「モバイル戦略」と回答したり、セールスリーダーは「大企業を顧客にすること」だと回答していたら、足並みが揃っていません。
本では、「あっちもこっちも重要だと言っていて、プロジェクトリストの全部が最優先になってしまっているから」だと言及しています。
ひとつひとつの戦略が少数の人にのしかかってしまっている状態では、なにも達成できません。

人事評価がアウトプットに紐づいてしまっている

ボーナスが問題解決ではなく、アウトプットに結びついてしまっているとビルドトラップにハマります。
「リリースしないとボーナスがもらえない」だとか、「リリースした機能が多ければ多いほど、評価が高くなる」といったことは簡単に起こってしまいます。

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