敷地の高低差は後から効いてくる
近年、土砂災害が多発しています。
線状降水帯、ゲリラ豪雨など、たった数時間のうちに何週間分の雨が一気に降ってくることで、地滑りが起こり、大量の土砂などで住宅などが押しつぶされてしまった映像を何度も目にしています。
「異常気象だからしかたがない」
で片付けていい問題ではありませんので、少し考えてみたいと思います。
■土砂災害を少しでも減らすには
1 土地の周辺を確認する
土砂災害が発生する地形は山を切り崩して造った造成地や崖などを背に建てた住宅など、周辺に高低差がある地形がほとんどです。
そうした土地は、平坦な土地に比べて、価格が安価であることもあって各地で大規模な造成が行われ、今でも増え続けています。
異常気象が日常化している現代では、選ぶ土地のことをもっと吟味した方が良さそうです。
2 早期避難しかない
実際に土砂災害が発生してしまえば、人間の力では防ぐことは出来ませんので、いち早くその場から避難することが大事です。
それしかないとも言えます。
■高低差があることのリスクを考える
1 自宅に眺望が必要なのか
敷地に高低差がある場合の売り文句として「眺望が良い」という文言をよく見かけます。
タワーマンションではなく、戸建て住宅を求める方々にとって、眺望ってそんなに求めるご要望なのかと疑問ですが、眺望が良いということは、高いことと同義です。
2 敷地が周辺よりも高い場合
道路や隣地から敷地が上がっている場合、コンクリートブロックや間知石、鉄筋コンクリートの土留めを設けて、土砂が流れ出さないようにしなければなりません。
住宅と同様にこれらの土留めも必ずやり替えの時期が来ますので、それらの費用も考えておかねばなりません。
また、道路から敷地が高い場合には、階段などで上がっていかねばなりませんので、足腰への負担も考えておかねばなりません。
3 敷地が周辺よりも低い場合
水の問題が一番大きいです。
周辺からの雨水が流入しやすいことと、自宅から排出される排水をどのように下水管とつなげるのがやや困難(ポンプアップなど)なことがリスクとして考えられます。
方位によっては日当たりの影響も大きいと考えらえます。
■超高齢化社会の日本では平らが良い
世界屈指の長寿命国の日本では、
高齢になってからの自宅で暮らす時間を考えておく必要があります。
バリアフリーという観点では、高低差は天敵です!
住宅が敷居を無くしてフラットになっていっても、敷地に高低差があったのでは、バリアフリーにはなりません。
一つの住まいに長く暮らそうと考えているのであれば、
敷地の高低差を考えてみてください。