育休取得目標について思うこと
男性の育児休業取得について、政府は2025年までに50%を目標としているようです。これ自体は非常に素晴らしい流れで、取れる人は取って、積極的に育児を行うべきだと思います。
私は仕事ファーストで育児にあまり関与しなくて失敗したので、周りの人には同じ過ちをしてほしくないと思っています。なので、仲間が育休に入るなら、喜ばしいですし、安心して育休に入れるように仕事面もフォローします。
ここからは多くの職場で抱えていると思われる課題について述べます。育休に入る人が気にする必要は全くなく、組織全体として考えるべきだという話です。
不況やらコロナやら震災やらをなんとか乗り切って今があると思いますが、その過程で、人員やコストは最大限にカットされてきており、現状、人が余っている職場はほとんどないと思います。
一方で、競争が激しくなる中で、サービス向上や品質向上等は必須であり、一人一人の負担は年々増えていると思います。
休業に入る方のフォローをするには、欠員をよそからの増員で埋めるのが理想ですが、前述の理由で、補充するのは難しく、今いる人員でなんとか頑張って埋めてくれというのが、上層部の本音でしょう。
人員の補充ができないならば、せめてフォローする人に手当を追加する等のインセンティブを付与すべきだと思いますが、これもほとんど実施されていないと思います。そして、その予算もないところがほとんどでしょう。
つまり、欠員は発生するけど、今いるメンバーで今よりもうちょっと頑張ってなんとか乗り切ってくださいねという、具体的な解決策もなく、今の時代に古臭い精神論でしかないブラックな状況になります。
一人いなくなる程度なら、精神論でなんとかカバーできそうですが、ホワイトに向かうトレンドの中で、同時に複数人が離脱する事態も当たり前に発生していて、しかも毎年この状態だと、精神論だけで乗り切るのは不可能です。
このことにより、何が懸念されるかと言うと、フォローする人が出口の見えない負担増に押し潰されて精神的に参って離脱するリスクが発生します。ただでさえ余裕がない状況に、さらなる離脱者を出し、組織が崩壊するという負のスパイラルに入る危険性があります。
このような負のスパイラルに入らないためには、欠員をカバーする人たちへのフォローも必須になります。
育休取得目標を見越した採用・人員配置やインセンティブの導入等もセットで検討すべきだと思います。
繰り返しますが、育休取得目標は素晴らしいことです。ただ、世の中全体的に、取得目標ばかりが先行して、働き手へのケアが決定的に不足していると感じたので、今回書かせていただきました。みんなが幸せになれる世の中になることを願っています。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。