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お風呂は危険がいっぱいですよ
お風呂が恋しい季節になりましたね。
ついつい、お湯の温度を熱めに設定したくなりますが、急に体を温めすぎるのはかえって体に良くないのでご注意くださいね。
■浴室での事故はとても多い
1 ヒートショックはご存じですか
ヒートショックとは暖かい部屋と寒い部屋との温度差による急激な血圧変動が原因で、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす健康リスクのことです。急に体温が下がると血管を縮ませて血圧が上がり、逆に体温が上がると血管が広がることで血圧が下がります。心臓や血管に大きな負担がかかるため、身体に影響を与えてしまうのです。
「脱衣所とお風呂場」「寝室と廊下」「リビングとトイレ」など、温度差が大きくなりやすい場所を行き来する際にヒートショックのリスクが高まります。例えば、冬場、お風呂に入るときに衣類を脱ぐとブルっとするのも温度差が体に負担を与えるヒートショックの症状です。
2 急激な変化は体に良くない
衣服を脱いで体が冷たくなり、湯船に入って体が熱くなる、この温度変化の差を如何に小さくするかが体への負担を軽減するには重要です。
まずは、脱衣場や浴室を予め暖めておくことが大切です。
脱衣場に置き型暖房を設置したり、湯船のフタを開けて湯気で暖めたり、すればある程度室温が上がります。
次に、湯船の設定温度を低めに設定することです。
自分が入りたい温度の-2℃(42度なら40度)を目安にしておき、入浴後に徐々に温度を上げていけば、負担が少ないです。
給湯器本体にそのような機能があるタイプもありますので、交換の際にご検討してみてください。
3 浴室は段差の宝庫
現代のユニットバス、システムバスでは、一般的に脱衣場と浴室の床はフラットであることが多いです。
しかし、浴槽とは必ず段差がありますし、結構大きいですので、またぐ際に転倒などが起こりやすい場所です。
この段差の解消は困難なので、またぐ事が可能ならば手すりの設置がお勧めです。
また、またぐのが困難な場合は入浴同等に体を温めてくれるシャワーもございますのでご検討ください。
4 ユニットバスをお勧めする訳
近年では、お風呂と言えばユニットバス、システムバスと呼ばれるユニット型の浴室が主流です。
これらの最大のメリットは建築物の中に部屋(浴室)を造っているので躯体と接っしておらず、水漏れ等が発生した場合にも躯体へのダメージが少なくて済むこと、また、それらの修繕がしやすいこと、が挙げられます。
また、床壁天井に断熱材が設置されているので、外気の影響を抑えることが出来るため、室温の低下を軽減出来る点もお勧めのポイントです。
浴室換気暖房乾燥機も設置すれば、ヒートショック対策としてかなり有効です。
5 浴室に窓を付けないのがトレンドらしい
浴室、トイレ、脱衣室、と現代の戸建て住宅から次々と窓が失われています。
入ってくる自然光が少なく、室内だけ見ると、まるで集合住宅のようです。
コスパやら数値追求やら、窓を失わせる理由はいろいろとありますが、
数値では表されない息苦しさ、重苦しさ、閉塞感、空気の澱み、を私などは感じてしまいます。
と言うか、窓が少なくて暖かい住環境を望むなら、
集合住宅の方が圧倒的に性能が高い(部屋に囲まれているという分厚い壁、床、天井があるから)のですから、古い考えも捨てがたい私には
「家の選択を間違えているのではないか」
と感じますが、トレンドなので、収まるまでしばらくかかるでしょう。
なお、決して集合住宅がどうこうということではなく、
むしろ、集合住宅は人力での移動は水平方向のみですから、戸建てで言えば、平屋建てのようなものですので、バリアフリーの観点から考えれば、事故の軽減にもつながる可能性があります。
とにかく、お風呂は安全を第一に考えてもいいくらいの空間だと私は考えています。