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家を直す人がいなくったら

組み立てるだけの規格化された新築住宅を造れる人はいますが、
一軒一軒がオーダーの注文住宅現場や現場ごとに納め方が全く異なるリフォーム現場で腕を揮える職人が激減しているようです。

あちこちの現場が現場が大変なことになっているようですが、
それでも今はまだ現場がまわっています。

近いうちにどうなるでしょうか。


■職人不足の要因とは

1 職人不足はなり手不足

色々なご経験をされた後に一念発起して大工などの職人を志す方がいないとは言いませんが、とても稀なことです。

なぜなら、技術を習得して現場で発揮できるようになるまでに時間を要するからです。
それでもと志す方はかなり強い想いがあると思いますので、そうした方はどんどん目指していただきたいものです。

一方で、お若い方々については、時間もたくさんありますし、体力もありますし、新しいことを吸収できる柔軟性もありますので、
職人をどんどん志していいただきたいところですが、
実際には現代の日本で
「大工さんになりたい」と考えている方は
就職を希望する方の全体の1%もいらっしゃるでしょうか?

職人のなり手不足は建築業界に限ったことではございませんが、とにかく、なろうとお考えの方が少ない、そして、更に減り続けているのを痛感致します。

2 職人不足は育てる側も不足

なり手不足は深刻ですが、
もっと深刻なのが、職人を志そうと考えても、職人を育てられる環境が少ないことです。

建設業界の疲弊は激しく、特に、中小企業は数を減らし続けています。
一方で個人事業主、いわゆる、一人親方は増加しています。

技術のある方は一人でも良いのかもしれませんが、
初めから家を建てられる方はいませんので、必ず、何らかの形で学ばねばなりません。

一人親方が増えていくこと、の懸念としては、
初心者を育てる環境がどんどん減っていくことです。

また、自社で職人を抱える中小企業が減っていくこと、疲弊していくことでも、初心者を育てる余裕がなくなっています。

目指す人が減る、
目指しても育つ環境がない

では、増えようがないですね。

■職人不足の対策はあるのか

1 DIYする

簡単なことなら自分で出来るようにしておけば、ある程度はしのげます。

DIYではなくても、セミプロや器用な方のお力を借りることでもある程度はお手入れ出来るかもしれません。

しかし、日本の住宅は2階建て以上が多く、外装などは高所作業が伴うので、なかなか難しい面も多いです。

新築当初から、DIYしやすいように設計しておくなどの対策が必要な時代がもう来ているのかもしれません。

2 直すから壊すに変える

少し前までは、「100年住宅」「長期優良住宅」などと言って、
家を長持ちさせるために計画的にお手入れをしましょう!
という政府の方針もありましたが、
実際には、
職人不足ではそれも実現するのは困難になります。

ですから、
家は壊れるまで住んで、ダメになったら建替えよう!
として、
3Dプリンターやプラモデルような組立て式の簡易的な住宅で次々に建替えていく時代になるのではないでしょうか?

ゴミの問題などは悪化しそうですが、
住む場所が無くなるよりは余程いいですよね。

■職人不足の未来とは

伝統工芸品って価格だけで見るとかなりお高いですよね。

それだけ手間が掛かっていたり、高い技術が駆使されていたり、
していると思いますので価格には納得しますが、
昔はもっと身近な物だったのではないかと思います。

それが需要が減り、職人が減り、
希少価値が上がっていったのではないでしょうか?

建築はそうはならないと良いですね。

住まいは生活に直結しているので、
高すぎて誰も手が出せないようにはなってほしくないです。

ただでさえ、物価高騰、燃料費高騰、人件費高騰が長く続き、建設費用は上がり続けているため、需要が下りつつあるのですから、更に進んでしまうことへの懸念はぬぐえません。

職人がいないから手入れが出来ないのと、
あまりに高額になり過ぎて手入れが出来ないのとが、
合わさってしまったら、本当に維持管理が難しい時代になってしまうかもしれません。

一応、今のうちから、その心構えはしておくのが良いのかもしれません。

■最後までお読みいただきありがとうございます