ウィーンのいろいろ
寝苦しきホステル
夜中、寝ていると、空調がどうかしているのではないかというくらい暑く、息苦しい。目が覚め、汗もかいているが、どうしようもないので眠ろうと頑張る。
翌朝起きて準備をしていると、同部屋の人と昨日は寝苦しかったという話になった。その人は枕と布団をもっていってロビーで寝たそうだ。どこの人か知らないが、相当の猛者である。
ニアミス
スーパーで買い物をして店を出ると、子連れの女性が突然花を差し出してくる。一瞬びっくりしてしまう。これをうかつに受け取ろうもんなら金をせびられるのだろう。
パリでぼったくられてから注意深くなっているので、今回は大丈夫だった。しかし、これは反射的に受け取ってしまう人も多いのではないだろうか。トラブルはどんな角度からやってくるかわからない。引き続き注意しよう。
デメル
ザッハトルテの名店二つをコンプリートするため、デメルへ。こちらもホテルザッハーに負けないくらい並んでいる。
20分くらい並んでいると、後ろのイタリア人がじりじりと横入りしてくる。誰かの旅行記でイタリア人に横入りされる話を読んだ気がするが、イタリアには並ぶという概念がないのだろうか。そんな風に思ってしまいそうになるが、それは違うのだろう。何にしても泣き寝入りは腹立たしい。
ようやく自分の番になった時、私が先だと主張すると、店員は苦笑い。なんでだよ、と思いながらも、ほぼ同時に案内されたので良しとする。
気を取り直して席につき、ホテルザッハーの時と全く同じ、ウィンナーコーヒーとザッハトルテのセットを注文。
私の中では、完全にデメルのザッハトルテに軍配が上がった。少しビターなチョコとクランベリージャムがとてもおいしかった。
国立歌劇場にて
前々から予約していた、モーツァルト時代の格好をしたオーケストラが演奏するコンサートを楽しみに、国立歌劇場に向かう。場内は見事な内装で、さすがは有名な建物である。かつらをかぶり、昔の服装で演奏するオーケストラの姿は、一見の価値があった。もちろん、演奏も申し分なかった。
しかし、町のいろんなところで客引きしていたところからうすうす気づいてはいたが、これはコンサートというよりはアトラクションである。45分という上演時間の短さ、有名な曲のみの選曲、テンポの速い演奏、指揮者によるユーモラスな演出、そのすべてが観光客向けであった。
普段からクラシックを聴きに行く人ばかりではないことは承知だが、それにしてもマナーが悪すぎる客が多かった。写真はおろか映像まで平気で撮影し、フラッシュまでたく輩も。非常に気が散った。
学生料金で半額だったからまだ我慢できるが、これに100ユーロ以上も払うと考えたらそれだけで腹が立つほどだ。いかに普段行くクラシックコンサートの観客のレベルが高いのかを思い知らされた。いつか、ウィーンフィルの本気の演奏を聴きに行きたいものだ。
ホステル・コミュニケーション
同部屋になった人と一杯やった。カナダのトロントから来たライアンは、ビールをおごってくれた。感謝。
パリでぼったくられたことなどを話すと、驚いていた。彼は飛行機や車などを使ってヨーロッパ中を転々と何か月も旅しているらしい。
カナダ北部には主にイヌイットばかり住んでいるとか、カリフォルニアまでロードトリップをやったとか、バンクーバーのでかい島にはいいビーチがあるとか、そんな話を聞けた。
ビールを飲み終え、ビリヤードを1ゲームやる。慣れていないから全然入らないが、いいゲームだった。僅差で負けたが、楽しかった。
初めてホステルであった人とこんなに話した。なかなか悪くない。