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サイズ感がおかしいのではないか

「家はただただ広い方が良い」

という憧れを持っている方もいらっしゃると思いますが、
家事を担う方からすると、

広い家=掃除が大変な家

になりますので、必ずしも歓迎出来るものではないかもしれません。
人によって、ご家庭によって、必要なサイズ感ってあると思います。


■そんなに大きいものが必要ですか

1 大きな収納が欲しい

納戸、シューズインクローゼット、ウォークインクローゼット、ファミリークローゼット・・・、色々な名称の収納がありますが、
一般的に、国土の狭い日本では、首都圏など中心に土地の価格が高く、広い敷地を所有するのが困難です。

そのため、敷地面積に対する建物の建蔽率・容積率いっぱいに家を建てることは珍しくありません。

そうして、目一杯建てる住宅においても収納への執着が非常に強く、居室を圧迫してでも収納を増やす傾向にあります。

つまり、それだけ「物を増やしたい」というご要望が多いということです。

戦後の物が不足していた時代を生きてきた方々の場合は、何となく、そうした気持ちになるのも分かるような気がしますが、今でも、それが継続している事から考えると、国民性という面もあるのかもしれないと感じています。

ただ、収納については、
大きい収納はあまりお勧めしていません。
なぜなら、容量が大きい収納は使い勝手が悪く、収納している物の管理もしづらいからです。

一度収納してしまうと、奥の方の物へ目が届かず、使わずにいたり、同じものを複数購入してしまったりと、無駄を誘発することさえあります。

それと、小屋裏や床下などを収納とする場合、
物の出し入れがしづらいなど、考えている以上に使い勝手が悪い場合があるのでご注意ください。

収納を増やしたいなら、使う場所の近くにコンパクトな収納を造る方がお勧めです。

2 大きなバルコニーが欲しい

土地の広さに制限がある日本では、洗濯物干しと言えばバルコニー、が一般的でした。

他にも、くつろぎの場として、家庭菜園の場として、庭のように使おうと考えて広いバルコニーをお造りになったご家庭も多いと思います。

広さはともかくとして、
どこのご家庭でもバルコニーは設置されていると思いますが、
実際には、洗濯物干し以外に使用しているご家庭はとても割合が少ないように思います。

最近では、埼玉県でも夏が暑くて長く、冬も非常に寒くなってきており、バルコニーで何かしよう考える事はほとんどないと思います。

そうなると、洗濯物干しをするだけのスペースとしてのバルコニーはその広さが適切でしょうか?
広すぎるのではないでしょうか?

建築と一体となったバルコニーは防水のメンテナンスが必須ですので、
メンテナンスするのがもったいないと感じないように、使い尽くしてあげてください。

3 大きなお風呂が欲しい

戸建て住宅のお風呂と言えば、
昔は、タイル張りのお風呂
今は、ユニットバス・システムバス
になりました。

システムバスのサイズのラインナップとしては、
0.75坪、1.0坪、1.25坪、1.5坪
がレギュラーサイズです。

メーターモジュール住宅対応やマンション対応のサイズもあります。
お風呂好きの日本人は、お風呂へのこだわりも強く、それらの要望に応えるべく、住設機器メーカーの商品開発は毎回関心しております。

そのため、リフォームなどでお風呂を選ぼうと考えると迷ってしまいますよね。

しかし、その中であまり迷いが少ないのがサイズです。
リフォームの場合には、間取り変更しない限りは既存のお風呂のサイズを踏襲することになりますので、選ぶまでもありません。

一方、新築においては自由自在です。
ですから、大きなお風呂も造り放題です。

1.0坪タイプならおよそ2帖
1.5坪タイプならおよそ3帖
の浴室です。

あくまでも〝浴室〟の大きさであり、
浴室の半分が浴槽ではない点にご注意ください。

ちなみに、浴室は広くなるほど温まるまで時間が掛かり、浴槽が広くなるほど使用するお湯の量が増えます。

4 大きな窓が欲しい

最近は日本人でも180cmを越える身長の方が増えていますので、
昔ながらの6尺の建具では頭をぶつけてしまうことがあります。

現在は2mの高さのドアが一般的になりましたが、「ハイドア」と呼ばれる天井付近まで高いドアもございますので、お好みに合わせたサイズをお選びください。

窓についてもサイズが色々とございます。
流行的には、小さく開けづらい窓が流行っておりますが、
一方で、明るく開放的な暮らしを希望する方もいらっしゃいます。

しかし、窓が大きくなるほど防犯性も考慮しなければならないので、シャッターや雨戸等の設置もセットで考える必要がありますので、サイズ増以上のコスト増を見込んでおくことが望ましいです。

ちなみに、幅が2mを越える窓に設置するシャッターは手動で上げ下げするにはそれなりの筋力が必要ですし、高さが2mを越える窓のシャッターを上げ下げするにも身長と筋力が必要です。

尚、操作に力が不要ではありますが、電動シャッターにすると更なるコスト増になります。

5 高い天井

体積の大きさで言えば、天井の高さも色々とご要望があります。
なかなか低い天井をご要望されることは少ないので、高い天井をご要望されることが多いです。

その最上級とも言えるのが「吹き抜け」です。
2フロア分の天井高ですので、5mを越えます。

単純に体積が2倍になりますので、かなり、明るくて、開放的な空間になります。
しかし、一方では、広すぎて冷暖房効率は格段に悪くなり、特に、冬場はファンなどを採用しても、暖めた空気が上方にたまってしまうので、稼働時間は長めになります。

6 大は小を兼ねるとは限らない

大きい物を選ぶことで得られるメリットは大きいですが、多少でもデメリットの存在するということも理解しておくと良いと思います。

そして、「こんなに大きいものはいらなかった」とならないよう、
可能ならば、
実物の確認などによるチェックをしておくと良いと思います。

■最後までお読みいただきありがとうございます