僕はまだ、ナニモノでもない
朝井リョウ氏の作品に、『何者』という著書がある。映画化もされている。
”就活”がテーマとなった本書。登場人物である大学生達は、社会のベルトコンベアーによって、平和的モラトリアムな状態から、急に社会という戦場に出ざるを得ない状況になる。彼らはそれぞれ、世を生きる誰しもが持つ普遍的な闇を抱えている。居心地のよかった関係が、焦りや不安から、いつの間にかズタズタに崩れていくという、実に生々しい作品だ。
この『何者』というタイトルは、登場人物の一人が、表では見せない感情を嘆いていたSN