はっきりと「NO」と言わないとダメ
最近も強引な(巧みな?)営業でやりたくもないリフォームを実施してしまったという方のお話しを聞くことになってしまいました。
同じ業界の人間と言うだけですが、胸が痛みます。
こうして、また、信頼が下がっていくのですね。
実際の所、私が一人で憂いていても、全く改善する兆しはありません。
皆さまがはっきりと「NO」と言っていただくしかありません。
■こんな悪質リフォーム事例がありました
1 キッチンがいつも新しい
その方のお宅は家の築年数の割にキッチンだけが小奇麗な印象がありましたので、お話しの自然な流れで
Q 「最近、キッチンをリフォームしたのですか?」
とお尋ねしました。
すると、
A 「キッチンをリフォームしたのは4回目です」
との衝撃の回答でした。
どう見ても築30年前後の住宅で4回もキッチンをリフォームするなんて初めての経験でしたので、
Q 「何かあったのですか?」
と追加でご質問したところ
A 「付き合いのある不動産業者にリフォームした方が良いと勧めらた」
とのご回答がありました。
築30年くらいで4回もキッチンをリフォームするようなことを勧めるとしたどんな状況なのかは想像がつきませんでしたので、おそらく、詐欺とは言いませんが、カモにされてしまったのだと感じました。
他の箇所も何度もリフォームしていそうな感じでしたが、それ以上は気の毒でお聞きできませんでした。
2 屋根が割れています
これぞ「THE建築詐欺」の代表格と言えるのが屋根です。
突然訪問してきて、屋根が割れているとかずれているとか言ってきて、無料点検や修理を提案し、結果的には高額な修繕費用を請求されるという例のやつです。
今回の事例では、屋根の一番上の棟と呼ばれる部分の端っこ(鬼瓦)がズレているものでした。
それは危うく屋根に上がらせてしまう所だったそうですが、知り合いを通じて弊社にご連絡いただき、ご訪問することになりました。
実際には地上からではずれている事は確認できませんでしたので、その時点で詐欺確定でした。
その現場は、実際に2階の天井に雨漏りの兆候が見らるそうですが、鬼瓦の位置とは全く異なる場所であるので鬼瓦をいくら直しても雨漏りは直らないことは分かりきっていました。
ちなみに、屋根の状況から見て、屋根の葺き替えが必要だと判断するような状況でしたので、屋根に上がるまでもなかったです。
■きちんと相談出来る相手ではないの?
1 早めのリフォームは悪くはないが
キッチンの事例で言えば、頻繁にキッチン本体を交換すること自体は悪いことではありません。
使い勝手が悪いと感じたり、違う使い方がしたくなったり、すぐに交換したくなることもあると思いますが、採用の前に、じっくりと検討出来ていなかったのだろうとは感じます。
本当のプロとは、不要な工事を強引に実施させるのは論外として、お客さんが長く安心して住まうことが出来る家を造ることが最も重要な使命だと私は考えていますので、こうした頻繁に同じ工事を行うことは私の信条には反します。
2 ネット社会は何でも自己責任なのか
昔は株式や投資信託などの投資を行う際には、証券会社などの投資のプロを通じて取引を行っていたので、多少はプロに相談しながら投資が行えたのではないでしょうか。
一方、インターネット上で誰とも一切話すことなく投資が行える現代では、手数料を払わず(または少額)に様々な投資の取引を行える半面、全てが自分で判断する必要があります。
これは建築業界でも同様です。
ネットの口コミなんて誰でも無責任に書き込めるものですので、
これらを信頼することは全く出来ない中で、
何を根拠に建設会社を探していくかは人それぞれ、
つまり、全て自分で判断するしかありません。
昔ながらの地元業者、地域密着業者、友人・知人からの紹介などのアナログなつながりが激減していく中では、ますます判断が難しくなっていくと思います。
それを求めたのは社会全体ではありますが、
あまりに難しくなり過ぎてしまった気がしますので、その中で、
少しでも選択ミス、判断ミス、など失敗が減っていく一助になればと、情報発信をし続けたいと思います。