コペンハーゲン散歩
久しぶりにゆっくり寝た。9:50起床。
ヒュッゲの国
スーパーでパンを買って朝食とし、近くのカフェに入って少しヒュッゲHyggeを楽しむ。ヒュッゲとは、デンマーク語で居心地のいい空間や時間を表す言葉で、デンマーク人が大切にする価値観である。
北欧に入って初めて見たこのEspresso Houseというカフェは、「北欧のスタバ」とも呼ばれるチェーン店である。しかし、スタバと違ってふかふかのソファーや柔らかな明かりが、くつろげる空間を作っている。さすがヒュッゲの国。くつろぎのひと時を過ごせた。
思えば、街を歩いていてホームレスが圧倒的に少ない。というかまだ見かけていない。パリやベルリン、ウィーン、プラハ、マドリードなどには多くのホームレスがいた。ここまでホームレスを見かけないところは初めてだ。社会保障が充実している北欧圏だからだろうか。カフェの店員さんからも、心の余裕を感じる。幸福度が高い国としてよく取り上げられるが、その一端を垣間見た気がする。
コペンハーゲン市庁舎
カフェを出て少し歩くと、コペンハーゲン市庁舎についた。
ロマネスク調のアートが至る所にちりばめられ、北欧神話のモチーフで飾られた、美しく堂々とした市庁舎だった。
ヨーロッパには伝統的建築の庁舎が多くて驚かされる。日本の庁舎はコンクリとガラスでモダンな反面、西洋風を通り越して日本の伝統を一切感じさせない。歴史の長い国なのに、なぜだろう。戦争や地震ですべて失われたのだろうか。
調べてみると、中央官庁についてはヨーロッパでも日本と同じようにモダンな建造物を使っているところが多いようだ。
地方自治体は、日本でも昔の建物を使っているところがあるようだ。例えば、神奈川県庁本庁舎は1928年築、愛知県庁舎は1938年築、宮崎県庁舎は1932年築である。札幌の旧北海道庁本庁舎なども、今は使われていないが保存されている。
地元熊本の役所や東京都庁、中央官庁などしか意識したことがなかったので気付かなかったが、日本にも戦前に建てられたレンガ造りの庁舎があったのだ。特に愛知県庁舎には驚いた。愛知に行ったら訪れてみたい。
ストロイエ
国立博物館からストロイエに向かう。途中、クリスチャンボー場を観る。城と宮殿の中間みたいな見た目だ。とにかくデカい。昔は王様がここに住み、何千という人々が王のために働いていたそうだ。
ストロイエは、コペンハーゲンの目抜き通り。だが、思ったより短く、小さかった。
ロイヤル・コペンハーゲンの店に入ってみる。さすがにきれいで、繊細なデザインの器が並ぶ。値札を見ると目が飛び出た。
近くの安いアジア食堂でチャーハンを食べる。コペンハーゲンで外食すると、一番安くて1500円くらい。でも、こういう安いところで食べる分には死にはしない物価だ。
カステレット
カステレットは、五芒星型の要塞。函館五稜郭のようだ。
デンマークの軍用施設が多くあり、入り口には兵隊がたっている。
堡塁の上は、気持ちのいいランニングコースになっている。
外を少し歩くと、有名な人魚姫像。
正直、田沢湖のたつこ像の方が感動するが、こちらの方が圧倒的に著名だ。まあ、シンボリックではある。
堡塁に戻って、一周してみる。途中には風車などもあり、楽しい散歩になった。きっと、近くに住む人たちにとっては日々の散歩コースなのだろう。東京人にとっての皇居のようなものか。
アマリエンボー宮殿
全く同じ建物が四つ、広場を囲んで立つ独特の宮殿。国旗が掲揚されていたので、女王陛下がいらっしゃるのだろう。
衛兵の交代も少し見られた。長い帽子は、イギリスの衛兵そっくりだが、動きはイギリスの方がしゃきっとしている。
台湾の中正紀念堂前で国旗奉納を見たときを思い出す。今思えば、台湾の兵隊を見たときには独特の緊張感があった。
ニューハウン
することがないので、ニューハウンへ散歩に行ってみる。
きれいだが、人が多くてそんなにパッとしない。
でも、せっかく来たのでビールとデンマークホットドッグ(赤いソーセージが特徴的、でもただのホットドッグ)を買い、ジベタリアンして食べる。
デンマークに来て最初のビールは、有名なカールスバーグ(ちなみに、コペンハーゲンにはカールスバーグ創始者の息子が作った美術館がある)。すっきりしていておいしい。ホットドッグは普通だが、まあおいしい。
宿への帰路、夕日がとてもきれいだった。赤々としている。コペンハーゲンの水辺は、柳が美しい。
コペンハーゲンの町は、歩くのが楽しい。いろどりが豊かで、建物を眺めて歩くだけで足取りが軽くなる。肌を刺すようなひんやりとした朝の空気も、澄み切っていて爽快だ。楽しい散歩道だった。
散歩中の景色…
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