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子どもの声が聞こえないのは【家】のせい?

お子さんたちが屋外で遊んでいる風景は珍しいものになりましたよね。
お子さんたちが昔より忙しくなったこともありますが、
お子さんたちにとって屋外が危険な場所になってしまった、
ということもあると思います。

それって社会のせいでもあるでしょうが、
家のせいでもあるのかもしれません。


■時代は変わりました

1 家にいても友達と遊べる通信技術

昔はゲームでもお友達の家に集まらないと一緒に遊べませんでしたし、携帯電話なんてものもありませんでした。

しかし、現代は家にいながらにして友達だけではなく、世界中の方々と同じ時間を共有することが出来るようになり、出かける必要が無くなってしまいました。

会話も文字で出来ますので、声は出す必要がありませんね。

2 公園は危険な場所

不審者情報などが発表される場所として、良く「公園」が出てきます。
子どもたちが集まりやすい場所に不審者も集まってくるのかもしれませんが、そうなると、子どもたちを遊ばせづらくなりますよね。

かと言って、
誰かの自宅で遊ぶにしても両親不在である場合は、やはり遊ばせづらいですし、安心して遊ばせられる遊び場が少ないのが現実です。

3 大人が見守れない

昔は、「地域で子どもたちを見守ろう」という風潮が多少はありましたが、現代では地域の繋がりなどはほぼ無く、
近所にどんな方が住んでいるかすら知らないというのが現実です。

しかも、良かれと思って起こした行動がトラブルにつながる事例も多く、多くの場面で親切や善意の行動は消極的になっています。

ですから、大人がいても頼れない、大人も手助けできない、
状況のため外では遊ばせられない社会になってしまったのだと思います。

■子どもの声が聞こえない社会っていいのでしょうか

1 大人の目の届く所にいてほしい

安心のためにも大人の目の届く場所に子どもがいてほしいという気持ちはとても良く分かります。
子どもたちが携帯電話を所有していたとしても、必ずしも安心できるとは限りません。

ですから、家にいてくれることが最も安心できるのですが、
それでは子どもたちの未来の可能性を狭めてしまわないか、
とも考えてしまいます。

見守る「大人」が家族だけだとしたら、家にいてもらうしかありませんので、少しでも輪が広がってくれればと思うのですが、地域の繋がりをバッサリと絶つ方が多い現代では難しいのかもしれませんね。

2 遊ばせてもらえない

屋外が安全だったとしても、次に問題になるのが、子どもの声を「騒音」と捉える問題です。

幼稚園、保育園の新設を反対したり、
運動会にクレームを入れたり、
公園にたくさんの禁止事項を作ったり、

とにかく、
子どもが外で声を出せる環境は減り続けているように感じていますので、少子化は政府の政策が不十分だとか、将来が不安だとか、の前に社会が受け入れていないのが原因なのかもしれませんね。

■少子化と住宅の関係

1 住宅ローンで子供を安心して育てられる余裕が持てない

耐震性や省エネ性は法律によってどんどん基準が上がっているので、昔より安心して暮らせる住宅は増えましたが、耐久性などについては、それほど変わりはありません。

つまり、造っては壊し、造っては壊し、のコスト重視な短寿命住宅はまだまだたくさん増えています。

しかも、建て替えではなく、土地から購入して新しい住宅を建てるため、
いくらローコストの住宅だったとしても土地購入費がありますので、
住宅ローンの借入額はそれなりの費用になることが多く、
月々の支払額も家計の大きな割合を占めることになります。

そして、
ローンを払い終わったころには建て替えの時期が到来し、
次の世代が建て替えの際に新たなローンを借り入れ、
ローンが払い終わったころに建替えて、
次の世代が・・・、
と世代を超えて住宅ローンを借り入れ続けることになってしまい、
住宅以外へのお金を掛けづらくなっています。

そんな中で、「子どもをもっと生もう」とはなかなか考えられないのではないでしょうか?

2 大きな住宅が建てられない

住宅の性能基準がどんどん上げられ、更には、物価高、人材不足などによって建設コストは上がり続けています。

そのため、
新たに建てられる住宅の床面積はどうしても抑えがちになります。
しかも、
増築が難しい時代となり、家を大きくしづらい状況になっています。

昔のように、家族の人数分の個室が必須ではなくなったとは言え、自宅で窮屈に感じない人数で暮らしたいと考えるのが一般的ではないでしょうか?

家に合わせて、家族の人数、お子さんの人数も考えるご家庭もあるのではないでしょうか?

また、「ファミリー向け」
と言う標記が想定する人数が昔よりも減っているのかもしれません。

都心部から離れた地域であれば、
様々なファミリーに対応出来るサイズの中古住宅がたくさん余っているのでしょうが、なかなか、マッチングはうまくいかないようです。

■最後までお読みいただきありがとうございます

「家は一生に一度の買い物」
だとは昔からよく言われてきましたが、今の時代はご自分やご家族の状況に合わせて住み替えることで、「家に合わせる」のではなく、「家を合わせる」ことが出来るのではないかと思います。