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バランスが悪い家とは

住宅の耐震性と聞くと、
ガチガチに固めた方が強そうな印象があるかもしれませんが、
実際には、
建築物の構造はただ固いことよりもバランスの方が大事です。

他にも、住宅にはバランスが大事なことがいくつかあります。


■バランスを見ながら家を造る

1 構造のバランス

一般的な木造住宅(木造軸組工法)では、
耐震性は主に「壁」で計算されます。

筋かい、耐力面材(構造用合板など)によって耐力壁と呼ばれる壁を造ります。

これをたくさん入れれば良いと言う訳ではなく、
東西南北にバランス良く配置することが重要です。

最も良くないのが、
非常に強い方角と非常に弱い方角を造ってしまうことです。
そのことで、地震などの揺れによる負荷が弱い箇所に集中してしまい、建物を倒壊、損壊させてしまう可能性があるからです。

日本の住宅で例を挙げると、
日当たりの良い南側に大きな縁側などが設けられており、一面が開口部ばかりになっている住宅がありますが、壁が少ない、または、全く無い面がある木造建築はそこが耐震的に弱点になります。

ビルトインガレージなども同様ですので、補強とセットで考えるのが望ましいです。

2 温度のバランス

暖かい空気は上に溜まり、
冷たい空気は下に溜まる、
と言うのは一般的な認識だと思いますが、
それならば、
吹抜のある空間が温度的にバランスを取りづらいことはイコールにならないのでしょうか?

時々、プライベートで、
吹き抜けのある家に暮らす友人・知人から、

「冬になると寒くてしかたがない」

という相談?愚痴?を聞くことがありますが、

「吹き抜けがあるのだから、それは当たり前のことだと思うけど、何も対策はしていないの?」

と尋ねますが、していないとのこと。

エアコンだけで吹き抜け空間を快適にするには、せめて、上位機種か空間よりも容量の大きな機種にするしかないと思います。

他にも、家をとにかく細かく区切っている場合も暖かい部屋と寒い部屋がバラバラになります。
欧米のようにエネルギー消費を無視して全館空調を稼働させ続ければ、それも解消されますが、光熱費には驚かされることになるかもしれません。

3 色柄のバランス

家を建てた方はご存じだと思いますが、
家を造る上で選ぶことが出来る色や柄って、たくさん種類がありますよね。

「この中から決めてください」

とサンプルやカタログから決めていったと思いますが、
2~3色ならまだしも、
20~30色、20~30種、などザラですので、
とても悩んだのではないでしょうか?

種類が多い中から選ぼうと思うと、
何となく、たくさんの種類を選びたくなることがあると思います。

そして、出来上がり・・・、
ご満足なら何も問題ありません。

「ちょっと、色がうるさかったかな」、ならまだセーフです。

色がガチャガチャして落ち着かない
自宅が巨大なサンプル帳になったみたい
ここに暮らしていたら酔いそう

なんて事を感じるようだと残念ですね。

しかし、選んだのは自分たちなので、ゆっくりと慣れていけばいいですが、早速、リフォームするかになってしまうのは残念では済まなくなりそうです。

選択する際に、バランスを見ずに突き進んでしまうと、時々起こり得ますので、別の視点でも見られるといいですね。

4 コーディネーター、アドバイザーの役割

カタカナの役職?職種?の方々に限らず、家を造る際には、助言や提案をしてくれる家づくりのパートナーがいる場合があります。

最近は、
人材不足、経費削減、人件費削減、工期短縮、などで省かれることが多くなっているようですし、中には、全部、施主任せのケースもありますが、
自分たちがどちらを望んでいるかによって、
自分の意志だけで造りたいのか、
自分以外にバランスを見てくれる人と一緒に造りたいのか、
を考えるのも大切です。

それによって、道筋が変わりますので、出来上がる家は大きく変わります。

もう少しすれば、全部、AIが対応してくれるのかもしれませんが、
今はまだ人間のパートナーが必要な部分です。

■最後までお読みいただきありがとうございます

構造以外はバランスが悪くても致命的ではありません。