Daichi

フリーランスで美容師をしています。東京、中目黒にて。 instagramにて日々のことやサーフィンの投稿をしています。 メッセージ等あればinstagramよりどうぞ。

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最近の記事

映画紹介#6川っぺりムコリッタ

ふとネットフリックスを開いたら新着の映画欄に見かけて。この映画を私は公開当時に映画館で見たのですがとても印象的でした。改めて見直して実感した、この作品の私なりの解釈を共有できたらと思います。 映画なのでストーリーありきですが、今回はこの映画から感じる”食べる”ことと ”生きる”ことについて。考えてみました。あくまで私の主観(解釈)ですのでこの映画が必ずしもこのようなことを意図して表現しているわけではありません。 とにかくフードコーディネーター飯島奈美さんが手掛ける食事シー

    • 映画紹介 #5 インサイド・ヘッド2

      ピクサー作のアニメーション、インサイド・ヘッドの続編である2作目。 今回はネタバレはほぼ無しで書きたいと思う。 ライリーという主人公の頭の中の感情をキャラクター化し、主人公の葛藤や成長と共にどういった感情が現れたり変化したりするのかを描いた作品だ。 本当に傑作と言える作品だと私は思うので是非見てほしい。 1だけでも面白いし、2だけ見ても面白いと思う。成長とともにストーリーが展開するのでざっくり言えば1は幼少期、2は思春期、といった時期の話になっている。 2における大き

      • 本紹介#9 第一感 マルコム グラッドウェル著

        冒頭はひょんな話からテーマが派生していく。 それは古美術の審美眼にまつわる話。当時の技術の限りを使いを徹底的に調べたのちに本物と判断して美術品を購入。だが、のちにそれを見せられた専門家は偽物と言う。そして正解は偽物。理由は全員「何となく」。 これこそが「第1感」。だという。 ただ闇雲にaとbの二択を直感に任せればいいと言うのではなく、このケースで言えばそれまでの経験の蓄積やその物事への知識があるのであれば理由を言葉にできずとも直感でわかるという不思議を受け入れていいというこ

        • 本紹介#8 音楽の霊性 ニューエイジ・ミュージックの彼方へ ピーターバスティアン著 追記

          音楽の霊性 ニューエイジ・ミュージックの彼方へ ピーターバスティアン著について、前回紹介したのだが。とても素晴らしい本がゆえにもっと何か伝えられることがあるのではないかと思っていた。どう頑張ったところで読んでもらうしかないのだが、自分が納得していないのだ。 なので、追記という形でこの本を読んで私が考えたこと、参考にしたことを書きたいと思う。もちろんこの著書の全てを書き記せる訳ではないが、少なくともこの本の大きな題材の一つであると思う"意識の現象としての音楽"についてだ。

          本紹介#8 音楽の霊性 ニューエイジ・ミュージックの彼方へ ピーターバスティアン著

          どうやらロングセラーのようだが、私は納得がいく素晴らしい内容だったと感じた。霊性と名がつくとスピリチュアルな方向性かなと思ったのだが、とても論理的かつ的確な描写に感じた。(スピリチュアル的な部分もありますが私は苦手な印象は受けませんでした) 壮大な音楽という事柄に触れ、その一つ一つがとても深く考察されているなと感じ、自分の中でもうまく言語化や整理ができていなかったことを代弁してくれているようでとても素晴らしい本に出会えたなという気持ちだ。 私は音楽に携わる仕事でもなければ

          本紹介#8 音楽の霊性 ニューエイジ・ミュージックの彼方へ ピーターバスティアン著

          小話 手段と目的

          最近の私の頭の中でよくうかぶこと。 仮の話。ミニマリストになりたい。と思ったとする。 それはどんな目的なのだろうか。 ”ミニマリスト”は目的ではなく、ミニマリストになるだけの考えや理由がそこには存在していて、他に注力したいからこそある部分に置いてミニマムなのだと私は思うのだ。 ということは、『ミニマリストに憧れるよねー』 とかっていうことは本質的にみれば勘違いなのだ。 その生活スタイルの人やそれを発信している人に興味を惹かれているだけなのかもしれない。 簡単な理

          小話 手段と目的

          本紹介#7 不寛容論 森本あんり著

          先日読み終えて、すごく考え深い内容でいい本だった。 文体も難しくなく、説明も丁寧で宗教学に興味がある人にもおすすめ。 主にアメリカをイギリスが侵略する時代を背景に、寛容と不寛容の歴史とその考え方について述べられている。 そもそも寛容の問題とは、否定的に評価するしかない対象、不愉快と感じる事柄への対処。好ましいものを肯定することは当然なのだから、そこに寛容の問題は存在しない。ということを述べており、まずなるほどなぁ。と思ってしまった。 となると寛容とは、主張は認められない

          本紹介#7 不寛容論 森本あんり著

          映画紹介#4 plan 75

          まずはざっと、あらすじを。 ”舞台は超高齢化社会になった日本。若者たちは怒りの矛先を高齢者に向け、老人が虐殺される事件が多発していた。日本政府は75歳以上の高齢者の“死ぬ権利”を認める法律、通称・PLAN 75を施行し、高齢化を食い止めようとする。 そんな日本に生きる身寄りのない老人・ミチ(倍賞千恵子)は、長く続けていた仕事を解雇され、途方に暮れていた。75歳を超えるミチが働ける職場はなく、住む場所も見つからない。追い詰められたミチが選んだのは、PLAN 75を利用し、自

