見出し画像

2021 年のState of DevOps〜2021年DevOps成熟度調査レポート〜を読んだ

こんにちは、@dai___youです。
今回は、Google Cloud のDevOps Research and Assessment(DORA)チームが作成したAccelerate State of DevOps レポートを読んだので、そちらについてまとめてみます。

State of DevOps レポートは、32,000 を超える全世界の専門家に対する7 年間の調査と、それらから得られたデータ、および組織・技術的なプラクティスを提案してくれるものです。

ザッと概要を理解したい方はこちら👇をご覧ください。

調査から得られるもの

  1. ソフトウェアデリバリーと運用のパフォーマンスの重要性
    優れたソフトウェアデリバリーと運用パフォーマンスが、技術変革における組織的なパフォーマンスを促進することがあらためて実証

  2. 低、中、高、エリートという、ソフトウェアデリバリーと運用のパフォーマンス別市場平均
    チームが自分たちを業界と比較してベンチマークできるようにするため、クラスタ分析を使用した意味のあるパフォーマンスカテゴリ(低、中、高、エリートというパフォーマンス別のグループなど)

  3. パフォーマンス改善のためのベストプラクティス
    チームが、自分たちの現在のパフォーマンスが業界と比べてどの程度のものかを認識した後で、主要な結果を改善し、最終的に自分たちの相対的な地位が向上するよう、プラクティスと能力の目標設定

本記事では、「2.低、中、高、エリートという、ソフトウェアデリバリーと運用のパフォーマンス別市場平均」と「3.パフォーマンス改善のためのベストプラクティス」に着目して記載していきます。

低、中、高、エリートという、ソフトウェアデリバリーと運用のパフォーマンス別市場平均

ソフトウェアデリバリーと運用のパフォーマンスの比較方法

  • 7 年間にわたってデータの収集と調査を行った結果、ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスを測定するための4 つの指標を基準に検証。2018 年から組織の能力を捕捉するため5 つ目の指標も追加

    • 4つの指標はスループットに関わる2指標安定性に関わる2指標5つ目の指標は信頼性に関わる指標

      • スループット

        • デプロイの頻度

        • 変更のリードタイム

      • 安定性

        • サービス復旧時間

        • 変更時の障害率

      • 信頼性

        • 運用のパフォーマンス(SODと呼ぶ)

          • 可用性、レイテンシ、パフォーマンス、スケーラビリティなど

  • チームがソフトウェアシステムをどのように開発、デリバリー、運用するかを調べ、回答者をエリート、高、中、低パフォーマンスの4 つに分類

ソフトウェアデリバリーと運用のパフォーマンスの指標

ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスを測定するための4つの指標について詳しく知りたい方はこちら👇

ソフトウェアデリバリーのパフォーマンス別市場平均比較結果

調査の結果、ソフトウェアデリバリーのエリート、高、中、低パフォーマンス別市場平均比較は以下の通りとのことです。

ソフトウェアデリバリーのエリート、高、中、低パフォーマンス別市場平均比較結果

上記ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスに関してこちら👇からクイックに確認できます。

ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスのエリートと低の差分

これだけの差分があれば、事業成長(成長性・安定性)や従業員満足度にも影響があるのはそうだよね、という所感。エリートパフォーマンス組織になるためのプラクティスはどのようなものか?

パフォーマンス改善のためのベストプラクティス

本レポートでは、クラウド、SREプラクティス、セキュリティ、技術的な実践方式、文化などの影響について調査。パフォーマンス改善に役立つプラクティスとして紹介されています。

  • クラウド

    • ハイブリッドやマルチクラウドのユーザーは、デプロイの頻度、変更のリードタイム、復旧時間、変更時の障害率、信頼性について優れている可能性が1.4 倍高い

  • SREプラクティス

    • 以下のような組織活動へのコミットメントを有するチームは優れたSDO パフォーマンスを報告する可能性が1.4 倍も高く、ビジネス上の良好な成果を報告する可能性も1.8 倍高い

      • ユーザーへの対応に関して信頼性を定義する

      • SLI / SLO 指標フレームワークを採用して、エラーバジェットにより作業に優先順位を付ける

      • 自動化を利用して、手作業と、仕事の妨げになるアラートを削減する

      • インシデント対応のプロトコルと、対応準備をテストするための演習を定義する

      • ソフトウェアデリバリーのライフサイクル全体にわたり、信頼性に関する原則を取り入れる(「信頼性のシフトレフト」)

    • ドキュメント

      • 高品質のドキュメントを保有しているチームは、以下のような優位点があり、ソフトウェアデリバリーと運用(SDO)パフォーマンスも優れている割合が2.4 倍高い

        • セキュリティプラクティスを実装する割合が3.8 倍

        • 自らの信頼性目標を満たす、または超える割合が2.4 倍

        • サイト信頼性エンジニアリング(SRE)プラクティスを実装する割合が3.5 倍

        • クラウドを完全に活用する割合が2.5 倍

      • また高品質のドキュメントを支える他のリソースとして、次のようなものもある。

        • ドキュメントの作成と保守の方法についてのトレーニング

        • コードサンプルや不完全なドキュメントの自動テスト

        • ドキュメントのスタイルガイドや、グローバルな対象層に向けた作成の手引きなどのガイドライン

  • セキュリティ

    • エリートのパフォーマンスで、信頼性の目標を満たした、または超えたグループは、ソフトウェア開発プロセスにセキュリティを統合している割合が2 倍

    • 具体的なセキュリティプラクティスは以下の通り

      • セキュリティのテスト

      • すべてのフェーズにセキュリティレビューを統合

      • セキュリティのレビュー

      • 事前に承認されたコードのビルド

      • 早期からInfoSec を頻繁に関与

  • 技術面のDevOps 機能

    • 継続的デリバリーを採用してDevOps 変換を遂行した組織は、高品質、低リスクで、費用対効果の大きいプロセスを保有している割合が高い

    • 具体的な技術的プラクティスは以下の通り

      • 疎結合アーキテクチャ

      • トランクベース開発

      • 継続的なテスト

      • 継続的インテグレーション

      • オープンソーステクノロジーの使用

      • モニタリングとオブザーバビリティのプラクティス

      • データベースの変更管理

      • デプロイの自動化

  • 文化

    • 帰属と受け入れ

      • パフォーマンス指向で、帰属とインクルーシブネスを重視する組織は、肯定的でない組織文化を持つ組織と比べて、従業員の燃え尽き症候群のレベルが低い可能性が高い

さいごに

今回はGoogle Cloud のDevOps Research and Assessment(DORA)チームが作成したAccelerate State of DevOps レポートをもとに、ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスとパフォーマンス改善方法についてまとめてみました。

詳細レポートはこちら👇からダウンロードできますので、気になる方はぜひみてください


いいなと思ったら応援しよう!