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高いところに登りたくなる気持ちって分かります?

建築現場で働く全員が高い所が得意だと思っていませんか?

そんなことはありませんし、
まず、私自身が高所恐怖症です。

でも、高い所に登るのが嫌いなわけではありません。
私の場合の登りたいか、登りたくないかの基準は、
「構造がしっかりしているかどうか」 です。

皆さんは高い所は好きですか?


■住宅の高いところのお話し

1 屋上には上がっていますか?

建築物の最も高くて上りやすい場所と言えば「屋上」ですが、
屋上ってどんなイメージがありますか?

  • 学校の屋上・・・青春の一ページ

  • デパートの屋上・・・ちょっとしたテーマパーク

  • マンションの屋上・・・室外機や貯水槽などの置場 

都市部では戸建て住宅でも屋上付きの住宅がありますが、夏のビニールプール、天体観測、花火鑑賞、などは最初の1年目くらいで飽きてしまうという話しも聞きます。

屋上には屋根が無いので、微妙な天気の日などには洗濯を干すのも躊躇するということで、全く使われていない屋上あるそうです。

戸建て住宅のフラットな屋上って普通の勾配屋根よりも防水のメンテナンス頻度が短くて、ランニングコストは掛かるし、雨漏りのリスクも高いし、遮熱や断熱の面でも勾配屋根よりも不利だし、使わないなんてもったいですよ!

2 屋根に上る人もいるらしい

弊社のお客様の中には、自前のハシゴで屋根に上がる方がいらっしゃいます。
流石に、1階の屋根だけのようですが、
毎年、この時期になると雨樋に詰まった落ち葉を取り除くために屋根に上るそうです。

私たちでさえ、ハシゴで屋根に上がるには安全に十分に配慮して、複数人で行いますし、作業をするとなれば、足場を設置して行います。

自分一人でハシゴで登って作業すれば、時間もお金も省けるでしょうが、何かあっては取り返しがつかないので、前述したお客様には「やめた方が良い」とお伝えだけはしました。

なお、
素人や突然訪問してきた人間を屋根には上がらせてはいけません!!

3 ロフトには上がっていますか?

ロフトや小屋裏収納など、屋根の勾配の未利用空間を活用している家は結構多くあると思います。

しかし、
使われていない形跡があるお宅があまりにも多いとも感じています。

なぜ、使われていないか・・・

まず第一に、上り下りが面倒 であることが挙げられると思います。

特にハシゴが設置されているケースではの傾向が顕著であり、小屋裏収納+ハシゴの場合には、納められた物たちは二度と部屋から出てくることが無いかもしれません。

次の理由としては、暑い・寒い ことが挙げられます。

ロフトなどは本来は小屋裏になる場所を空間として利用していますので、日差しがガンガンにあたる屋根のすぐ真下にいることになり、対策していないロフトでは夏場は暑くてとても過ごせません。

逆に冬場は、暖かい空気は部屋の床付近に溜まってしまうので、寒すぎて、やはり使えません。
春と秋は良いかもしれませんが、現代の日本では四季はほとんど機能しておらず、夏と冬が長いので、自ずと、使えない期間が延びてしまい、そのまま通年で使わなくなっているのかもしれません。

4 吹抜が汚れ放題になっている

一時期、「吹抜」が流行りましたよね。
住宅展示場のどこのモデルハウスを見ても吹抜、吹抜、吹抜、とこれでもかと天井の高さをアピールしていたものです。

最近の窓が小さくて少なくて、天井高も抑え気味の暗くて重苦しい性能値追及住宅とのギャップが半端ないです。

それにしても、吹抜を設計するにあたっては、
照明器具やシーリングファンの交換、カーテンブラインドの交換、高所の清掃、など一般的な住宅では必要のないことが起こることは理解していたはずですが、ある程度、時間の経った吹抜付き住宅で動かなくなったファンや埃がたまりにたまった化粧梁などを見ると、現実となると難しいのだと痛感します。

「広すぎて、なかなか温まらない」

という吹抜あるあるまで出てきたら、返す言葉も無くなります。

吹抜の手入れ等については、基本的には高所作業となるため、室内用の足場や特殊な脚立・ハシゴなどを用いてプロの業者が施工することになりますので、費用が掛かることを念頭に予算を計画しておくことが望ましいです。

また、吹抜の冷暖房については、機器の選定の際に、床面積ではなく、吹き抜け部分の面積も足した容量、エアコンなら200Vタイプなどを選ぶことや、シーリングファン、サーキュレーター、床暖房、ファンヒーターなど、対流や補助暖房などを併用するのが望ましいです。

■最後までお読みいただきありがとうございます