          映画紹介#4 plan 75

          映画紹介#3 正欲

          ネットフリックスにて配信されている映画 正欲を見た。(小説が原作だがそちらは見ていない) この世界がいかにマジョリティを基準にながれているか、そこから抜け落ちている人がいるのではないかということを考えさせられる作品だった。 ストーリーは小難しくなく、登場人物の感情の変化へ表現がとても繊細で素晴らしいなと思った。(あらすじ→検事の寺井啓喜は、不登校の息子の教育方針をめぐり妻と度々衝突している。秘密を抱えた桐生夏月が世間と断絶を望み、ショッピングセンターで販売員をしていたが、秘

          映画紹介#3 正欲

          小話 好きな考え方 三浦梅園

          江戸時代の自然哲学者と言われる三浦梅園の言葉にこんなものがある。 ”枯れ木に花咲くに驚くより 、生木に花咲くに驚け” と。 枯れた木に花が咲けば誰でも驚く。 そうではなく、普段・日常そこにある当たり前とも思えるその光景に驚くべきだ。と。 こう考えなければならない、とかではなく。こういうことに心が向くということが豊かな物事の見方だなと思う。見落としているとでもいうべく、日常にこそ多くの豊かさや学びが溢れていると。 世界をどう捉えるか、見え方というのはとても大切。

          小話 好きな考え方 三浦梅園

          映画紹介#2 すばらしき世界

          刑務所で人生の大半を過ごした元殺人犯のヤクザが出所して社会生活を送るという内容。まっとうに生きようと悪戦苦闘する中、若手テレビマンが番組のネタにしようとすり寄ってくる。その最中、接する人のなかには親切にしてくれる人もおり、人間の温かさも感じることのできる作品。   でした。作中の俳優さんも素晴らしく、過度な演出も感じず、良い作品だなと感じた。どうやってもうまくいかない場面や、心なくそのようになってしまうなど、なかなか判断が難しく表現が難しい心の葛藤をとても繊細に描いていると

          映画紹介#2 すばらしき世界

          小話 流行りと廃り

          流行りごとがなんだか儚いなぁという話。 映画やなんかでもいいし、ファッションでもいいし、スイーツでも、なんでも良いと思うのだが。散々、流行り物としてそれらを楽しんでいたはずの人がそれらの過ぎ去ったのちに見向きもしないさまがどうしても儚く思えてしまう。 もっといえば、楽しんでいた時から近いうちに廃れることを予見していた。と言い出すのだ。 そうしてまでも流行りごとに一喜一憂するべきなのか。 なんだかそう思えてしまう。 流行るか、廃れてしまうか、は社会のリアクションにもよる

          小話 流行りと廃り

          映画紹介#1  ミッドナイトスワン 

          見終わった後にとてもじわりとする、良い映画でした。 なんだろう、いわゆるトランスジェンダーが題材なのだけど。それ以外にも家族だったり友人とは、光と闇とは、そんな漠然としたことを私は考えてしまった。ドロドロしてるとかっていう感じではないのだけど、グッと重さのある、そんな見応えだった。 今更ながら、映画というストーリーが作る深さや重さ、そのエネルギーは不思議だなと思った。ストーリーの作る時間もなのだろうか。 仮に今作をおおよそのあらすじや人物の相関図などで一番情報として合理

          映画紹介#1  ミッドナイトスワン 

          本紹介#6 ヴァージル・アブロー著 ダイアローグ

          41歳の若さで亡くなってしまったファッションデザイナー。ヴァージル・アブロー氏のファッションへの考え方、デザインへの考え方、を対談形式の中から読み解くという本である。 すごく色々な事柄への話に触れているのでとても内容の濃い本だったと感じた。全てをここで触れることは難しいので最も印象的だった箇所を書いていきたいと思う。 まず、全ての事柄に通ずる事としてヴァージル氏がアフリカにルーツをもつ黒人であるという点がいかに社会から拒絶されてきたか。現在に至るまで、そういったルーツを持

          本紹介#6 ヴァージル・アブロー著 ダイアローグ

          本紹介#5 ハンナアレント著 責任と判断

          ここ1ヶ月近くずっとこの本を読んでいた。 確か、きっかけはジャニーさんの性加害問題を「凡庸な悪」からこの問題に向き合ってみた話を聞いたからだったと思う。「凡庸な悪」を定義し、著者自身がホロコーストを経験した背景からこの道徳的な問題に向き合う内容の本である。 哲学の本などを読んだことがある人は大丈夫かと思うが、慣れない人には少し難しい本かもしれない。(文体は難しくなくシンプル) この本の最も重要な問いとして ”なぜあんなにも大勢のドイツ社会のすべての人々がナチスと同一化して

          本紹介#5 ハンナアレント著 責任と判断

          小話 忙しいこと

          今年もあと数週間ですね。お忙しいですか。 接客業をしていると季節柄こんな会話が増えてくる。私自身、この流れ?のようなものに年々違和感がましている。というのも、なんだか年末でせわしない・年内に急いで、という何とも見えない空気感に押し流されているように感じるからだ。 私はどちらかと言えば、自分のペースで物事がすすめられ穏やかな日々に有り難みを実感する。 なので、年末に仕事であれプライベートであれとても忙しいことがあたかも良いとする風潮のようなものが嫌なのだ。これは個人的な意

          小話 忙しいこと