見出し画像

respect

2024年8月11日。場所は豊田スタジアム。
東京ヴェルディはアウェーに乗り込み名古屋グランパスと対戦した。
結果は0-1。広島戦に続く連敗を喫した。
今回は試合内容では無くレフェリングに関してのレポートを。
主審は御厨さん。我々のゴール裏からはレフェリングの一貫性に異議を唱える声が上がっていた。もちろん私もこれは取ってくれても良いんじゃないか?と思うシーンはあった。ただ相手方にも取ってあげた方が良いのではないか?と思うシーンもあり個人的には大きく偏ったジャッジには感じなかった。
U-15までしか吹いた事の無い3級審判員ですが皆さんに知って欲しい事がたくさんあります。

~見るとやるでは大違い~
外から(特に客席などの高い場所)から見ていると何処で何が起こっているのかある程度分かると思います。しかしピッチ内の主審は選手と同じ目線で様々な状況判断を繰り返しています。主審としてまず優先すべき事はピッチ内22人のプレーヤーが【安全に公平にプレー出来るよう試合をコントロールする】そして一番注視するのがコンタクトの場面。ボール保持者に対するアプローチが正当であるか逐一判断しながら【常に適正なポジションに居続ける事】
この【】内の部分がめちゃくちゃ大切であり難しい部分です。細かくパスを繋いでいるかと思えば逆サイドやロングボールで大きな展開になる事も。次のコンタクトに遅れぬように2人の副審とカバーし合いながら対局線の動きを中心に走り回る。選手やチームの特徴を頭に入れながら(個人のプレー特性や利き足、チームスタイルまで)各選手のポジションも見極め先の先まで予測する。どうですか?ボランチ顔負けの動きです。
【常に適正なポジションに居続ける】これって思ってる以上に難しい事だとご理解下さい。

~全てにおいて主審の判断が尊重される~
一見すると主審のやりたい放題に思えますが逆を言えば全責任は主審にのしかかる。競技規則にもハッキリと明言せず主審に委ねられた部分が多々あります。VARも導入されていますがオフサイドなど明確な判定以外は主審がOFRで最終判断していますよね?
最後に決断するのは主審です。本当に重圧です。試合の結果によってはチームの昇降格や選手の人生にも影響を与えます。生半可な気持ちでレフェリングしてる人間など絶対に居ません。買収?疑うなら大金をご自身で用意して試してみて下さい(笑)
日本の審判はレベルが低いだとかプロフェッショナルレフェリーなんだから完璧に判定しろとか辛辣な意見も溢れています。もちろん更に高いレベルでのジャッジを遂行出来るよう日々鍛錬する事は大切ですがこれだけギリギリでの戦いを審判団も行っているのです。

もっともっと書きたいのですが長くなり過ぎるのでまとめます。
御厨主審の判定を見た感想としてはブラインドになりそうなハンドも細かく取っていましたし50/50のコンタクトプレーに関してはボールへのチャレンジか否かを重要視しているように感じました。
最近のトレンドとしてはボールにチャレンジして先にボールに触れた場面でも相手より身体が少し遅れたりするとファールの判定になりやすい傾向ですがその基準も主審によって差は生じる。ですから今回のレフェリングも十分尊重出来る内容だと感じました。
私自身が指導しているチームにもまずレフェリーの基準を自分達で感じてそれを頭に入れながらプレーしましょうと伝えます。逆に自分が主審を務める場合にも両チームのプレースタイルや質や強度を早い段階で見極め試合の基準となる判定を作ります。主審へ不満を言っても基準は変わりません。試合毎の基準に適応する事も大切です。

そして個人的にこの試合で印象に残ったナイスジャッジを一つ。
ヴェルディ側の審判やじり隊からは怒号が飛んでましたが、主審と副審が挟んでコンタクトを見ていた場面で御厨主審は当初グランパスのファールと判定をしました(両選手が主審に対して背中を向けていた)すかさず副審がフラッグアップして逆ですよ!と伝えました。御厨さんはしっかり副審とアイコンタクトを取り︎︎👍サインで合図してヴェルディ側のファールに差し替えました。これこそ4審を含めた審判団のチームプレーです。単純に主審がグランパス贔屓で判定変えた!みたいに思った人がギャーギャー言ってましたがそれをかき消すように「ナイスジャッジ!」と叫んだら彼らはポカンとしてましたね(笑)

長々と偉そうに書きましたが私自身も反則を見落としてしまったり判定を誤ったり基準がブレてしまう事があります。一つ何か引っかかるとどんどんプレーに置いていかれ更にジャッジに迷いが出てしまう。審判員もメンタルが非常に大切。思ってる以上に難しい、思ってる以上にきつい。批判される事はあれど褒められる事はほとんど無い。でもレフェリーが居ないと試合が出来ない。簡単に批判するのではなくたまには主審の動きにも注目してみて下さい。また違った視線で見えてくるものがあるはずです。
対戦相手にも自チームにもサポーター仲間にも。そしてレフェリーに対しても常に忘れずに【respect】
サッカーに敵はあらず。


いいなと思ったら応援しよう!