
身長と住まいを考える
日本人の平均身長は確実に上がっています。
スポーツ界でも海外の選手に引けを取らない体格で大活躍の日本人選手も多くなりました。
日本人の身長の変化に合わせて、日本の住まいも変わってきました。
■高さは確認しましょう
1、ドアの高さ
身長の影響が最も大きいのが出入り口のドア・引戸などの高さです。
昔は6尺(約180cm)が一般的な建具の高さでしたが、170cmを越える方にとってはそのままでは頭にぶつかりませんが、何となく、くぐるような感じがすると思います。
最近の新築住宅に納められる建具は200cmが一般的になりましたので、しばらくは頭をぶつける心配はありません。
この約20cmの高さの違いは結構大きいので、リフォームの際には注意が必要です。
2、吊戸棚の高さ
キッチンなどに設置される天井付近の収納を吊戸棚と呼びますが、
一般的には吊戸棚の下端で165cm前後です。
せっかく収納があっても届かない場合には、電動昇降機能付きの吊戸棚を採用になると便利です。
また、吊戸棚と同じ高さにキッチン換気扇が設置されることが多いですが、
換気扇の操作スイッチは換気扇についていますので、やはり、165cmより高い位置にスイッチが付きますのでご注意ください。
3、シャッターの高さ
最近は窓に雨戸を設置するよりも、シャッターを設置するケースの方が多いですが、シャッターは窓上に設置されますので、窓の高さが200cmを越えると床からでは届かない場合があります。
踏み台を設置するか、電動シャッターにするかを含め、高さをご検討ください。
4、天井高
一般的には240cm前後であることが多いと思いますが、
吹き抜けなどでは倍以上の高さが取れますし、
逆に、低く設計された住宅もあります。
空間の広さの感覚は床面積だけではなく、天井の高さによる影響も大きく、
一般的には、天井が高いと広く感じ、天井が低いと狭く感じます。
ただし、あまりに高い天井ですと、照明器具やシーリングファンの管理、高所の窓の開閉、高所のカーテン・ブラインドの管理、などは通常よりも難易度が上がることを把握しておいてください。
5、階に含まれない天井高
天井高の続きですが、小屋裏収納が3階建てにならないためには、天井高の制限(天井高 140cm以下)があります。
収納とは言いつつも、使い方は自由な空間ではありますが、
天井高140cm以下では立ったまま歩ける方はそれほど多くは無いと思います。