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自分で電柱を立てておいて邪魔にするなんて
欧米では街の景観を意識して電柱・電線の埋設化が進んでおりますが、日本でも、一部地域で電線の無い街並みが見られ始めています。
電柱は日本全国に数えきれないほど立てられていますが、
街の景観で言えば、
伝統的な街並みを全く無視した無機質なコンクリートや鉄の建築物をこれほど建てておいて、電柱・電線だけは邪魔にするという感覚が私には理解出来ません。
いっそのこと、建築物も全て埋設してしまえば、地球の景観はずっと良くなるかもしれませんよね。
■電線を埋めるとどうなる
1 空がスッキリと見える
電線が空を覆いつくすような光景はあまり見たことがありませんが、多少は空を塞いでいるとも言えるかもしれません。
電線があるような人間が多く暮らす地域はそもそも建築物も多いのですから、空がどう見えるかどうかということを考えること自体が意味が良く分かりませんが、電柱・電線だけが邪魔に感じるという考えもあるのかもしれません。
その考えでいけば、地中埋設することでスッキリとしますね。
2 さてデメリットは何でしょうか
圧倒的なデメリットとしては、
メリットである 災害時の復旧の速さが失われること だと私は考えます。
電気、ガス、水道のライフラインの内、地震などで停止したライフラインが普及するまでの速さは圧倒的に電気が早いのですが、
それは、地中に埋設されていない からです。
とは言え、電線の埋設化はごく最近のことですので、
実際には、災害に強い施工が行われ、破損個所の把握も容易で、復旧も迅速に行えるようになっている、
とは思いますので、私の固定概念であろうと信じています。
しかし、その工事には電柱を設置するのとは比較にならないほどの莫大な費用が掛かりそうな印象ですので、その費用が電気代に上乗せされない事を祈るばかりです。
3 新規の引き込みがちょっと大変
水道管やガス管を敷地内に引き込んだり、古くなった配管を取り替えるには、道路を掘削しなければなりません。
本管だけの工事であれば、自治体やガス会社などが行いますが、敷地内への引込工事などの費用は概ね自己負担となります。
施工したご経験がある方はご存じでしょうが、安くない費用が掛かりますよね。
一方で、
電気の引込みについては、そんなに多額の費用が掛かったという印象は無いと思います。
道路掘削などの工事内容の違いが顕著に表れた結果が価格だったのですが、電線を地中埋設するということは、道路掘削などの工事が必要となるため、これまでのような費用では引込めないものと考えられます。
具体的には、
弊社でもまだ事例が無いので算出したことはありませんが、予算増につながる要素として理解しておくべきことだと考えています。
ちなみに、
自宅での配線、配管なども視覚的な理由で見えないように施工することにこだわる方がいらっしゃいますが、その場合、不具合の発覚が遅れることやメンテナンス費用等の増加の可能性が高まることは理解しておいてください。