収納を工夫した家は住みやすいのか?
家中に所狭しと収納を造作した家があります。
カリスマ〇〇、家事○○、など、収納のプロ(?)のような方々が家を設計した家なんかもそうですね。
しかし、最初からギチギチに作り込まれた収納をあなたはうまく使いこなせるでしょうか?
■収納って難しいのか?
1 収納が得意な方の意見は参考になるのか
メディアに取り上げられているような収納を得意とする方々は、一般の方よりも収納について考えている時間も多いですし、自他の家での実践も多いので、その方々が造る収納を考えた家って住みやすいのではないかと想像してしまいます。
しかし、そうした方々はそもそも物を納めることが得意ですので、収納の活かし方がとてもお上手です。
そうした方々は、自分の理想の収納と言うのが思い浮かべることが出来るので、初めから自分の思う通りに作り込んだ収納、いわゆる、上級者向け収納を最大限に活用することが出来るのだと思います。
一方で、一般の方にはそうした上級者向け収納は向き不向きがあります。
使っているうちに慣れれば良いですが、うまく使いこなせず、持て余してしまうケースも多々ありそうです。
2 どんなに工夫しても収納量には限りがある
収納量を最大限増やすために、工夫を凝らし、目一杯の体積を使ったとしても、凡そ、収納量は面積で測ることが出来ます。
そもそも体積をギチギチに収納しても使えませんので、ある程度は余裕を持って物を納めた方が余程使いやすいです。
収納を検討するにあたり、現在、どのくらいの面積を収納として使っているかを把握すれば、新居やリフォーム後の収納の過不足がある程度は分かります。
例えば、1帖の押入3つ分の収納を使っているご家庭ではクローゼットやWICにしたとしても、およそ3帖程度の収納が無いと現在の物をそのまま納めることは難しいということです。
3 未利用空間の収納はとにかく使いづらい
「収納が足りない」
というのはどこのご家庭でも良くあるお悩みです。
どうにか収納を増やそうと、床下を収納にしてみたり、壁を凹まして棚にしてみたり、天井裏に収納を設けてみたり、いわゆる未利用の空間を収納として活用することを推奨する専門家もいますが、
確かに、単純な収納量は増えますが、これらの収納は使い勝手が必ずしも良いとは限りません。
むしろ、使いづらいなどの理由から、
一度物を入れてしまったら、二度と取り出さないままになってしまっているケースも多いです。
ハシゴで上り下りする小屋裏、天井裏収納などは特に物の出し入れが困難なため、設置したがたいして使用していないというお話しをよく聞きます。
一例として、
和室の押入の上にある天袋に何が入っているか覚えていますか?
全くの不要とは申しませんが、こうした未利用空間を収納とする場合には、
使いづらいことを承知の上で収納を造るということで、
「何を収納するか」
をはっきりと決めておいた方が良いと思います。
■収納づくりのコツ
1 初めに造り込まない
新居に最初から馴染める方はごく稀です。
だいたいは、月日の経過と共に馴染んできて、使い勝手が分かってきます。
これは収納も同じです。
初めからバッチリ出来上がった収納がある場合、
「使うというよりも使わされる」
ことが良くあります。
ある程度は、暮らしに慣れていく中でカスタマイズ出来る余裕、空白、伸びしろ、がある方が長く使いやすいのではないかと私は考えています。
2 一ヵ所に集めない
最近の傾向として、大きな収納を作りがちだと感じています。
収納する場所を収束した方が片付けが楽になるような気がするかもしれませんが、大きな収納の場合は、余程、うまく空間を利用しないと、ただの物を詰め込んだ部屋、文字通り、物置(ものおき)になってしまいがちです。
部屋の奥から物を置いていき、だんだんと手前に置いていく過程で奥の物が取り出しづらくなり、その内に放置されるようになります。
大きな収納は使い方をよく考えた上で配置するのがお勧めです。
3 収納限界を把握する
収納から物が溢れてきたら、
それは、収納の限界を超えてしまっているということです。
それ以上は決して収納することは出来ず、
その後増えた分は全て溢れ出すことになります。
溢れた段階で物の数・量を調整すればギリギリセーフ、
ここで立ち止まれなければ、あとは、歯止めは利きませんのでご注意ください。
理想的には、
食欲と同じで、腹八分目、
収納も8割くらいまでで、2割は余裕があると、
我慢せず買い物などで物を増やすことが出来ますよね。
4 目安は廊下・階段
物が超過してきたサインとして私が見ているのは、
物が玄関、廊下、階段、などに置かれているかどうか です。
人間が通路として利用する場所に物を置かざるを得なくなってきたら、
要注意サインです!!
災害時の避難の妨げにもなりますので、
なるべく早急に解消することをお勧めいたします。
■最後までお読みいただきありがとうございます
収納が少ないと感じても、物を増やさなければ納まるかもしれません。
要は、どれだけの物に囲まれて暮らしたいか、だと思います。