物によって耐用年数の捉え方が変わっていませんか
皆さんはスマートフォンをどのくらいの感覚で買い替えていますか?
リンゴマークの新商品が出る度に買い替えている方もいらっしゃるそうですが、新商品に飛びつきたい方でなくても、3年くらい経てば、どこか不具合が出てきて買い替えているのではないでしょうか?
実際にスマートフォンの耐用年数がどのくらいかは分かりませんが、結構、高額な製品ではありますが、生活必需品ですので、しかたが無いのかもしれません。
では、家の耐用年数についてはどう考えていますか?
■耐用年数が短いとされるもの
1 水まわり備品
キッチンの水栓金具・加熱機器・換気扇、浴室のシャワー・換気扇、トイレの温水洗浄便座、など水まわり設備機器の本体ではなく備品に当たる機器は概ね10年前後が耐用年数とされています。
2 給湯器
ガス給湯器、石油給湯器、エコキュートなどは概ね10年前後が耐用年数とされています。
家庭用燃料電池、ハイブリッド給湯器、太陽熱利用給湯器、などはその精密さ故、もう少し短いかもしれません。
3 塗料
外壁や屋根の塗料で10年前後、
床下の防蟻塗料で5年前後、
屋外の木部(ウッドデッキなど)は1~2年前後、
で塗装の劣化が目立つようになります。
尚、塗装は施工方法などによって耐用年数が大幅に変わるため、上記はプロの施工による目安です。
■耐用年数が長いとされるもの
1 LED照明
白熱灯や蛍光灯から照明器具の主役を奪ったのがLEDです。
光源の寿命が20000時間とか40000時間とか言われていますので、圧倒的に寿命が長くなったような気がしますが、機器本体の耐用年数としては概ね10年前後です。
光らなくなったら、ランプだけではなく、
本体も交換した方が良いということです。
実は、本体の耐用年数としては、
白熱灯や蛍光灯も同じくらいだったのですが、
作りがLEDよりシンプルだったこともあってか、蛍光灯などはランプ交換をして長期間使用されていたケースが多かったですので、実際には昔の機器の方が長持ちしていたと思います。
2 サッシ
省エネブームにより、
サッシは断熱性能だけで判断されるようになり、
アルミサッシではダメ、
アルミ樹脂複合サッシでもダメ、
樹脂サッシで〇、
木製サッシで◎、
となってしまいました。
ガラスも、
単板ガラス(1枚)はダメ、
複層ガラス(2枚)でもダメ、
トリプルガラス(3枚)なら◎
となりつつあります。
昔の窓は木製で、手入れが大変、かつ、長持ちしないのでアルミサッシが登場したのですが、いつの間にか昔に戻りつつあります。
樹脂サッシも耐久性の高いプラスチックとは言え、アルミほどではありません。
また、ガラスの枚数の増加と共にサッシの重量が増大し、人力輸送ギリギリです。
新築時は良いですが、交換する時どうするのだろう・・・、
そんな心配は未来に丸投げしておけばいいのでしょうね。
きっと、どんな劣化も直す部材が開発され、どんな狭小・段差でも運搬してくれるロボットがやってくれるはずです。
3 軽い屋根
屋根は軽い方が耐震には良いということで、
昔ながらの波瓦から、平らで薄い化粧スレートや金属屋根へと屋根材の主流が移り変わってきました。
更には、国外から輸入された更に軽い屋根材(シングル葺き)も軽さと安さと手軽さから、爆発的に普及しました。
しかし、まるで屋根の下葺き材(ルーフィング)に細かな石をくっつけたようなシングル葺きの耐用年数は化粧スレート並み(20~30年)とも言われていますが、日光に直接当たらないルーフィングですら20~30年ほどの耐用年数と言われていますので、10~20年くらいが妥当ではないかと私は考えています。
日本の住宅事情では、屋根の葺き替えには相当規模の工事を伴いますので、頻繁なメンテナンスや葺き替えはランニングコスト増につながると思いますので、ご採用の際には注意が必要です。
■推したいものは長いと言いがち
省エネブーム、耐震ブーム、
の現在では、これらに関する物は積極的に推奨されています。
一時期の太陽光発電がいい例です。
何故か、メリットばかりが目立ち、補助金が出るなどして、どんどんゴリ推しされていきます。
その結果は、
未来にならないと分からないような、
今の時点でもある程度は想像がつくような、
そんな印象です。
採用するかは、全てエンドユーザー様次第です。