今が一番いいと思える家
形あるものは必ず経年劣化しますので、
「新築住宅のピークは引渡し直後」と言えると思います。
インターネット上で調べてみると、不動産市場での価値としては、
築20年~22年くらいで住宅の価値は限りなく〝ゼロ〟になる
そうです。
あなたは今、自宅にどのくらい価値を感じていますか?
■価値のある住宅とは
1 売買目的の住宅ではありません
住宅ローンと言うのは、住宅ローンの借主が居住するための住宅を建てる、買うことを目的としたローンですので、基本的には、売買目的や投資目的としては使用できません。
ですから、高く売れるような住宅を建てようという考えを持って家を建てる方は少ないとは思いますが、出来れば、みるみる価値が下がるような事にはなってほしくはないですよね。
2 価値になりそうなポイント
住宅全体または部分の耐用年数が長い
性能が高い
公的機関の認定、認証を受けている
などは、市場では価値として認められやすいポイントだと思います。
一方で、匠の大工が施工した、とか、
老舗工務店が施工した、とか、
デザイナーズハウスだ、とかは
お好きな方にしか響かない可能性があります。
3 「性能が高い」は時代によって価値が変わる
数十年前に建てられた立派な住宅であっても、現代の基準で見ると性能が低いと評価されてしまうことは珍しくありません。
古民家住宅が良い例です。
立派な木材をふんだんに使い、100年以上の存在し続けたとしても、住みやすいか、安全に暮らせるか、と言ったら微妙です。
基準は常に更新され続けていますし、
古民家が価値を認められていることから考えても、将来、性能が価値がどのように評価されるかは私には分かりません。
「性能が低いよりは高い方が良い」くらいだったら残念ですよね。
4 耐震は大事になる
性能の面で言えば、耐震性については、
地震国日本では、必須の性能であることは変わらないと思います。
ただ、耐震性についても、度々基準が更新されていますので、
過去の基準を満たしていたとしても、必ずしも高く評価されるとは限りませんが、古い家であるほど、何らかの基準をクリアしていることは最低限必要な要素になるかもしれません。
5 素材にこだわっている
住宅において、耐用年数を大きく左右させるのが「素材」です。
素材によって経年劣化、経年変化には大きな差が生じますので、住宅の価値に大きく影響を与えると考えられます。
分かりやすい所で言えば、屋根材です。
昔ながらの瓦屋根は他の屋根材よりも耐用年数が長く、メンテナンス費用も抑えられます。一方で、重量が大きいため、耐震性には不安もあります。
最近よく見かける、アスファルトシングルや化粧スレート葺き屋根については、メンテナンス状況にもよりますが、耐用年数が短いので売却時には葺き替え等の時期に達している場合もあります。一方で、軽量なので耐震性は有利です。
他には、無垢材(本物の木)は古民家でも多用されていますが、耐用年数が長くいのが特徴ですが、長く使用されているものほど、風合いが良くなったり、艶が出たり、強度が上がったり、価値が上がる変化が起こりやすいのも特徴として挙げられます。
その価値が見直されて来たのが古民家ブームにつながっているのではないかと考えられます。
ただし、
無垢材も千差万別ですので、無垢材=良品、とは限らない点にご注意ください。
6 壊しやすいこと
同じくらいの大きさの木造住宅と鉄筋コンクリート造(RC造)住宅を解体する場合、圧倒的にRC造の方が大変です。
また、建物以外に庭に樹木や石がたくさんあったり、ブロック塀、擁壁、など壊さなけれならないもの、そして、新設し直さなければならないものが多いほど、コスト増につながります。
売却する時、購入する時、にそれをきちんとリスクとして説明されるかどうかは分かりませんが、そうしたリスクが少ない方が価値があると思います。