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お子さんの居場所は子供部屋なのでしょうか

戸建て十他の話題の一つとして、
個室論争が度々起こっていますが、
個室が要るとか要らないとかを考える際に、
今のお子さんのことではなく、
「自分が子どもの時どうだった」
とご自分の当時の記憶に強く引っ張られていませんか?

20年前、30年前と今では、時代が全く違いますので、
今のご家族に合わせた家づくりについても考えてみませんか?


■将来の個室、個室の将来

1 家族は変化していく

戸建て住宅を購入、建築するのがファミリー世帯とは限りませんが、割合としては圧倒的に多いと思いますので、ファミリー世帯向けのお話しとさせていただきます。

家は5、10年では大きな変化が起こりませんが、ご家族の5、10年というと大きな変化が起こっていることは珍しくありません。

進学・卒業、就職・転職・退職、結婚・離婚、出産、入院・介護・・・、
こうした大きなイベントごとが無かったとしても、
確実に年齢は重ねますので、それだけでも変化と言えます。

その時に、そのお住まいはそのままでも暮らしやすいでしょうか?

2 昔は家族に合わせて家を考えた

  • お子さんんの進学に合わせて家を購入した

  • 子どもたちが巣立っていったから住み替えた

  • 子ども部屋が必要になったから増築した

  • お子さんとの同居のために二世帯住宅に建て替えた

家づくりをする理由としては、ごく一般的な理由でしたが、
最近は、
持ち家ってコスパが悪い
という考えもあるようですので、
家が家族に合わせるのではなく、
家族が家に合わせるという考えも広まっているのかもしれません。

3 個室の良し悪しはあるのか

「引きこもり」
という言葉がまさに個室の悪の部分の代表格のような表現だと思いますが、一方で、個室はプライバシーを守り、個性を育む空間でもあります。

しかし、お子さんでも大人でも、全ての人間が個室を求めている訳ではありませんし、個室を嫌う人間もいらっしゃいますので、注文住宅において大事なのは人に家を合わせることだと私は考えます。

第三者の口コミやセオリーなど全く当てにはならず、
また、今現在はこうだが、少し先には状況が変わっているかもしれません。

その時に家が家族に合わせられるように設計してなければ、住み替えるか、我慢するかになってしまいます。

4 多すぎる個室はたくさんの納戸を生み出す

巣立っていった家族の荷物が山積みされた空き部屋、
通称、納戸(なんど)ですが、
元々、個室だった部屋が空いたのに荷物だけ残されたので、
部屋名のみが変更されます。

しかも、所有者不在の荷物は片付けられることも処分されることもなく、ただ部屋を占領し、その部屋の活用も阻む事態になりがちです。

納戸ではなく、せめて、趣味部屋や書斎、家事室、応接室、など前向きに使用できる部屋名に変更したいですよね。

物には思い出、愛着もあろうかと思いますが、
実際のところは、
実家に置き去りにされるような物たちにはそうした感情はほとんど残っていないと思いますので、後は、いつ処分するかと言うだけかもしれません。

5 個室が問題ではなく、分断させる家づくりが問題

リビング階段がどうとか、部屋の配置がどうとか、
子育てと個室の事をあれこれ住宅に盛り込もうとした設計は色々とあると思いますが、
結局は、
家族が一緒に過ごしたくなる空間づくり、
または、
個室を快適にし過ぎない空間づくり、
を両立させれば、
個室に籠る時間を少しは改善できるのではないかと考えられます。

個室でなければ勉強が出来ない、個性を育めない、ということは絶対ではないと思います。

家族の様子を見ながら家を家族に合わせるのが良いと私は考えます。

■最後までお読みいただきありがとうございます