災害時でもサバイバルする訳ではない
「災害に備えた住宅を建てよう」
とお考えになる方は多いと思いますが、どこまでの想定をするでしょうか?
■災害への備えはどこまで必要か
●未曽有の災害にまで備えるのか?
大手ハウスメーカーなどでは、地震だけではなく、洪水などの大規模債がなどへも対応した住宅を販売しています。
災害については、過去の歴史はことごとく塗り替えられてきましたので、備えすぎる事はないかもしれません。
しかし、個人で備えられることには限界があります。
恐れすぎて、完璧な備えを追求するの良いですが、まずは出来ることから備えていくのが良いと思います。
●ライフラインの心配はし過ぎてもしかたがない
電気、ガス、水道、灯油、などのライフラインは私たちの暮らしに欠かすことが出来ません。
災害の規模によっては、これらの供給が長期間停止されてしまうこともあり得ます。
その為、電池や卓上用ガスボンベなどをストックしているご家庭も多いと思いますが、数日ならともかく、数週間~数ヵ月となった場合には流石に自前では間に合わないでしょう。
また、災害に備えて、太陽光発電を設置したり、ガスをプロパンガスに切り替えたり、色々と対策を講じている方もいらっしゃるかもしれませんが、それらも万全の対策とは到底言えません。
太陽光発電は蓄電設備などが無ければ、災害時には応急処置的にしか電気は使えませんし、
プロパンガスはボンベが自宅にあるのでガスは使用できますが、給湯器などは電気が無ければ稼働しませんので、ガスだけでは使用できません。
余裕があるならば、備えた方が良いですが、それよりも前にやっておく身近な備えがたくさんあるのではないかと思います。
●優先すべき備えとは
まずは、河川との距離や海抜などにもよりますが、一般的には多発している地震への備えが優先されると私は考えています。
据置家具の固定
ガラス扉などの飛散防止
家具の扉開閉防止
など、家具や建具、家電などの転倒防止、割れ物の飛散防止、地震時の物の散乱防止、がすぐに対策できる備えです。
これらを添えておかないと、緊急時の避難の妨げになり得ます。
●ストックはどこまで必要か
自治体の指針や災害マニュアルによって異なりますが、
支援などが届くまでの少なくとも 一週間 程度暮らせるほどの日用品、食料品を備えることが推奨されています。
「たくさんあっても困ることはない」
とのお考えで多量のストックを家中に保管している方もいらっしゃるようですが、日常生活に支障が出ないようにうまく調整していただければと思います。
●家づくりの考え方
家を建てる前であれば、耐震性の高い住宅や制震・免震などの機能を付加した住宅を求めることも出来ます。
また、土地から購入する場合には、その土地の地形や来歴から地盤の良い土地を選ぶことも出来ます。
ご自身で所有する戸建て住宅にお住まいの場合には、耐震診断・耐震補強により、自宅の状況を把握し、(築年数や現況にもよりますが)耐震性を補強することも出来ます。
新しいから安全、古いから危険とまでは必ずしも言えませんが、
一般的には新しい住宅の方が耐震性が高いです。
建築時期によって耐震性の基準が異なるため、如何に腕のいい大工さんが建てたとしても昔ながらの勘や経験だけで建てた住宅が安全とは限りません。
心配ならば、自治体などの耐震に関する窓口やかかりつけの工務店に相談してみてください。